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毎日【米イラン協議:イラク情勢悪化に危機感も イラン側】
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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20070529k0000m030045000c.html
米イラン協議:イラク情勢悪化に危機感も イラン側
【テヘラン春日孝之】28日の米・イラン大使級協議はこれまでの水面下での非公式協議とは異なり、イランにとって、米国を「大悪魔」と呼んだ79年のイスラム革命体制のタブーに抵触しかねない政策転換と言える。イランが公式協議に臨んだ背景には米国とは別の意味でのイラク情勢の悪化に対する危機感もありそうだ。
イラン改革派紙エテマドメリのガセミ国際部長は「米軍がイラクに居座るのは好ましくないが、テロの応酬が激化している状況はイランにとって不吉だ。混乱が波及する恐れが強まるからだ」と指摘する。同氏によると、イラン指導部に現実路線を選ばせたのは、イラクで起こり得る「悪夢のシナリオ」の恐怖だ。イスラム教シーア派主導のマリキ政権が崩壊し、シーア派国家イランの対イラク影響力が低下、イランの中東覇権が損なわれる−−事態だ。イランへの難民殺到も予測され、社会混乱、インフレ進行に拍車がかかるのも避けられない。
イラン経済は今、最近のガソリン価格の値上げに加え、「核問題での国連制裁決議で心理的にインフレ懸念が高まっている」(同紙モヘッブアリ経済部長)。国民の不満が噴出して体制批判につながらないよう政権は神経をとがらせているのが実情だ。
協議に踏み切ったもう一つの理由として「核問題」と関連付ける見方も根強い。イランの核燃料サイクル構築は改革派にも異論のない「国是」だ。制裁のさらなる強化を主張する米国の圧力を弱め、開発の時間を稼ぐためには、米国の泣きどころであるイラク問題で「恩を売る」か、少なくとも協力姿勢を示すことが必要だ。イラン指導部内の対米強硬派も核開発推進という「大義」の前に米国との異例の公式協議を受け入れたという解釈だ。
最近、イラン指導部内で権力闘争が激化しているとみられ、核問題や対米関係などを巡る路線対立が原因との指摘もある。今回の協議で両国がイラク問題で実質的な協力関係を構築できるか、さらには長年の敵対関係の修復につながる糸口を得られるか、先行きは誰にも予測できない。権力闘争の行方は米国がイランに対しどういう姿勢を取るかにも大きく左右される。まずは双方とも相手の出方を見極める腹づもりだろう。
毎日新聞 2007年5月28日 19時06分
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