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2007/07/17
執拗にイラン攻撃を目指すアメリカの親イスラエル派 [ パワーポリティックス非公式情報 ]
ネオコンやキリスト教シオニスト、つまりアメリカの親イスラエル勢力はイラン攻撃を諦めたわけではない。7月11日に同国上院ではジョセフ・リーバーマン議員らが提出した国防予算法の修正条項が97対0で承認されたのだが、イラクの武装蜂起によるアメリカ軍への攻撃はイランに責任があると非難する内容。イランの特殊部隊がレバノンのヒズボラを利用してイラクの「過激派」を訓練しているとするアメリカ軍の主張を議会が受け入れた形だ。すぐ軍事行動につながるとは言えないものの、一貫してイラン攻撃を主張しているリーバーマン議員が書き上げたイランに対する「警告」が承認された意味を深刻に受け取る人も少なくない。勿論、こうした主張をイラン政府自身は否定している。
アメリカが軍事力で倒したイラクのサダム・フセイン政権を支えていたのはスンニ派。シーア派のライバルである。今ではアメリカ政府から「テロリスト」の代名詞のように言われているアルカイダはスンニ派の武装グループ。だいたい、アルカイダなどイスラム武装グループをソ連軍と戦う「自由の戦士」として創設したのはアメリカの情報機関、CIAだった。その時の協力者がパキスタンの情報機関、ISI。1979年5月、ソ連軍が軍事侵攻する約半年前にCIAのイスラマバード支局長がISIのアドバイスに従ってアフガニスタンの勢力と接触してアフガニスタン工作は始まった。その際、イスラム神学校の学生が重要な役割を果たす。
今月に入り、パキスタンの軍事政権はアメリカ政府の意向に従う形で神学校に立てこもった学生を攻撃、多くの犠牲者を出したが、これもアメリカの戦略が破綻していることを示すひとつの出来事だろう。ちなみに、アラビア語で学生はタリバーンという。
CIAがアフガン工作を始めた頃、ソ連を攻撃する「プロパガンダ戦」が始まろうとしていた。1979年7月、エルサレムでアメリカとイスラエルの情報機関関係者が集まり、「国際テロリズム」に関する会議を開いたのだ。会議出席者は「国際テロリズム」の黒幕はソ連だと主張、そのソ連と戦う「自由の戦士」としてイスラム武装グループは創設、育成、支援されてきたのだ。その後、欧米や日本のメディアを使い、大規模な反ソ連キャンペーンが展開された。このキャンペーンで中心的役割を果たしたのはCIAとイタリアの情報機関SISMI。後にSISMIはイラク攻撃を正当化する偽情報を広める上で重要な役割を果たし、CIAの拉致工作に協力することになる。
さて、イラクで武装闘争を続けているのは誰なのだろうか?
アメリカ軍の占領に反発しているイラク人が多いが、バグダッドで破壊活動を繰り返してシーア派とスンニ派との対立を煽っているのはアメリカ人だとする噂があることも確かである。荒唐無稽な話だと思う人もいるだろうが、ベトナム戦争中にはアメリカの秘密部隊がサイゴン(現在のホーチミン)で「爆弾テロ」を繰り返していたことを忘れてはならない。住民皆殺し作戦とも呼ばれる「フェニックス・プログラム」の一環で、指令はCIAの内部から出ていた。(この件に関しては拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』で詳しく触れている。)バグダッドで同じことが行われているとしても不思議ではない。
ところで、アメリカ政府はイランで破壊活動を続けるクルド人勢力を支援してきた。それだけでなく、アメリカの特殊部隊がイランへ侵入、3空母がイランを睨んでいる。現段階でアメリカ軍がイランに軍事侵攻することは難しいだろうが、それでも緊張が緩和しているとは言えない情勢だ。イランにアメリカ軍が軍事侵攻した場合、イラク、イラン、アフガニスタン、パキスタン、さらにレバノン、シリアと戦火は拡大すると想定するべきである。この件に関しては、拙著『アメリカ帝国はイランで墓穴を掘る』で詳しく触れている。