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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20070821dde007030069000c.html
【ニューデリー栗田慎一】核拡散防止条約(NPT)非加盟のインドに米国が核燃料を供給する民生用核協力協定の合意をめぐり、同じNPT非加盟のパキスタン政府は20日、「協定がインドの核実験実施を保証するなら、パキスタンも核実験を停止してきた政策を見直すだろう」とけん制した。パキスタンとの同様の協定に否定的な米国の「二重基準」が、98年の印パの核実験以来、沈静化していた「核の緊張」を再発させかねない状況を生み出している。
パキスタン外務省のアスラム報道官は20日の定例会見で「(日本を含む核関連技術保有国で構成する)原子力供給国グループ(NSG)は、インドへの核燃料供給を承認するなら、パキスタンにも同様に認めるべきだ」と主張した。
報道官の発言は、20日付のインド日刊紙「タイムズ・オブ・インディア」で、「米印核協定と同種の協定について、中国がパキスタンと協議し始めた模様」と報じられたことがきっかけだった。事実関係を問われた報道官は回答を避けたものの、米印核協定に関するパキスタンの強い不満を明確にした。
米印核協定をめぐる交渉では、核実験の停止を求めた米国に対し、インドは「核政策の主権」を盾に猛反発。結局、インドが核実験に踏み切った場合の対応はあいまいになり、米国は核燃料の返還を求める権利を確保するにとどまり、7月下旬に妥結した。
一方、ブッシュ米大統領は昨年3月に印パ両国を訪問した際、インドと同じ核協定を求めたパキスタンのムシャラフ大統領に対し「対テロ対策へのさらなる努力」を要求しただけで、協定は拒否した。98年5月の地下核実験を成功に導いた「パキスタンの核開発の父」と呼ばれるカーン博士(自宅軟禁中)が、北朝鮮やイランなどへ核技術を供与したことへの不信感もあったとされる。
パキスタンは現在、中国などから民生用核技術の支援を受ける一方で、核燃料再処理施設を建設する計画もあるとされる。98年5月の印パ両国の核実験後、インドは核の「先制不使用」を明確に打ち出したが、パキスタンは「先制使用」を堅持したままだ。
毎日新聞 2007年8月21日 東京夕刊