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2007年05月24日
外出禁止令がサマラを窒息させ始めている
ジュネーヴ条約に違反して、サマラの民間人に集団的懲罰を与えている米軍とイラク軍。病院では乳児や老人を含む10人がそのために殺されています。
外出禁止令がサマラを窒息させ始めている
アリ・アル=ファディリー
Electronic Iraq 原文
サマラ発(IPS)。米軍が後押しするイラク政府が適用した外出禁止令の結果、少なくとも10人の住民が死亡したと地元医師は語った。
バグダードの北125キロに位置する人口30万人の町サマラの住民は、食料と水、医療品を求めて苦闘している。5月6日以来、車が町に出入りすることは禁じられている。
イラク政府と米軍はその日、自爆自動車爆弾が10人以上の警察官---- 警察署長のアブダル=ジャリル・アル=ヂュライミも含まれていた----を殺したあと、厳しい外出禁止令を敷いた。2003年3月に占領が始まって以来、サマラは米国によるイラク占領に対する強いレジスタンスが行われてきた。
爆弾攻撃後、米軍とイラク軍は町を取り囲み、町の出入り口をすべてコンクリート・ブロックと砂袋で封鎖した。
地元の人々がIPSに語ったところによると、町の大橋も封鎖され、救急車が人々のもとに行くことも禁じられ、住民はますます悲惨な状況に置かれている。
「私たちはここでアメリカ人に屠殺されています」とサマラの学校教師マジド・ハミッドはIPSに言う。「生活必需品がすべてなくなったため、人々は死んでいます。そして政府はそれを喜んでいるようです」。
住民とサービス提供者はIPSに、電気も通っていないと述べた。
「この集団的処罰のために町の生活は途絶えました」と、匿名を条件にIPSに話してくれたサマラの電力公社職員は言う。「電気を剥奪すると水も保健医療も含め生活を維持するすべての必需品も剥奪されることになります。とりわけ今のような暑いときには」。
サマラの電力網と水道はすでにひどい状況だった。
IPSの特派員二人は占領の期間を通して何度もサマラを訪れ、占領軍が攻撃を受けたあと、住民への水と電気の供給を遮断するという米軍の戦略を直接目撃してきた。米軍とイラク軍はまた、家をブルドーザーで破壊し、家宅侵入捜査を行い、人々を拘留もしてきた。
「これは、私たちを苦しめた最初の戒厳令ではありません」とサマラの薬剤師ナフラ・アルワンは言う。「アメリカ人たちはこれまで何度も同じことをして、今もそれを続けています。私たちが占領と占領がもたらしたあらゆる破局を受け入れようとしないからです」。
彼女は続けて「彼らは、私たちが今やよりいっそう彼らに怒りを感じていることを知るべきです。アメリカの犯罪者たちに殺された罪のない魂に対して復讐するよう将来の世代にも伝えます」。
サマラ最大の病院で働く医師は、多くの人と同様匿名を条件にIPSと話してくれたが、保育器と生命維持装置を動かす発電器の燃料がないために少なくとも10人が死亡したと語った。そのうち7人は乳児だった。少なくとも二人が老齢の病人だった。
住民は米軍とイラク軍に援助を町に入れることを認めるよう嘆願しているが、これまで援助は少しも届かず、外出禁止令は続いている。
「10歳になる甥はぜんそくで死にました。病院に連れていけなかったからです」と25歳のナメール・アブードはIPSに言った。サマラのアバシヤ地区に住んでいる。
「サマラに適用されたこの戒厳令で医療サービスはすべて麻痺し、多くの人が死んでいっています。イラク以外の場所でこんなことが起きたならば、人々はそれを殺人とみなすでしょう。でも、世界にとっては、イラク人の血はとても安いのです」。
「この集団的懲罰は不当なもので、アメリカ人の残忍さをはっきり示しています」とサマラ市議会の議員はIPSに言う。「彼らは臆病者がするやり方で罪のない人々に罰を与えているのです」。
イラクの人道援助グループ「イラクのための医師団」は悪化する状況を深く憂慮する声明を出した。
「イラクのための医師団は、民間人の医療や人道援助へのアクセスを妨害するあらゆる行為を、それが紛争に関与するどのアクターによって行われたものであれ、もっとも強く非難する」と同グループは発表した。
医者たちは封鎖----彼ら彼女らはこれを「集団的懲罰」と呼んでいる----をすぐさまやめるよう求め、地元のNGOと保健医療関係者が町に入ることを認めるよう呼びかけている。
イラク駐留米軍の報道官は記者団に対し、サマラで適用されている治安対策が「生活をとても困難にしている」ことを認めたが、それを適用したのは「地元当局」であると主張した。
けれどもIPSの特派員は、町の周辺で米軍車両を何台も目撃しており、戒厳令開始時には米軍要員が道路封鎖を設置していたのを目撃している。
「あの臆病者たちは、イラクの子どもたちを殺すことに喜びを感じています。ペルシャ人の(首相ヌーリ・)マリキ政権の官僚も同じです」と、サマラに住む45歳のアブ・ナバンはIPSに言う。「彼らはレジスタンスに参加している私たちの祝福すべき息子たちからさらに攻撃を受けたがっているように見えます。というのも、アメリカ人がサマラの人々を攻撃すればするほど、私たちのアメリカ人に対する憎しみは大きくなるからです」。
住民たちは占領軍に対してかつてないほど怒っている。
「米軍の無責任な行動のせいで状況はますます悪化しています」と、ヤシンと名乗った地元NGOの職員は語った。「米軍は人々の怒りをますます刺激し、暴力を誘発しています。ますます多くの人が平和ではなく暴力を信じるようになっているので、私たちが人々を落ち着かせようとしても効果がありません。
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投稿者:益岡
posted by 益岡 at 20:51| Comment(0)
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