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2007年06月23日掲載 無料記事 印刷用
イスラエル各紙を元に米国などの狙いを分析 パレスチナ情勢で
パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスがガザから主流政治勢力ファタハ勢力を一掃し制圧したことで、パレスチナ情勢は、混迷の度を深めている。西岸地区にハマスによる緊急事態内閣が発足するなど、パレスチナは分裂の危機をはらんでいるが、イスラム・オンライン(本社はカタール)はこのほど、14日夜に起きた政変などを報じたイスラエル各紙を分析し、米国とパレスチナ自治政府のアッバス議長が合意したとする筋書きを伝えた。(齊藤力二朗)
内容は以下の通り。
1.ガザ地区で現在ハマスが支配している全ての機関の正当性を剥奪するため、挙国一致内閣の解散と非常事態宣言を行なう。
2.ヨルダン川西岸地区とガザ地区を分離し、ガザ地区の問題を独立した問題として扱う。米国当局とアッバス議長は、この問題に関してイスラエルや中東諸国、欧州連合と協議を行なう。ガザ地区へ国際軍を派遣する可能性も排除しない。
3.ヨルダン川西岸地区と比べてガザ地区の自分たちの状況がハマス支配下で悪化する一方だと認識させるため、米国はヨルダン川西岸地区の住民の状況を改善するようイスラエルを説得する。更にイスラエルが(停止していた)パレスチナ人の税収の凍結を解除し、ヨルダン川西岸地区の住民の「生活向上」に使うように、これをアッバス議長に引き渡す。同時に、このように自分たちの同胞の状況と比較させることでガザ地区住民のハマスに対する不満を増幅させ、引いては反乱するように仕向ける。
4.ガザ地区で起きていること(ハマスの支配)がヨルダン川西岸地区に伝播しないように、ヨルダン川西岸地区のハマスの活動家を大々的に拘束することで、アッバス議長と米国当局は合意した。
5.アッバス議長が挙国一致内閣解散後に任命する内閣とイスラエルの間の交渉路線を復活させる。
同紙はさらに、アッバス議長が内閣の解散と非常事態宣言、そして組閣の決定を発表する前にエジプトとヨルダンに決定内容を通告し、両国に決定を支持してガザ地区のハマス政権との接触を一切絶つよう求めたと報じた。
イスラエルはアッバス議長のハニヤ内閣の解散と非常事態宣言の決定を公に支持しており、ペレツ国防相は「アッバス議長の決定は、ハマスがガザ地区を制圧した非常に悪い影響を減少させた」と語り、「この決定はイスラエルの高レベルの戦略的利益となる」と評した。
15日付のイスラエルのマーリブ紙は、アッバス議長の挙国一致内閣解散と臨時内閣任命の決定がなされる中、イスラエルは凍結しているパレスチナ人の税金の還付を再開し、アッバス議長に渡すことを前向きに検討していると報じた。
また、イスラエルの治安機関内にはガザ地区への国際軍の展開に関し、大きな意見の相違があると指摘した。同紙は「ガザ地区へ軍隊派遣に同意しそうな国がないことから、非現実的な案だ」という治安筋要人の発言を報じ、ガザ地区の現状がレバノン南部と比較して非常に悪化していると強調した。ハマスは14日、ガザ地区へ入るいかなる国の軍隊も占領軍とみなすと発表している。
イスラエルはガザ地区が「敵性集団」であり、特にガザ地区からイスラエルへミサイルが発射されることがあれば、電気や水の供給を止める可能性もあると発表したと、マーリフ紙は指摘した。
日刊ベリタ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200706230127366