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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070607-00000009-san-int
中枢幹部を左遷? 北が軍の綱紀粛正
6月7日8時1分配信 産経新聞
【ソウル=久保田るり子】北朝鮮で朝鮮人民軍幹部の重要ポスト人事が確認され背景が注目されている。綱紀粛正、新たな側近登用による忠誠心向上、世代交代などが狙いとみられる。軍部については、昨年10月の核実験後、国連決議に基づく経済制裁の影響による食糧不足で、軍が食糧を優先的に占有したため、住民との関係が急速に悪化していることも指摘されている。
韓国当局が5月下旬までに把握した軍の幹部人事では、金正日総書記の側近で人民軍総参謀部の李明秀作戦局長が軍事部門の最高機関、国防委員会専任となり、後任に金明国大将が就任。人民軍総政治局の朴在京宣伝担当副局長が人民武力省の対外事情担当副部長に転出し、後任に鄭太根中将が任命された。
国防委員会は朝鮮人民軍を直轄する組織とされ金正日総書記が委員長で現在9人いる委員は金総書記の側近中の側近とされる。4月には軍の重鎮、金永春人民軍総参謀長が副委員長に就任し、「国防委員会を強化する動きか」(韓国・聯合ニュース)とみられた。
一方、韓国軍事筋が注目しているのは総政治局の朴在京宣伝担当副局長の転出だ。北朝鮮では通常、副局長が担当局の最高実力者である場合が多い。同筋は「総政治局の宣伝担当は軍内の思想統制を行う軍統括の部署で、なかでも実力者とみられていた朴副局長の転出は、軍統制に問題が生じたための左遷・引責人事の可能性がある」とみる。
こうした国防委員会、総参謀部、総政治局など軍中枢人事は、昨年7月のミサイル発射、10月の核実験、4月の新型ミサイル展示の軍事パレードと続いている軍事路線をさらに強化する体制づくりが目的とみられる。
北朝鮮では、軍人事に先立って朝鮮労働党、政府人事も行われた。3月には党対日対南担当書記・統一戦線部部長に金養建氏が任命され、4月には朴奉珠首相が経済問題で更迭され、後任の首相に金英逸氏が就任。5月は空席だった外相に朴義春元ロシア大使が起用された。それぞれの人事は南北関係強化や国内・国際情勢への体制整備と観測されている。
韓国の北朝鮮専門家は「軍部の人事は、軍内の政治教育問題(綱紀粛正)と忠誠心向上が基軸だ。政権中枢と軍の関係は良好だが人民と軍との関係悪化が深刻だ。人民の軍、党に対する忠誠心が急速に低下している」と分析している。
最終更新:6月7日8時1分