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□柔道家プーチン大統領の野望 [メディア・レボリューション]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070724-01-0801.html
2007年7月24日
柔道家プーチン大統領の野望
「私のスポーツは柔道であり、娯楽競技でない」。これは、プーチン大統領の2008年のロシアの大統領選挙の行方をほのめかす言葉である。
ロシア憲法では、大統領の2期以上の継続は認められていなく、プーチン大統領の継続は技術的に不可能である。しかし、プーチン大統領は、一度は地に落ちたロシアの威厳を回復させ、ロシアの興隆をもたらした立役者であり、プーチン大統領の身の振り方が注目されている。
KGB出身であり、東洋の格闘技を修めたプーチン大統領の奥に潜む戦略を、解読するのは米国にとって容易でない。多くの憶測が飛び交うミステリアスな状況である。
ワシントンのウッドローウイルソンセンターで、ロシア戦略のシンポジウムが開催され、冷戦終焉時の米国のモスクワ大使やレニングラードの総領事などロシアの専門家などが集まり興味深い議論が展開された。
今日のロシアの急速な回復は予測をはるかに超えるものであり、とりわけ、米国の対ロシア外交戦略の失敗は、クーデターによるゴルバチョフ大統領の失脚とプーチン大統領による権力の集中を事前に防御できなかったことにあるとの意見が聞かれた。
なるほど、ロシアの対米外交戦略は、エンルギー価格の高騰に伴うロシアの経済発展とともに反米色を際立たせている。新たなる冷戦やコールドピースの再開であるとの見方もある。
中国、インドなどの新興勢力が台頭し、新たな国際秩序の構築が、予測できない速度で進展する中、ロシア陣営にとってプーチン大統領の存在感は不可欠である。そのような状況の中で、世界大戦という異常事態において米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が特例として4期にわたり大統領の地位を占めた例を挙げ、プーチン大統領の続投との野望も聞かれる。
しかし、現実的選択として、2008年の大統領選挙では、プーチン大統領に最も忠実な部下に大統領のポストを暖めさせ、2012年の大統領選挙にプーチン大統領が返り咲くとの見方が有力である。
経済担当のイバノフ第一副首相と社会問題担当のメドベデブ第一副首相の二人が、次期大統領のフロントランナーとして脚光を浴びている。二人ともプーチン大統領への忠誠心は高い。しかし、大統領という権力を掌握することにより、将来への予測は不確実なものとなるのは世の常である。
柔道家プーチン大統領の戦略は、如何なるものか。来年の米国の大統領選と共に動向をモニターする必要があろう。(中野 有)