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http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000543888.shtml から転載。
「逃亡兵」の無念晴らす 池谷さん、密約を指摘
2007/08/16
(写真省略)
「蟻の兵隊」を読む百々和さん。自らも、体験を伝えるため執筆中という=神戸市東灘区内
第二次大戦終了後も中国・山西省に残り、共産党軍と戦った残留日本兵の体験をつづった著書「蟻(あり)の兵隊」を、東京都の映画監督・池谷薫(いけやかおる)さん(48)が出版した。約三年の取材を基に、日本軍幹部と山西省軍閥の間で交わされた密約が残留の真相と指摘。残留兵を「逃亡兵」とみなした政府の非を鋭く告発している。(横田良平)
山西省の元日本兵は、終戦後も「在留邦人の帰国促進」を理由に現地にとどまったが、内戦に巻き込まれ、約五百五十人が戦死し、多くが抑留・捕虜生活を送った。
残留は上官の命令だったが、帰国後は、武装解除に抵抗した「逃亡兵」とみなされ、残留期間中の軍人恩給を認められなかった。元残留兵は恩給を求めて提訴したが、二〇〇五年に最高裁で敗訴が確定した。
池谷さんは、中国に残る文書や証言から真相を追い、たどり着いたのが「密約」の存在だった。
終戦後、中国では国民党と共産党による内戦が激化。このため、日本兵を利用して共産軍と戦おうとした山西省の将軍が、戦犯容疑を恐れた元日本軍司令官と密約を結んだことが浮かび上がった。「兵を残せば、司令官の戦犯免責の便宜を図る」という趣旨で、残留命令が下った約二千六百人は内戦に巻き込まれた。
池谷さんは〇六年、取材内容を基に映画「蟻の兵隊」を制作。今回の著書では、映画で紹介できなかった元兵士の証言などを詳細に紹介した。
著書では、元司令官が国会で「残留は将兵の自由意思によるもの」などと証言し、それが政府見解とされた過程も詳述。池谷さんは「取材から浮かび上がったのは、日本政府の無責任な体質。再度、この問題を世に問いたい」と力を込める。
県内の元残留兵も、著書を評価する。国会で証言した百々和(とどかず)さん(88)=神戸市東灘区=は「政府の見解は元司令官の主張だけを取り入れた。著書は真実を描いている」。
「最高裁ではまともな審理も行われなかった。問題が広く知られるのはありがたい」と、裁判の原告団の一人、石原純孝さん(82)=兵庫県香美町=も歓迎する。
戦友の慰霊を続ける藤田博さん(81)=芦屋市=は「命令を天皇の命と信じ、散った仲間の無念が晴れれば」と話す。
二二一ページ。全国の書店で発売中。新潮社TEL03・3266・5111
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【中国】「戦後も戦った日本兵」を描いたドキュメンタリー(Yahoo!ニュース)
http://www.asyura2.com/0601/asia5/msg/104.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 6 月 06 日 21:58:51: KbIx4LOvH6Ccw
映画「蟻の兵隊」公式ホームページ
http://www.arinoheitai.com/index.html