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□<米印核協定>交渉妥結 米の「二重基準」際立つ [毎日新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070729-00000012-mai-int
<米印核協定>交渉妥結 米の「二重基準」際立つ
7月29日3時6分配信 毎日新聞
【ワシントン笠原敏彦】米国とインドが27日に交渉妥結を発表した民生用核協力協定は、核拡散防止条約(NPT)枠外の核保有国インドに米国製核燃料の再処理を認めることで、米国は日本と欧州連合(EU)にしか与えていない厚遇をインドに示した。合意内容は米世界戦略でのインドの重要性を象徴する一方で、核兵器につながる再処理・ウラン濃縮技術の拡散防止を訴えるブッシュ政権の「二重基準」を際立たせた。
会見したバーンズ国務次官は、妥結まで2年を要した交渉の転換点は今年6月だったと説明した。インドが米国から輸入する核燃料を使用後に再処理する権利を得るため、新たな再処理施設を建設して国際原子力機関(IAEA)の査察下に置くことを提案し、米国が受け入れたという。
ブッシュ大統領は04年2月の政策演説で核不拡散の立場から「平和目的で原子力を求める国々にウラン濃縮や再処理は必要ない」と強調した。米国が輸出燃料の再処理を認めているのは日本とEUだけ。米国はイランのウラン濃縮計画は絶対に認めない方針だけに、インドの特別扱いには波紋が広がりそうだ。
もう一つの焦点である「核燃料供給の保証」では、インドが権利の温存を求めた核実験を実施した場合の対応があいまいになった。米国は燃料返還を求める権利を確保する一方で、供給継続の担保として戦略備蓄や国際市場へのアクセス確保で支援を約束。米国が仮に供給を停止しても、インドが他国から燃料を輸入する道は残した。
ブッシュ大統領は声明で「死活的に重要な世界のリーダーであるインドとの戦略的パートナーシップを深める」と交渉妥結を歓迎。経済成長が著しい世界最大の民主主義国家であり、中国との関係をにらんでも重要性を増すインドへの期待感をにじませた。
米印両国は05年7月に民生用核協力に基本合意。米議会は昨年12月、NPT未加盟国への原子力関連輸出を禁止する国内法でインドを「例外扱い」とする法改正を行ったが、実施にはインドとIAEAの査察協定締結など経てさらに米議会の承認を得る必要がある。
■米印の民生用核協力協定の主な内容
1、民生用核施設をIAEAの監視下に置く代わりに、米国が核燃料、核関連技術を提供する。
1、インドが核実験を実施した場合、米国は核燃料、核関連技術の返還を求める権利を持つ。
1、インドが核実験の実施で米国が協力を打ち切った場合、米国は新たなインドへの核燃料供給国の確保を支援する。
1、米国はIAEAの監視下で新たに建設された施設での使用済み核燃料の再処理を認める。
1、米国はインドの核燃料の戦略的な備蓄、国際市場へのアクセスを支援する。
最終更新:7月29日3時7分