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http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007081802041911.html
2007年8月18日 朝刊
【モスクワ=稲熊均】中ロと中央アジア四カ国で構成される上海協力機構(SCO)加盟国の首脳が十七日、ロシア・ウラル地方で行われていた同機構の軍事演習を視察した。各首脳は、今回初めて行われた合同演習を定例化することで一致。北大西洋条約機構(NATO)に対抗する「軍事ブロック」形成の姿勢を示すことで、米国の一極支配をけん制する狙いとみられる。
合同演習は今月九日から中国西部のウルムチで作戦会議が開かれた後、十一日からロシア中部チェリャビンスクで開始され、この日が最終日となった。中ロを中心に約六千人の兵員が参加。戦闘爆撃機、武装ヘリ、輸送機、装甲車などが投入され、実戦さながらの演習が展開されてきた。
演習の名目は「あくまでテロ対策」(プーチン大統領)だが、核兵器に対する防衛が含まれているほか、米国のF16戦闘機に匹敵するロシアの「スホイ25」や中国の「殲10」も参加、「米軍やNATO軍をにらんだ演習」(ロシア独立新聞)との見方も出ていた。
十六日のSCO首脳会議で採択された共同宣言では「中央アジアの安全保障はこの地域の国々によって達成されるべきだ」と明記。これは中央アジアからの米軍撤退を求めたもので、SCOは米欧抜きの軍事協力を年々、強化している。
軍事ブロック化については、来年の北京五輪を控え、対米関係を必要以上に悪化させたくない中国に配慮し、「SCOは軍事同盟は志向しない」(プーチン大統領)と慎重だが、ロシア国防省筋は「今回の演習はSCOが政治、経済的なブロックにとどまらず、NATOに対抗する軍事ブロックに発展するきっかけになる」と述べている。
プーチン政権は最近、米国による東欧へのミサイル防衛(MD)配備計画に激しく反発。先月十四日には欧州での通常戦力の上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条約の履行を一時的に凍結する大統領令に署名。また、中国も、東アジアでのMD計画に警戒感を示している。
ロ戦略爆撃機 訓練再開
【モスクワ=稲熊均】プーチン・ロシア大統領は十七日、同国が一九九二年から中止していた空軍の戦略爆撃機による長距離訓練を再開したことを明らかにした。タス通信などが伝えた。
ロシアは米国による東欧へのミサイル防衛(MD)計画に反発、欧州通常戦力(CFE)条約の履行を一時凍結したほか、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や中距離ミサイルの発射実験を再開。核ミサイル搭載可能な戦略爆撃機の飛行訓練再開も、MD計画をけん制するための対米戦略変更の一環とみられる。
プーチン大統領によると、飛行訓練はモスクワ時間の十七日午前零時に既に開始され、ロシア内外の七つの基地から十四機の戦略爆撃機が発進。今後も定期的に実施される。大統領は「戦略爆撃機の訓練はロシアが一方的に中止したが、それにより得られる安全保障上の利益がなかった」と再開について説明した。