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 核兵器保有も視野に入れた国家の危機管理・総合安全保障確立に向けた意識変革は可能か
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投稿者 不動明王 日時 2007 年 7 月 06 日 01:00:41: Wge0l2yvbkAIg
 

 国家の危機管理として、資源・エネルギー・食糧・水なども含めた総合的な危機管理が必要であることは当然である。これらの資源・エネルギー・食糧・水などの地球的規模の問題も、火山灰や火山関係の画期的な技術やその応用で対処できるというものだ。これは一企業や一業界のレベルではなく、国家的レベルで対応すべきであるが、残念ながら、そのような提案に関心を示し理解し協力するような国家戦略観や責務感を有した政治家や官僚、経済人がいないのが現状だ。国民にしても同様にして然りだ。

 それにしても、今や穀物自給率も4割ほどであり、食糧全体では何と2割ほどの自給率であり、その外国から輸入する食糧の実に3分の1が、賞味期限で廃棄されているとも言われている。そしてかつて20数年前は、東京だけでも一日の残飯量は米俵3万俵と言われたが、今や日本全体では何と数10万俵にも上っているようだ。こんな贅沢三昧の日本で、食糧問題を技術的に解決するよりも、国民全体の意識変革が優先されるのが必須であろう。

 この食糧にしても、既に投機筋は、原油から食糧に大きくシフトしている有様だ。今秋辺りからは、オーストラリアや中国華北地方の大干ばつに見るように、また世界的な猛暑の異常気象の到来により、食糧危機が本格化して行くであろうと予想される。今やトーモロコシも、燃料と食糧と資料とで争奪戦が始まっており、価格の高騰を招来している。ブラジルの農地も、中国やアメリカなどは、原油や資源と同様に、買い占め始めているが、日本はただ金だけ出せば何とかなると思っているが、最早、金を出しても購入出来ない時期が近づいているものだ。しかし、ある意味では、食糧危機の到来は、国民の危機管理や危機意識のない状況を打破する、実に意識変革のチャンスとも言える。

 ところで、世界的な武力衝突は、何も狂気の指導者の暴走によるものではなく、異常気象による食糧危機、農業不振から工業にも影響を及ぼし、最後には対外的に問題を打破するべく侵出すると言うのが歴史の教える必然でもある。そして、過去の世界大戦でも歴史が証明するところだ。自国の資源・エネルギー・食糧・水資源を求めて、また国内矛盾を対外に向けるべく侵出していく可能性は、古今東西、何ら変わっていない人間の心理でもある。

 殆どの有識者は最早、世界大戦などと言う国家間の古典的戦争は有り得ないとしているが、とんでもない偏見であり時代錯誤であろう。今や東西冷戦終結後、世界は新たな対立構造に入ったと見ることが大切だ。北朝鮮の核の脅威が喧伝されるが、それよりも、原油高を反映した豊富な外貨準備高で軍事膨張を強めるロシア、そして経済躍進と共に軍拡を進める中国を意識せざるを得ないものだ。中国のミサイルは日本の24都市に照準を合わせている可能性が高いが、早急に調査し確認すべきだろう。

 今や中国が大量に保有する米国国債を売却してユーロにシフトすれば、米国ドル崩壊は必至である。ドル離れの傾向が、中東全域や世界に拡大していけば、ドル崩壊も有り得るものだ。ドル崩壊は米国の単なる大国への転落を意味するものだ。米国にしても、座して死を待つようなドル崩壊を放置するのか、それとも軍事的な行動を伴ったドル防衛に走るのか、正に国家的な選択を迫られているとも言える。

 世界は、ドル離れによるドル衰退と共にユーロの台頭に見る両者の通貨覇権争い、そして上海機構に見るロシアと中国による大陸国家群と、それを取り巻くように、自由と繁栄の弧と言うべきか、不安定な弧と言うべきか、米英、日本などによる海洋国家群との地政学的見地からの対立、それにユダや・イスラムの宗教上の対立、これにプロテスタントとカソリックが巻き込まれていくものと予想される。

 ところで、国家の危機管理に基づく核武装の必要性は、周辺諸国の核保有の現実を考えれば抑止力として当然の帰結であり、全面的に支持するものである。この抑止力としての核兵器保有は、通常兵器の整備と共に実施していく必要があるのは当然だ。それに何よりも、単に軍事力整備のハード面も当然ながら、活用するノウハウとしてのソフト面の整備が大切だろう。具体的に言えば、情報を収集し分析し、対応策を総合的に考えて実行する関連部門の整備であり、国家戦略発動の司令塔の設置だ。今の日本では米国におんぶにだっこでは、機能しないように懸念される。何よりも、自主防衛は、国民自身の防衛意志の本能を喚起させるもので、他にも産業の育成発展にもなり、また失業対策にもなり得るものである。

 核兵器の保有の是非を巡る論議は、東西冷戦終結後、特に、最近の北朝鮮の核脅威に対して急浮上してきたものだが、当方は北朝鮮の核は単なる脅しであって、継戦能力や日本占領能力もなく、一時的なものでしかなく、むしろ東西冷戦前からの驚異、即ち、旧ソ連邦の核、また台頭する中国に対する対抗として核兵器保有をすべきであると思っていた。何も、直ぐにでも攻撃手段としてのものではなく、抑止力、対抗手段としてのものである。個人でも文武両道と言うが、武を修得したからと言って攻撃的になるものではない。むしろ精神力を涵養し、相手を威圧し、攻撃を回避させる対抗手段として効果的となるだろう。これと同じで、国家の両輪は経済と軍事であり、軍事の延長に核兵器保有があるものだ。

 これまでは米国の核の傘に甘んじ、東西冷戦の下に経済のみを追求しておれば良かったが、いよいよ、米国衰退と共に、空白を埋めるべく中国の進出に対抗し、再生成ったロシアにも対抗する意味でも、核兵器保有が真剣に考えられていく時期に来たようだ。場合によっては、日米安保条約も機能しなくなり、米国の核の傘は開かないことも充分有り得るシナリオとして考えておくことも戦略的思考だろう。しかしながら、殆どの日本人は、柔軟な発想を欠き、従前通りの固定的思考のまま、思考停止に陥っているようだ。果たして、国家的危機管理と共に危機意識を持つべく、国民意識の変革が成るのであろうか。

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