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「イラクの子ども達に平和を!」の講演会でイラク情報の不足痛感 2007/08/31 (ジャンジャン)
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投稿者 新世紀人 日時 2007 年 8 月 31 日 14:41:26: uj2zhYZWUUp16
 

http://www.news.janjan.jp/world/0708/0708301539/1.php

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「イラクの子ども達に平和を!」の講演会でイラク情報の不足痛感 2007/08/31


 なぜ、日本人はイラクの人たちの悲しみを共有できないのだろうか。今回の講演会に参加して、このことを感じた。

 事実上の内乱状態に突入させられてしまったイラクで、現地の医療機関と連携し、医療活動を行っている「日本イラク医療ネットワーク(JIM−NET)」。それらとともに、医療支援活動に取り組んでいるイブラヒム・ムハンマド先生(詳しくは28日のJanJan掲載記事を参照)が、現在行われている「スピーキングツアー」の一環として、旭川市でも現地イラクでの悲惨な状況の報告会を開いた。今回は、通訳を兼ねて、「JIM−NET」事務局長の佐藤真紀さんと共に、イラクのボランティア活動を続けている高遠菜穂子さんも助言者として参加した。

 講演会は8月28日(火曜)、旭川市民文化会館で開かれた(主催:「イラクの子ども達に平和を!実行委員会(セイブイラクチルドレン旭川・旭川革新懇、有志の会など)。


 初めに行われた「JIM−NET」事務局長の佐藤真紀さんの話しや、イブラヒム先生の報告は、すでにJanJanの8月28日(火)の記事に詳しいので、今回は割愛します。

 イラクの現状は、2005年3月11日に高遠菜穂子さんが旭川に来て、今回と同じ市民文化ホールで話したときより、さらに悪化の道を辿っているようだ。今回のイブラヒム先生の話が、それを象徴している。

 彼の仕事の1つに、薬の調達がある。「残念だけれど、バスラには殆ど薬がこないので、JIM−NETに連絡し、その薬を薬局に受け取りに行った。その時、薬局の表でイギリス兵と民兵組織による銃撃戦が始まり、4時間、薬局内に閉じこめられた。銃撃戦で多くの人が殺された。同行した人も撃たれ、私の腕の中で息を引き取った」という。

 もう1つ、レイラという6歳の女の子について、こう語った。「レイラは3年前から白血病を発症してしまい、治療を行っていた。お父さんはトレーラーの運転手をしていたが、2年前にテロリストに捕まって、首を切られた。父親の首は、レイラの家に送り届けられた。

 レイラの一家は働き手がなくなり、12歳になる兄がマーケットで野菜運びをして一家の生計を支えていた。その収入だけでは病院へ通うことが出来ない。その後、JIM−NETに交通費などの援助を受け、病院に通えるようになり、いま、レイラは順調に回復している」。

 続いて高遠菜穂子さんが、イラクの現状の説明に立った。

 「(イブラヒム先生の話は)バスラでの出来事でしたけれども、いま、イラクの人たちは『自分の国に何が起きていて、『誰が誰をどうしているのかが分からなくなっている』という状況になっています。

 私が自分のプロジェクトでカバーしている所では、(レイラが通院、治療ができるようになったというような)今日の話とはまったく違うことが起きています。首都バクダットでは、もっと複雑な問題もずい分あります。また、イラク北部ではそれと異なった状況が起きています。イラク中部はここ数ヶ月で一気に悪化しています。一口でいまのイラク情勢は語れません。

 不思議な話ですが、イラクの人が、私のような外国人に自国の様子を聞きにきます。イラクにいてもイラクの情勢が分からなくなる。それは、いろんな複雑な勢力が入って来ている所為もあります。また、電気がない、テレビが映らない、新聞が届かない、インターネットが繋がっても非常に調子が悪い。そういうふうに、情報が遮断されている。たくさんのメディアがありますが、それぞれの主張を繰り返していて、なお更、状況が分からなくなっています。

 こういう現状なので、情報の量が少なくなってしまったし、入りにくくなっていると思いますが、皆さまにイラクウォッチを続けていただければ嬉しいです」。

 泥沼化したイラクの情勢は、高遠さんでさえ複雑で分かりにくくなってしまった、ということだ。

 最近のマスコミは、イラクを見捨てたのかと思うほどニュースを流さない。私の見ている限りでは、日曜日のNHK「海外ネットワーク」か、同じ日曜日のTBS「報道特集」くらいだ。   

 テレビは昨日も今日も、朝から「朝青龍問題」で大騒ぎだ。彼がモンゴルに出発したとき、空港には250人にも及ぶ報道陣が集まったとか。そのエネルギーを、悲惨な状態が現在も続いているイラクやアフガニスタンの報道に、なぜ割けないのか。

 高遠さんの言う「情報がない」が、そうさせているのだろうか。先日あるテレビ番組で、パネラーがアフガニスタン近辺での自衛隊による給油問題に触れ、「続けるしかしょうがないでしょう」と、いとも簡単に話しているのを聞いて、ア然とした。ところが、もっと驚いたのは、その発言について、番組の司会者や、他のパネラーが何もコメントをしなかったことだ。知らないから何も言えないのか、触れたくないからなのかは、分からなかったが……。

 今回の参院選で大きく勢力を伸ばした民主党には是非、「国政調査権」をフルに活用して、アフガニスタンで継続されている給油問題や、イラクでの航空自衛隊の活動内容を引き出し、国民に知らせてほしい。

 なぜ、日本人はイラクの人たちの悲しみを共有できないのか――。私にも結論は出ないが、「情報がない」が大きな理由なのだろうか。
(岩崎信二)



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