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http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20070819_203610.html から転載。
イラク、新たな政治連合に対する各方面の反応
2007年08月18日付 al-Sabah al-Jadid紙
■「四派連合」を巡る反応
2007年08月18日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面
【バグダード:各国通信社】
木曜(16日)に宣言された四派(ダアワ党、イラク・イスラム最高評議会、クルド二大政党)による新たな政治連合は、歓迎から酷評まで様々に異なる各方面の反応を呼んだ。
イラク合意戦線派は、「(権力の分割)割当と特定政治勢力の排除の中には政治的危機が潜む」としてこれを批判した。同派の声明要旨は次の通り。「性急に想定された割当制度と、多くの重要政治勢力の排除の上に成り立つ政治プロジェクトは、その根本が間違っている。イラクの安定、復興を目指す政治の成功は、真の国民的利益を基本とすべきところ、それが無視されている。イラク合意戦線は、元々連携状態にあった四派の連合形成には意味が無いとみなす。しかし、実際の政治指導層がこれを受け入れ参加すれば、停滞状態を打破でき、ボイコット中の政治勢力を説得できる。少なくともイラク政治の現状に中立的な立場の構築にはなるだろう。」
アル=ハーシミー副大統領は、次の声明で、新連合支持の用意がある旨述べている。「イラク・イスラム党は、実質的にこの連合への参加を(各派に)奨励している。その立場を誤解されない事を望む。この連合であれ他のものであれ、国と国民のために貢献する努力であれば、我々は如何なるものでも支持する。」
また、タラバーニー大統領は次のように述べた。「新連合に参加した派閥は、政治的独占を呼びかけるのではなく、真の挙国一致政府、憲法に則った国家運営、真の(各派代表)参加による政府を呼びかけている。木曜に宣言された合意は、完成した政治戦線を意味するものではない。なぜならそれは、各政治勢力、特にイラク・イスラム党の参加を得ていないので。従って、この合意は、いかなる方面にも広く参加の扉を開放している。」
合衆国は金曜(17日)、この四派連合に含まれない「合意戦線」がマーリキー首相の内閣に復帰する事を希望する立場を表明した。米国務省は、(現在政府をボイコット中の)合意戦線指導層がイラクの政治プロセスにまだ関っているとみなしている。同省報道官は以下を述べた。「ターリク・アル=ハーシミーは政治プロセスにとって重要であり、彼らがしかるべき時期に政府へ復帰する可能性に期待する。スンニー派アラブ代表の政治参加は、国民の利益に貢献する法制定において、(各派の)軋轢を克服する一助となる。合衆国としては、イラクが、宗派宗教地域的アイデンティティに関らず、全てのイラク人のものであるという明確なメッセージを有する法制定に向け前進することを期待する。」
他方、国会議員でイスラム・ファディーラ党の事務局長補佐を務めるナディーム・アル=ジャービルは、四派連合を政治的危機を悪化させるものと評する。同氏がAGIイタリア通信に述べたところによれば、「今回の合意は、国民及び各宗教指導者らによる幅広い支持を得た昨年の政府形成時の連合に比べると、狭く、政治的現状を更に停滞に導く恐れがある。より多くの派閥を政治プロセスに参加させる事に失敗すると、その影響は治安状況に反映されるだろう。各政治派閥の会合が予定されているが、その目的は未だ不透明である。ファディーラ党はこの会合に呼ばれていない。イラクの危機は根が深く、政治プロセスが開始された当初からあり、そのメカニズムが問題である。イラクでのように、独裁体制の後、宗派別の割当制度を適用して国家の基礎を作ろうというのは無理な話で、政治プロセス全体の見直しが求められている。」
四派連合は、国会では72議席を占める事となり、内訳は、KDP25、PUK21、イスラム最高評議会15、ダアワ党11である。
現地の新聞はこちら(http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/data/sabahjadid/070818sabahjadid_kiri.mht)
(翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:11686)