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http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200708050071.html
米政府が「核テロ」対策の一環として、広島と長崎の原爆被爆者やビキニ水爆実験被ばく者の調査を続けている日本の研究機関や専門家の技術協力を受けていたことが四日、分かった。米政府は協力を基に、被ばく放射線量と染色体異常の関係を示す基礎データを作成、欧州の研究者も交え、国際協力に関する共同研究も実施した。米核安全保障局(NNSA)や複数の日本側専門家が明らかにした。
ブッシュ米政権はデータを使い、染色体異常の度合いから被害者が浴びた放射線量を推定、治療の優先順位をつける「トリアージ」を導入したい意向。唯一の被爆国である日本の被爆者への調査などを通じて蓄積された知識が、米国の核テロ対策に使われる。
NNSAや日本の専門家によると、米政府は昨年、テネシー州オークリッジに核テロ対策を担当する「生物学的線量推定細胞遺伝学研究所(CBL)」を開設。広島と長崎の被爆者調査を進めてきた放射線影響研究所(放影研)の元遺伝学部長、阿波章夫博士に協力を依頼、核テロ時に使う基礎データを作成した。
データは、染色体異常の発生率と被ばく量の相関関係を示すグラフ。線量を推定するためのモデルを準備しておくことにより、テロ発生時には比較的容易な血液検査で染色体異常の度合いを調べた上で被ばく量を推定、優先順位も含め適切な治療につながるという。
NNSAは「核テロ被害者の治療支援で、被爆者調査から得た知識を生かしていく」とする一方で、被爆者個人の調査データは直接使わないと強調した。
CBLは、ビキニ水爆実験の被ばく者や東海村臨界事故の重症患者を調査、治療した放射線医学総合研究所(千葉市)とも連携。ドイツやカナダの研究者も交え、核テロ時に使うデータの擦り合わせや、多数の被害者が出た際の国際協力について共同研究を実施した。放影研の現役研究者もCBLに助言する評議会のメンバーになっている。
(共同=太田昌克)