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【ロシア政治経済ジャーナル】NO458超富豪の戦争と平和
http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
★超富豪の戦争と平和
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
北野です。
東京都の小山様から質問が届いています。
「米中の動きを見ると、融和を目指す動きがある一方で、軍拡競争をし
ている動きもあり非常に複雑です。どうなっているのでしょうか?」
まあ、軍事力でアメリカにはるかに劣る中国が、「融和工作」をしている
のはわかりますね。
そして、アメリカも「イランが最優先課題だから、今は中国と仲よくしてい
る」という話はいつもしています。
今回はもっと別の次元の話。
うさんくさい話をうさんくさくないようにして書いていきます。
▼戦争を望む勢力と平和を望む勢力は同じ
誰でもわかる例でお話しましょう。
ブッシュは共和党で、支持基盤は石油業界と軍産複合体。
クリントンは民主党で、支持基盤は金融界。
これ、誰でも知っています。
ところで、アメリカの石油業界といえば、ロックフェラー(R)のスタンダード・
オイルでしょう。
それが分割されて今のアメリカメジャーになっている。
これは歴史好き・成功哲学好きの人は皆知っています。
「石油か。てことはR一族は共和党支持か。。。」
とはいえ、R一族といえば、チェース・マンハッタンもR系でしょう?
これも、どこにでも載っています。
「銀行か。金融だよな。てことは、R一族は民主党支持か。。。」
「え”〜〜〜R一族は、共和党支持で民主党支持なの???」
おかしいですか?
日本は、自民党の事実上一党独裁。
金がある人は自民党に献金すればいい。
アメリカは二大政党制で、コロコロ変わる。
ありあまるお金があれば、共和党・民主党、両方支援したっていいですよ
ね?
ちなみに、イスラエルも両党を支援しています。
これは陰謀でも何でもありません。
一般的な言葉で、「支持基盤」「ロビー活動」「政治献金」というのです。
これを陰謀とかいうので、ややこしくなる。
ということは、R氏グループは、平和なクリントン時代(ITバブル期)にも儲
かり、戦争好きのブッシュの時代にも原油価格が高騰して儲かった。
考えてみてください。
98年にバレル10ドルだった原油価格は、今60ドル以上で定着しています。
つまり、単純計算で6倍利益が増えた。
エクソンモービルは、時価総額世界一。
▼超富豪の資金力
超富豪のパワー。
私たち庶民にはイメージできません。
ロシアを例に考えてみましょう。
フォーブス誌によると、ロシアには資産10億ドル(1200億円)以上のビリオ
ナーが53人います。
日本にはたったの24人。
それでロシアの大富豪上から10人の資産は、06年17兆円増加した。
つまり、一人当たりの平均年収は1兆7000億円。
月収1400億円、日収56億円、時収7億円、分収1100万円、秒収18万円。
もちろんロシアの富豪なんて、超富豪から見ると小者でしょう。
それでも正確な数字があるので使います。
さて、この金額がいかに庶民とかけ離れているかという話。
世銀総裁ネオコン・ウルフォウィッツさん。
愛人の給料を大幅アップさせた(^▽^)ことが、大問題になりました。
「ウルフォウィッツ総裁自ら人事担当の幹部に「彼女の(昇進の)望みをか
なえるよう指示する」との書面を送付。
女性は出向により世銀での職務を中断せざるを得なくなる見返りとして異
例のスピードで昇進を果たし、年収は13万ドル(約1500万円)から18万ド
ル(約2100万円)と、一気に4割昇給している。」(時事通信4月14日)
2100万円。。。
これが「多すぎる!」と大問題になった。
ライスさんの給料より多いのだとか。
2100万円というのは、ロシアの大富豪トップ10に入っている人なら、
2分(^▽^)で稼げる金。
どうですか?
アメリカ国務省とか世界銀行に働くエリートでも、2000万円というのは結
構な金額なのです。
極端な話、1億円くらい出せば、だいたいの政治家は買収できる。
そして、ロシアのトップ10大富豪は、1時間に7億円稼ぐ。
つまり1時間の労働で、7人の有力政治家を買収できる。
8時間労働とすると、1日で56人の有力政治家を買収できる。
(ちなみに、日本の政治家はいくら金を積んでも買収できませんよ。彼ら
は『武士道』の体現者(^▽^)ですから。外国の話です。)
ありあまるお金を持つR氏は、どうして共和党と民主党の片方だけを支
援する必要があるでしょうか?
両方の党に金を出した方がいいに決まっています。
▼超富豪のつごう
さて、超富豪は戦争でも平和でも儲かるようになっているというお話で
した。
彼らは、ある国の指導者や体制がどうであればうれしいのでしょうか?
1、最良=素直な独裁体制
2、良=完璧な市場経済
3、悪=中途半端な市場経済
4、最悪=いうことを聞かない独裁体制
1、最良=素直な独裁体制
「え”〜、独裁でもいいのですか?」
そうです。
儲かればいい。
一番いい例は、サウジアラビア。
石油埋蔵量世界1のこの国は、絶対君主制の独裁国家。
アメリカはイランを責めていますが、サウジを非難しませんね。
素直な独裁国家の場合、ビジネスが進むのです。
なんといっても、一人だけ買収・懐柔すれば全てがまわる。
2、良=完璧な市場経済
次にいいのは、完璧に近い市場経済の国。
ビジネスがやりやすい。
それと、民主主義国家の指導者は普通独裁者と比べると貧乏ですか
ら、買収しやすい。
何はともあれ、超富豪たちにとって一番都合がいいのは、世界が一つに
なり、完全自由競争の世の中になること。
国家とか国境とか国によって異なる法律とかは、ビジネスの妨げになる。
どういう世界になるか?
日本人も想像できますね?
そう、「世界的超格差社会」になる。
しかし、彼らは本質がビジネスマンですから、自己の資本の増殖が最重
要なのです。
3、悪=中途半端な市場経済
日本はこれです。
それで、アメリカはいろいろと要求し、規制を取り払おうとしている。
これに抵抗した橋本さんなどの評価は低く、賛成した小泉さんの評価は
高い。
4、最悪=いうことを聞かない独裁体制
これが一番の問題。
なぜか?
▼ロシアから逃げたロスチャイルド
19世紀末から20世紀の初めにかけて、石油といえばアメリカとロシアで
した。
アメリカは、ロックフェラーのスタンダード・オイル。
でロシアは、今はアゼルバイジャン領になっているバクー油田。
この油田の開発をしていたのが、
1、ノーベル社(ダイナマイトの発明で有名なノーベルさんの兄たち)
2、カスピ海・黒海石油会社(1884年設立。ロスチャイルド家が主導)
この2社の活躍により、ロシアの産油量は急増。
1890年代、ロシアはアメリカを抜き世界最大の産油国になります。
しかし、その後ロシアでは革命運動が活発になってきた。
危険を感じたロスチャイルドは1912年、ロイヤルダッチシェルに油田を
売り、逃げます。
そして1917年、ロシア革命。
20年にバクー油田は国有化されました。
ロスチャイルドは、ロシア情勢を見極め、破局が訪れる前に脱出した。
しかし、別の言い方をすれば、ソ連独裁体制の中でビジネスをつづけ
ることは、ロスチャですら不可能だった。
▼なぜ独裁者は反抗する?
なぜ独裁者は、超富豪に抵抗するのでしょうか?
第1に、プライドが許さないのでしょう。
独裁者は、国内で神のごとき存在です。
それを、超富豪にアレコレ指図されるのがうざったい。
超富豪から見れば、「奴は増長した」ということでしょう。
第2に、自分でやった方が儲かる。
ロシアの例を見てみましょう。
現在欧米では、熱心な反プーチンキャンペーンが続いています。
「独裁者だ!」というのです。
まあ、そのとおりですが。
とはいえ、ロシアが「中国より独裁だ」なんて考えている人は、世界中ど
こにもいません。
(例、中国は一党独裁・ロシア下院には4党いる。)
ではなぜ、欧米は中国ではなくロシアを叩くのでしょうか?
原因は03年までさかのぼる。
アメリカのエクソンモービルが、ロシアの石油最大手(当時)ユコスを買
収しようとした。
ところが、プーチンさんは、最高検に指示してユコスのホドロコフスキー
社長を逮捕してしまった。
それで、買収ができなくなった。
プーチンさんの立場で考えてみましょう。
米エネルギー省によると、ロシアの石油埋蔵量は、世界総埋蔵量の14%
で世界2位。
天然ガスは27%を占め、ダントツ世界一。
ウランは世界3位。
その他、金・ダイヤ・プラチナ・鉄・アルミ等々、何でもある。
別に超富豪に利益を分配しなくても、KGB軍団でビジネスを独占すれば
もっと儲かるでしょう?
(だから、サハリン2にもイチャモンをつける)
つまり、超富豪にとって素直な独裁者は最良の友、反抗的な独裁者は最
悪の敵ということになります。
(最悪の敵の例、仏ロ中に石油利権を与えていた反抗的フセイン)
陰謀論の欠点は、超富豪のパワーだけ強調し、誰が抵抗しているのかさ
っぱりわからない。
陰謀本を読んだ後、「そんなにパワーがあるなら、さっさと世界政府を樹立
して、人類を奴隷化すればいいじゃん」と思ってしまう。
なんで、プランが進まないのか庶民にはわからないのです。
▼中国はどうなのか?
さて、共産党の一党独裁国家中国はどうなのでしょうか?
超富豪は、戦争を推進する勢力も支援し、平和を推進する勢力も支援する
という話でした。
日本人は職人脳で、「唯一の答え」を求めますから、これが理解できない。
実は、両方の工作が同時に進んでいるのです。
そして、平和(儲け=金融界)な動きにフォーカスしている人は、「米中は経
済の相互依存が進んでいて、戦争はあり得ない」と主張する。
一方で、戦争をすすめる動きにフォーカスしている人は、「中国は去年18%
も軍事費を増やした。これは戦争にそなえている証拠だ!」となる。
どっちが真実なのでしょうか?
もちろんどっちも真実。
この国の運命は、中共トップが超富豪のいうことを素直に聞くかどうかで決
まります。
確かに今中国は、軍事的にとてもアメリカにかなわない、バブル崩壊を回
避したいという動機で比較的素直。
しかし、十分豊かになった時、中共の指導者が超富豪の思惑どおり動くで
しょうか?(中華思想もあるし。。。)
超富豪から離れたいくつかの例もあります。
エリツィン時代、アメリカに100%従順だったロシア。
しかしプーチンは、超反抗的なので、いじめられている。
例えば、アメリカの支援で05年キルギス大統領になったバキーエフさん。
ロシア側に寝返りました。
04年のオレンジ革命で政権についたユシェンコ大統領。
国民の不満が高まり、親ロのヤヌコビッチを首相につけています。
他にも、ベネズエラやボリビア政府は、欧米メジャーを追い出し、資源部
門国営化に動いている。
今はバブルを崩壊させたくない中国と、イラン問題を先に片付けたいア
メリカ、そしてきっちり利益確定したい超富豪の利害が一致し、中国は安
泰。
しかし、このまま波風立たず繁栄がつづいていくはずはありません。
どういうパターンがありえるのでしょうか?
1、中共指導部が超富豪のいうことを聞きつづける
2、中共指導部が超富豪のいうことを聞かなくなる。それで、アメリカはあ
らゆる手段を使い、中国を民主化する。(例、ソ連崩壊→新生ロシアのご
とく)
3、中共指導部は超富豪のいうことを聞かず、なおかつバブル崩壊・革命・
戦争の危機の乗り越え、体制を保つ
ちなみに、共和党の中から、「次の大統領はレーガンのような人物が必要
だ」という意見が出てきています。
ソ連を崩壊に導いたレーガンの再来を待ち望む共和党。
当然意味するところは、「中国を(ソ連のごとく)崩壊させ、民主化させる大
統領」ということでしょう。
【ロシア政治経済ジャーナル】NO458超富豪の戦争と平和
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