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【ロシア政治経済ジャーナル】NO463プーチンの野望〜ルーブルを世界通貨に
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★プーチンの野望〜ルーブルを世界通貨に
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
北野です。
しばらくモスクワにいなかったので、書きそびれてしまいましたが。
歴史的な大事件が起こりました。
なんとプーチンが、「ルーブルを基軸通貨にする」と宣言したのです。
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昔からのRPEの読者さんならすぐわかるでしょう?
その、意図と意味が。。。
▼プーチンの野望
何をいったか、長々と書くのはしんどいので、新聞を引用させていただきま
す。
↓
「米露“破顔一笑” 「ルーブルを世界通貨に」プーチン大統領ますます強
気
6月12日8時0分配信 産経新聞
【サンクトペテルブルク=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は10日、出
身地サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで、
同国の通貨ルーブルを世界的な基軸通貨とすることなどを提唱した。」
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基軸通貨というのは、国際間の資本・貿易取引において、民間・公的部
門を問わず、幅広く使用されている決済通貨のこと。
つい最近まで、このような通貨は、ドル以外にありませんでした。
しかし、99年にユーロが誕生。
以後、ドルの地位は下がる一方。
↓
「<ユーロ>現金流通から5年 米ドルを超えた模様
12月30日19時46分配信 毎日新聞
【ロンドン藤好陽太郎】欧州単一通貨ユーロの市中での紙幣流通量が
今月、初めて米ドルを超えた模様だ。
ロシアや中東地域などユーロ圏外でも保有する動きが広がっているほか、
ユーロ高でドル換算した額が膨らんだ。」
非常に重要なこと。
アメリカは年間100兆円の経常赤字大国、世界最大の対外債務国家であ
る。
それでも普通の国のように破産しないのは、「ドルが基軸通貨である」か
らなのです。
つまり、いくら借金してもドルを刷ればいい。
これを別の言葉でいえば、
「ドルが基軸通貨でなくなれば、アメリカは没落する」
となる。
反米多極主義陣営の戦略は当然、「ドルを基軸通貨の地位からひきずり
落とし、アメリカを没落させる」となる。
では、どうすればドルを基軸通貨の地位からひきずり落とすことができる
か?
「基軸通貨=国際間の資本・貿易取引において、民間・公的部門を問わ
ず、幅広く使用されている決済通貨」でした。
幅広く使用されない通貨は、基軸通貨ではない。
要するに、ドルの使用量を減らせば基軸通貨でなくなり、アメリカは没落す
る。
実際、これをやった男がいます。
フセインは、00年11月からユーロで石油を売り始め、アメリカに攻撃される
ことになった。
06年4月17日付の毎日。
「イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユーロに転換
した。
国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。
米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある」
世界の指導者は皆、「アメリカは、石油取引をドルに戻すために、イラクを攻
撃した」ことを知っています。
「中東に『自由』と『民主主義』をひろげるためにイラクを攻めた」なんて赤ん
坊のようなことをいっているのは、日本だけ。
そして、イランも同じ理由で攻撃される可能性があります。
「イラン、原油の輸出代金受け取りでユーロ建てを要求
06年12月22日10時39分配信 ロイター
[ロンドン 21日 ロイター] 世界第4位の産油国であるイランは、外貨準
備のドル保有比率の引き下げに伴い、原油の輸出代金受け取りに関して
、ユーロ建てでの支払いを求めている。イラン国営石油公社(NIOC)幹部
と業界関係筋が21日明らかにした。」
「NIOCの幹部によると、こうした措置の結果、日量238万バレルとなって
いるイランの原油輸出による収入は現在、約57%がユーロ建てとなって
いる。」(同上)
ユーロが基軸通貨になるのも、ルーブルや人民元が基軸通貨になるのも
結果と影響は同じ。
要するにドルの使用量が減ればアメリカは没落していく。
プーチンの狙いが、「米一極支配をぶち壊し、多極世界を構築する。そして
ロシアがその一極になること」であるのは明白であります。
▼ルーブルは基軸通貨になれるか?
いうのはタダ。
言うは易く、行うは難しであります。
はたしてルーブルは基軸通貨になれるのでしょうか?
もちろん、今後数年でルーブルがドルやユーロみたくなることはありえませ
ん。
しかし、プーチンは「ルーブルを唯一の基軸通貨(例えば今までのドルみた
く)にする」とはいっていません。
演説の中で、彼はこんなことをいっています。
「現在の金融システムは、1〜2の通貨(ドル・ユーロ)にしばられており、
グローバル経済の戦略的要求を反映していない。
なぜなら、これら通貨の変動が国々の外貨準備や、経済のある部門に
ネガティブな影響を与えるからだ。」
まあ、そのとおりでしょう。
で?
「この問題に対する答えは一つ −
いくつかの世界通貨と金融センターが出現することだ」
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世界がアメリカ一極世界から、5〜6の多極世界になる。
そして、5〜6の基軸通貨がある。
ロシアのルーブルがその一つになる可能性は十分あるでしょう。
「大統領はさらに、ロシアが対外債務を繰り上げ完済したほか、世界第
3位に当たる約4000億ドル(約48兆円)もの外貨準備をしていること
などを強調。
世界各国がドル依存の外貨準備から脱却して一部をルーブル建てに切
り替えることなどを提案し、2020年までにロシアが世界5位以内の経
済大国に変貌(へんぼう)するという目標も示した。」
(産経新聞 07年6月12日)
そう、ロシアは借金大国だった90年代とは違います。
・万年大幅な財政黒字・経常黒字の国である
・外貨準備で中国・日本に次ぐ世界3位の国である。
・(アメリカと違い)対外債務のない国である
・00年から7年間、平均7%の成長をつづけている国である。
そして何よりも、米エネルギー省によるとロシアは
・一国で石油総埋蔵量の14%を占め(世界2位)、天然ガス埋蔵量27%
(ダントツ世界一位)を占める国である。
プーチンの描く世界は以下のようなものでしょう。
1、多極世界(極とは、アメリカ・EU・日本・ロシア・中国・インド・ブラジル
等)
2、いくつかの基軸通貨(ドル・ユーロ・円・ルーブル・人民元等)
3、国連を中心とする世界運営
そして、具体的な方法は、「ドルの使用量を減らす」こと。
「ルーブルを世界通貨に!」というのも、その一環。
(こんなことをやっているので、アメリカは東欧にMDを配備したり、旧ソ連
諸国へのNATO拡大計画を進め、狂ったようにロシアを叩いているのです。
アメリカにとっていまやプーチンのロシアは、ソ連以上の脅威になっていま
す。)
世界はアメリカの弱体化と共に、中ロの描く世界に向かって進んでいます。
私は絶対親米ですが、「アメリカの覇権が千代に八千代につづく」と書けば
大ウソツキになってしまう。
皆さんをだますわけにはいきませんから、事実を書くしかありません。
日本はどうすればいいのでしょうか?
世界に「自由と繁栄」をひろげるのも結構ですが、多極世界の一極になれ
るよう、自国の力を蓄えることが重要。
自国の力とは何か?
・経済力
・防衛力
・教育
【ロシア政治経済ジャーナル】NO463プーチンの野望〜ルーブルを世界通貨に
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm