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フランス国民を魅了してやまないセゴレーヌの微笑
大統領選敗北後も高い人気及川 健二(2007-06-22 14:30)
ニコラ・サルコジ大統領に大統領選挙で敗北を喫したにもかかわらず、セゴレーヌ・ロワイヤル下院議員の人気は衰えそうにない。ロワイヤル氏は下院議員選挙には出馬せず、ポワトゥー・シャラント地方圏知事に専念して、国政から少し距離を置くかのように見える。
ただ、彼女の側近によれば、「社会党のリーダーになる意志は強く持っている」とのこと。国会に議席を置かずとも、社会党のトップに就き、野党第一党のかじ取りをしたいようだ。
私に見せた「セゴレーヌの微笑」(撮影:及川健二) 5月30日、31日に有権者955人を対象に調査会社・CSAが行った世論調査は、政界に波紋を広げた。
「社会党のリーダーに誰がふさわしいか2人選んでください」と尋ねたところ、セゴレーヌ・ロワイヤル氏の名前をあげた人が47パーセントで、社会党の重鎮であるドミニク・ストロス・カーン元財務相の45パーセントを上回った。3位がパリ市長のベルトラン・ドラノエ氏の26パーセントだった。
イプソスの先月調査では「社会党のリーダーに誰がふさわしいか1人あげよ」という設問には、社会党支持者に限ると、53パーセントがロワイヤル氏と回答し、2位のカーン元財務相を大きく上回った。
大統領選に敗北したというのに、なぜ、ロワイヤル氏は支持されるのか。それは彼女の微笑が仏国民を魅了してやまないからだろう。ロワイヤル氏にとっては、最大の武器が微笑だった。
ロワイヤル氏が社会党候補になる前に、ローラン・ファビウス元首相とカーン氏による党内予備選挙があり、討論会が複数回、行われた。ローラン氏が旧態依然とした社会主義を掲げて挑むと、「子どもの面倒は誰が見るの?」と庶民で分かる範囲のレベルで切り返した。
男性の両候補が左右対立の伝統的イデオロギー論戦に対抗すると、どこまでも「公正な秩序」をスローガンに「市民参加の民主主義」を掲げた。それだけでなく政治の審判役として「市民審査制」や「週35時間制の弊害」、「非行少年の軍隊による指導」、「通学区域制廃止」案など、党路線から逸脱する民衆受けする構想を披露した。
どんなことがあっても、笑みを絶やさず、生活圏内で物事を語るロワイヤル氏は、イデオロギーに固執する社会党幹部が多数を占める中で、新鮮に映った。
今でも、ロワイヤル氏が社会党支持者から支持されるのは、社会党がイデオロギーの党でなく、市民政党に脱却して欲しいからだろう。
オーマイニュース
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070611/12014