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米国が執着するのは治安か石油か?
原題: Iraqis resist U.S. pressure to enact oil law
米国の石油法制定圧力にイラク人が抵抗
ロサンゼルス・タイムズ
2007年5月13日付
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-oil13may・・・
石油法案はイラク国民議会に上程されなかったが、米国政府高官が「内戦終結にとって重要」としているこの石油法案はイラクの国会議員のあいだで深刻な問題となっており、彼らの多くはこれを米国政府の日程を満足させるために慌てて作られた文書だと見なしている。
反対理由はさまざまだが、次の2つのことは明白である。5月はホワイトハウスが約束してきた最終期限である。たとえ法案が通過しても、石油収入をシーア派、クルド人、スンニ派の3地域でどう配分するか、外国の投資をどれだけ認めるかという重要問題は解決できない。これらの問題は将来の議論に委ねられるだろう。
この石油法案が抱える問題は、ブッシュ政府がマリキのイラク政府に受け入れさせようと圧力をかけている他の「基準」にとってもそのの前兆となる。その「基準」とは、各州の選挙、元バース党員の公職停止を解除すること、軍の配置とイラク憲法の修正を含んでいる。
ワシントンの共和党指導部は政府当局に対して、もしイラク政府が夏の終わりまでにこれらの「基準」を受け入れないなら、ブッシュのイラク政策に対する議会の支持は崩壊するだろう、と警告した。彼らの苛(いら)だちは、イラク訪問中のチェーニー副大統領によって9日に強調された。
チェーニーは記者団に、「目の前の問題を前に進めることがひじょうに重要であり、余計な遅延の釈明は聞きたくない明らかにした」と語ったのだった。
しかしイラクの議員たちは、石油という重大な問題一つをとっても、ブッシュを満足させる素振りをほとんど示さなかった。
イラク北部のクルド自治区から選出されたマフムード・オスマン議員は、「われわれはバグダッド時間とワシントン時間という2つの時計を持っている、ま、これは一つの例だがね」と言った。「これがいつも問題なんだ。ワシントン(米国政府)は自分たちの政治日程にあわせてことが進展するようイラク人に圧力をかけてきた」。
約1150億バレルという世界最大の石油備蓄の一部がイラクにあると考えられている。イラクの2007年予算は石油収益は310億ドルになるという予測にもとづいていおり、それは政府収入の93%を占める。
しかし戦争と政治的不安定のために減産が続いてきた。2003年にアメリカがイラク侵攻を始める前は、日産260万バレルの生産量があった。米政府高官は300万バレルまで急増すると予測していた。だが実際には、設備の劣化と治安問題から日産200万バレルを達成するのがやっとだった。
新たな石油法案は外国人投資家を参入させることによって事態を変え、設備の更新と増産が可能になると言われている。米政府当局は石油収益がイラク全体に公正に行き渡ることで、不安定な情勢は改善されると期待している。
イラクの閣議は2月に石油法案を承認し、舞台は議会に移ることになっていた。米政府当局はすぐに議会を通過すると予想してきたが、手続きが止まった。
石油新法に対する異議は、イラクが北面する幅広い問題を反映して、手続きそのものもさまざまな問題を抱えている。シーア派主導の中央政府に対する他地域の不信感、外国の利益に対する用心深さ、多くのイラク国民が石油を手に入れるためにイラクを侵攻したとみなすアメリカに対する怒り、などである。
最も激しい反対の幾つかは石油労働者から出され、彼らは石油法制定に抗議して今週ストライキに入ると警告した。
石油労組連合の指導者イマド・アブドル・フサインは、労働者は石油政府の管理に保護されるのを望んでいると、と説明した。
「石油はイラクの主権、イラクの唯一の財産だ。石油がイラク国民を統一する。これを外国投資家に渡すなら、それは主権を奪われるということだ」と彼は言った。
しかしエネルギー問題専門家は、イラクは外国の技術と資金なしには増産を望めないと語る。
だがイラクの最も基本的な問題は、すべての政治問題の外にある。つまり安全の確保である。イラクが外国投資家の助けを必要としても、「安全の確保と安定した政権なしには、彼らはやって来ないだろうから、何も望めない」とエネルギー問題専門家が指摘した。彼はエネルギー関連の安全問題を研究するワシントンのシンクタンクに勤務している。
攻撃件数は昨年の同期より減ったが、破壊活動をする者たちのお気に入りの標的であるパイプラインは、あまり機能してないわりには何度も攻撃されてきたという。
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2007_US_pressure.html