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http://teanotwar.seesaa.net/article/44382373.html から転載。
2007年06月10日
イラク南部で癌が主な死因となっている
イラク南部。戦争の遺棄物が出す放射能や化学物質、安価な農薬の使用により白血病や乳ガンの患者が急増し、医師の不足と医療設備の悪化により治療が十分できないままなくなっていく人が増えています。国連IRINの報告。
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イラク南部で癌が主な死因となっている
IRIN
2007年6月5日
Electronic Iraq 原文
バスラ(IRIN)。医学校が最近行なった研究および地元のモルグと病院が出した統計によると、イラクの南部諸県で癌による死亡が予想よりも高い数で発生している。専門家によると、主な原因は、危険な農産物をますます多く消費していること、そして健康に対する戦争の長期的な結果である。
長年の紛争と暴力、追放と不安から心理的ストレスと過労が生じ、病気に対する人々の自然抵抗力が低下している。それに熟練医療関係者の不足や施設・設備の不足がさらに加わる。
「癌患者の治療ができず、古い放射線療法と化学療法技術を使わざるを得ないため患者の生存率が低下します。癌専門医が周辺諸国に非難したため状況はさらに悪化しました」とバスラ保険局の上級職員で癌専門医であるフセイン・アブデル=カレームは言う。
「古いクラスター爆弾が出す放射線に晒され、農業で化学物質を多く使い、水が汚染されているために地元の人々の健康には深刻な悪影響が広まっています。これらの要因は癌関係の病気を促すのです。患者の多くは治療を受けていますが、設備不足で死んでいきます」とアブデル=カレームは付け加えた。
調査
バスラ大学医学校が保険省とともに5月上旬に発表した研究「戦争兵器の影響による癌患者の増大」によると、癌関係の疾患がイラク南部諸県で高い比率で死因となっている。
「南部では少なくとも死因の45%は癌です。患者の中には合併症を併発する人もいて、状況は悪化し、死期が早まります。この統計は医療制度にとって深刻な問題を示しており、緊急予算が必要です」とイマッド・ハッサンは言う。彼は医療専門家で報告書作成に関わった委員会のメンバーでもある。
「南部の諸県はとりわけ過去20年間、戦争の影響を大きく受けています。また、この地域では漁労と農業に化学肥料や農薬が使われてきたのです」とハッサンは言う。
彼はまた、バスラ、ムタンナ、ジーカールとミッサンでは飲み水も危険であり、とりわけ地方部を中心に、場所によっては農薬残留物などでひどく汚染されていると語る。
白血病、乳ガン
バスラとミッサンでは、女性と子供の癌に関係した死がより多い。調査によると、これら地域では子供たちの白血病が2005年と比べて22%も急増しており、乳ガンを患う女性も多く、2005年から19%増大している。
「ここ何年も、地元[南部]の人々は戦争が残した放射能と化学物質にもっともひどく晒されて来ました。それに加えて危険で安価な農薬も使われていたため、今その結果を私たちは見ているのです」とアブデル=カレームは言う。
南部諸県の病院で生まれるたくさんの子供たち----少なくとも1日に3人と言う人もいる----が、手足がなかったり、臓器がなかったりしている。専門家によると、これは長年の戦争がもたらした現象であるという。「生後たったの4週間で癌関連疾患の病状を示す子供たちもいるのです」と彼は続ける。
専門家と県の保険担当局は南部諸県の医療サービスを改善するための予算を中央政府に要請した。
「私たちには予算と新たな医療機器、そして医薬品が必要です。戦争の間接的な犠牲となる何百人もの罪のない人々を救おうとするためにはそれが必要です」とアブデル=カレームは言う。
このニュースは国連人道ニュース・情報サービスIRINから届けられるが、必ずし>も国連やその機関の見解を反映するものではない。IRINの文書はすべて無料で再ポスト・再プリントできる。使用条件については、IRINのコピーライト・ページを参照のこと。IRINは、国連人道問題調整局のプロジェクト。
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日本にはイラクに医療支援を行っているJIM-NETという優れた団体があります。参照して下さい。