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日本への原爆投下は、ナチス・ドイツによるユダヤ人抹殺政策と同根の極端な自民族中心主義がある。佐藤優
http://www.asyura2.com/07/war95/msg/409.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 9 月 05 日 14:19:33: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu151.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日本への原爆投下は、ナチス・ドイツによるユダヤ人抹殺政策と同根の
極端な自民族中心主義がある。アメリカ国家がそれに応じることはない

2007年9月5日 水曜日

◆日本の「いわれなき罪」回避 FujiSankei Business i.  2007/9/5
http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200709050016o.nwc

 夏の恒例行事となっている外交文書公開で、終戦直前に原爆投下に対して日本政府がアメリカ政府に抗議するようにとの訓令電報(公電)を発出していたことが明らかになった。

 〈公開された文書の中に「大至急」と書かれた1枚の公電がある。発信は1945(昭和20)年8月9日午後11時55分。《6日、米国航空機数機、広島市に来襲。新型爆弾を投下せる為、市民多数に死傷者を出し、家屋もまた大半倒壊または焼失せり。その被害の甚大なるは到底従来の爆弾に比較し得ざるものなり。よって帝国政府は別電のごとき抗議を米国政府に提出いたしたきにつき−−》

 原爆投下について、スイス政府などを通じて抗議するように駐スイスの加瀬俊一公使へ指示する東郷(茂徳)外相の公電だった。〉(8月30日朝日新聞朝刊)

 戦時中、日本とアメリカは国交を断絶していた。日本の利益代表国はスペイン、アメリカの利益代表国はスイスとなっていたので、日本政府はスイス経由で、日本国家の意思を伝達したのである。すでに8月9日午前には長崎市にも原爆が投下されているにもかかわらず、この公電で広島市への原爆投下についてしか言及されていないのは、若干奇異であるが、すでに政府の情報収集能力と調整能力が低下していることをうかがわせる。

 45年8月9日未明、当時有効であった日ソ中立条約に侵犯してソ連が対日宣戦布告を行い、満州にソ連軍がなだれ込み、地獄絵のような状況が生じていた。9日深夜、日本の降伏を要求したポツダム宣言を受諾するか否かについて、皇居で御前会議が開かれていた。

 〈御前会議さなかの10日午前1時には、東郷外相名で、加瀬大使あてに「別電」で《本件爆弾を使用せるは人類文化に対する新たな罪悪なり》と1029文字からなる抗議文が追加されている〉(同)

 ここから浮かび上がってくるのは、日本国家が存亡の危機にひんしたとき、国益を擁護するために最大限の努力をした東郷茂徳外相と当時の外務省幹部の姿である。戦時国際法は非戦闘員に対する無差別爆撃を禁止している。アメリカによる原爆投下は明らかに当時の国際法に違反している。スイスの加瀬大使も〈8日午後10時半(日本時間9日午前5時半)、入れ違いで東郷外相にあてた至急電でこう述べている。≪大々的プレスキャンペーンを継続し、米国の非人道的残忍行為を暴露攻撃すること、緊急の必要なり……≫罪なき30万の市民の全部を挙げてこれを地獄に投ず。それは「ナチス」の残忍に数倍するものにして……〉(同)

 加瀬大使の電報中、〈それは「ナチス」の残忍に数倍するものにして〉という部分に筆者は同意できない。「アメリカの残忍さはナチス・ドイツに匹敵する」というのが正確と思う。原爆投下は思想問題でもある。アメリカは日本があくまでも抗(あらが)ってくる場合は、日本軍のみならず老若男女を含め日本民族をこの世から除去してしまえばよいと考えた。このジェノサイド(皆殺し)思想が原爆投下という形になって表れたのである。アウシュビッツやダッハウで殺害されたユダヤ人も「不潔な存在であるユダヤ人を除去することで問題の最終解決を図る」というナチスの思想からもたらされたものだ。

 過去の戦争において、日本軍も戦時国際法に違反する捕虜虐待や無辜(むこ)の住民を殺害するような行為を行った。しかし、特定の民族を除去するという「人道に対する罪」を行ったことはない。戦前、戦中を含め、日本国家も日本人もそのようなジェノサイド思想をもったことはなかったからである。東郷外相や加瀬大使をはじめとする確固たる国益観をもち、国際法に通暁した外交官が、アメリカによる原爆投下が戦時国際法に違反し、更に「非人道的残虐行為」であることを毅然と主張したことが、その後の極東軍事裁判(東京裁判)において、連合国が日本に対して「人道に対する罪」などという事後法であり、かつ日本として身に覚えのない犯罪をかぶせられることを防ぐためにも貢献したと筆者は考える。

 さて、外交文書は、原則、30年後に公開されることとなっているが、なぜ外務省はこの文書を62年もたってから公開したのか。この文書が数年前に公開されていたならば、過去1〜2年にアメリカで展開された反日キャンペーンに対抗する重要な武器になったのに残念だ。外交文書公開の分野においても外務官僚の不作為が国益を毀損(きそん)している。


◆米下院の慰安婦決議(上) FujiSankei Business i.  2007/8/8
http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200708080002o.nwc

7月30日(日本時間31日)、アメリカ下院が慰安婦問題に関する決議を採択した。〈決議は、「旧日本軍が若い女性に性的な奴隷状態を強制した歴史的な責任」を日本政府が「明確な形で公式に」認め、日本の首相が謝罪声明を出すよう求める内容。1月末に日系のマイク・ホンダ議員(民主)が提出した/日本政府は「これまで謝罪しており、決議案は不必要で、事実と異なる」と訴えた。だが、安倍首相は3月1日、軍当局の関与と「強制性」を認めた93年の「河野官房長官談話」に関連して「強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実ではないか。定義が変わったことを前提に考えなければならない」と発言。自民党内に河野談話を見直す動きもあり、従来の日本政府の謝罪に留保をつけ、修正しようとする発言と受け取られた〉(asahi.com7月31日)。

安倍晋三総理は決議採択の直後、記者団の質問に答えて、〈「私の考え、政府の対応については4月に訪米した際に説明をしてきた。こうした決議がなされたことは残念だ」と語った。そのうえで「これからもよく米側に対して説明していくことが大切だと思う」と述べ、説明を続ける考えを示した〉(同)。筆者もこの決議が採択されたことは残念に思う。この決議が今後、日米間の「のどに刺さったトゲ」となる。慰安婦問題を巡るアメリカの報道には滅茶苦茶なものが多い。「20万人のアジア女性をレイプ・センターに入れた」などという事実無根の話が独り歩きしている。

 3月1日の安倍総理の発言についても冷静に考えてみる必要がある。安倍発言の趣旨は慰安婦について「狭義の強制性はなかった」という認識を示したのであり、これは従来の政府見解と何ら齟齬(そご)を来していない。「狭義の強制性はなかった」という認識は「広義の強制性はあった」という前提でなされている。「強制性があったかなかったか」という設問に対して、「あった」という回答になる。安倍総理は、慰安婦問題について強制性を認めているのである。それだけのことだ。それにもかかわらず、アメリカのメディアでは安倍たたきの嵐が吹き荒れた。

 ワシントンの日本大使館やアメリカ各地の日本総領事館が慰安婦問題に関する政策広報をきちんと行っていればこのようなことにならなかったはずだ。筆者の理解では、外務省が「アジア女性基金」の活動をアメリカで正確に紹介していれば、事態がここまで悪化することを避けることができた。「アジア女性基金」は「従軍慰安婦」という用語を用いず「慰安婦」としている。また、「狭義の強制性」も認めていない。慰安婦の人々に日本の総理が「おわびの手紙」を出している事実をアメリカ議会関係者に日本の外交官がていねいに説明していれば事態の展開は異なった。このようなロビー活動をするために大使館や総領事館に勤務する外務省職員は、給与と別に、数十万円の在外手当を受けているのだ。この在外手当は精算する必要もなく、税金も課されない「つかみ金」だ。今回の事態に関して、第一義的に責めを負うのは外務官僚の不作為である。

 外交の世界において正しい主張がいつも通るとはかぎらない。例えば、1945年8月の広島、長崎への原爆投下は、当時の戦時国際法に違反する無差別爆撃であるのみならず、日本がアメリカに対してあくまでも戦いを挑んでくるならば、日本人という民族を滅亡させても構わないというのが当時のアメリカ指導部の認識だったと筆者は考える。日本への原爆投下は、ナチス・ドイツによるユダヤ人抹殺政策と同根の極端な自民族中心主義がある。しかし、日本国家がいくら原爆投下に対する謝罪を求めてもアメリカ国家がそれに応じることはないであろう。

 慰安婦決議に関して、アメリカ下院ごときに何を言われようとも、謝罪をする筋合いはない。中国や韓国から何を言われようとも、公約として掲げた靖国神社参拝を小泉純一郎前総理が取りやめなかったのと同じ論理構成をとればよい。歴史認識を巡る外交問題においては、このような乾いた、薄っぺらな論理が日本の国益にかなうという筆者の持論を8月初め、ある勉強会で述べたら、東郷和彦氏(元オランダ大使)に「それじゃダメだ。問題は解決しない」とたしなめられた。


(私のコメント)
アメリカが文明国家なら現在の倫理基準で日本の60年以上も前の戦時中の出来事に対して、アメリカ連邦議会で対日非難決議がなされるとは思わなかったのですが、7月30日にそれは行なわれた。確かに日本軍に対する慰安所が設けられて売春行為が行なわれたのは現在の倫理基準から見れば人権侵害だ。しかし個人の意見を言うのとは違ってれっきとした連邦議会で日本の総理に謝罪を求める決議を下すとなると外交問題となる。

だから第二次大戦中の出来事に対してはサンフランシスコ講和条約や日韓基本条約などで外交的な決着が図られたはずだ。それをアメリカ議会は再び持ち出してきて謝罪決議を突きつけている。決議自体は何の拘束力を持たないものですが、北朝鮮は国際会議でそれを持ち出して、日本人拉致問題を相殺しようとしている。半世紀以上も前の出来事と現在行なわれている拉致問題を一緒に扱うとはむちゃくちゃだ。

アメリカ下院議会は北朝鮮に利用されたともいえるのですが、アメリカ議会が決議が下したと言う事実は今後永久に残る事になる。もしこのようなことが許されるのならばアメリカの歴史的過去も次々と持ち出して非難決議したら、世界中の議会はアメリカ非難決議であふれかえることだろう。

歴史的出来事に対する評価は歴史家に任せるべきであり、政治の世界に歴史問題を持ち出すことは文明国のすることではない。外交的に収拾がつかなくなってしまうからだ。だから日中や日韓の外交は歴史問題をめぐって年中ゴタゴタしている。中国や韓国は歴史問題を持ち出せば外交的主導権が取れるからそうしているのですが、日本の政治家も謝罪と反省ばかりして反論しようとはしない。反論すれば大臣の首も跳んだ。

アメリカも中国や韓国の真似をして歴史カードを持ち出してきたということなのですが、アメリカ人も中国人や韓国人並みの倫理観に劣化してきたのだろうか? それに対して安倍総理はアメリカ議会にまで訪問して謝罪してきたのですが、アメリカ議会は正式な謝罪を要求している。やがては戦時被害の個人補償の問題にまで発展するのだろう。つまりサンフランシスコ講和条約を反故にして新たに賠償問題を持ち出して来るのだろう。

ならば日本も広島長崎の原爆投下を戦時国際法に違反した行為だとして、アメリカ政府に対して原爆の被害者を原告として訴えるべきだろう。アメリカ側が従軍慰安婦問題を持ち出してきた以上は日本も同じ論理で反論しなければならない。そして事実関係を徹底的に究明して解決しなければいつまでも外交問題としてゴタゴタする事になる。

日本の外務省は事なかれ主義なので形式的な抗議しかしませんが、日本のブロガーは手強いところを見せ付けて震え上がらせるぐらいの反論で叩きのめす必要がある。ブロガーは手弁当でやっているから黙らせるのが難しい。せいぜいプロバイダーに手を回してサイトを潰すぐらいですが、他のプロバイダーに乗り換えればいいだけの話で潰すのは不可能に近い。あまり露骨にやれば言論弾圧だと騒げば手を引くだろう。

従軍慰安婦問題でもワシントンポストに有志が反論を載せましたが、今までの外務省とは違って強く出れば引っ込むような事はない。彼らに歴史カードで騒げばやぶ蛇になる事を分からせるべきだ。広島長崎の原爆投下問題もアメリカ人は学校では戦争を早く終わらせる為に仕方がなかったと教わっているらしい。ならばなぜ朝鮮戦争やベトナム戦争で使わなかったのか? 使えば非人道的な兵器を使ったと避難されるから使えなかったのだ。

要するに日本人は新兵器の人体実験に使われたわけで、当時のアメリカ人から見れば日本人は人類と類人猿との中間種ぐらいにしか見られていなかったのだ。その類人猿みたいのがゼロ戦や空母でハワイまで攻めてきたからアメリカ人はびっくりして、有色人種も人間だと認めるようになったのだ。だから大東亜戦争は全く無駄ではなくて、植民地の解放や人種差別の撤廃などには大きく貢献している。

もっとアメリカ人を痛めつけるにはアメリカインディアンを絶滅させた事を歴史カードで責めればアメリカ建国の理念からぐらついてしまうのであり、従軍慰安婦問題は寝た子を起こしたようなもので徹底的にアメリカ人を攻め立てて、過去の歴史カードを外交に持ち出すことがどれだけばかげているかを分からせるべきだ。

私にしても安倍総理にしても大東亜戦争は生まれる前の歴史上の出来事だ。戦争を体験した世代は敗戦ショックで茫然自失してしまって大東亜戦争の評価をすることが出来ないで来た。ようやく戦後生まれの総理大臣登場して「戦後レジュームからの脱却」がスローガンになった。それに対してアメリカのリベラルは安倍総理に警戒の目を向けている。韓国や中国を動かして歴史カードを突きつけても最近の日本人は反論してくるからアメリカが従軍慰安婦で動いた。

8月29日の株式日記でも書いたとおりにブッシュ大統領の歴史観は自分勝手な酷いものだ。神道をアルカイダなみの狂信的な宗教とみなしている。それに対する日本政府の反論はない。戦後から現在に至るまで日本はアメリカに対してまともに論争をしてこなかった。抗議すべき事も抗議しないからいつまでたっても戦後体制が変わらないのだ。

9・11のテロ攻撃と帝国海軍のパールハーバー攻撃は一緒なのだろうか? つまり大日本帝国はテロ国家だったと言っているようなものですが、強制収容所を作って日系人を収容したアメリカはナチスドイツと変わらない。そして原爆投下はユダヤ人虐殺と同じホロコーストなのだ。その事を日本政府はなぜ抗議しないのか? 


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