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http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070516/chn070516000.htm
中国軍が、台湾有事をにらんで米空母攻撃用の対艦弾道ミサイルの開発に着手するとともに、ロシアから超音速長距離爆撃機も導入し、対米軍戦術を修正していることが15日、明らかになった。米軍や自衛隊の迎撃兵器の射程外からの攻撃に力点を置くことで、台湾有事に際して米空母機動艦隊来援を阻止する目的とみられる。日台軍事筋が明らかにした。
こうした中国の戦術修正が成功すれば、米機動艦隊の台湾海峡接近が困難となり、米軍は対中戦術の見直しを余儀なくされる。また、自衛隊の現有装備では新たな脅威を防御できず、東アジアの安全保障にも大きな影響を与えそうだ。
同筋によると、中国軍が改良に着手したのは、射程1500〜2500キロの準中距離弾道ミサイルである「東風21」。動く目標を赤外線で探知する装置を取り付けることで、米空母攻撃も可能となる。東風21は核弾頭の搭載が可能で、100基近くが既に配備されている。今年1月、衛星の攻撃実験に使用されたのは東風21の派生型で、改良が進んでいる。
また、早ければ年内にロシアから10〜20機の超音速長距離爆撃機バックファイアー(Tu−22M)が売却またはライセンス生産契約される見通しだ。同爆撃機は、戦闘行動半径約4000キロで、射程500キロのAS−4空対艦ミサイルを3基まで搭載できる。米本土も爆撃可能なため、第2次戦略兵器制限交渉(SALTII)で、保有を認める代わりに空中給油装置撤去を条件としたほど、米側が恐れた兵器だ。
米軍は対艦弾道ミサイルやAS−4への迎撃手段を有しているが、万全ではない。機動艦隊の防御兵器であるイージス・システムも「対艦弾道ミサイルやAS−4を大量に同時発射されれば、すべてを迎撃できる可能性は大きく低下する」(日台軍事筋)からだ。被弾の恐れがあれば機動艦隊も容易に台湾海峡に近づけない。
一方、自衛隊保有の対空ミサイルも、Tu−22Mは射程外となる可能性が極めて高い。海上自衛隊のイージス艦も中国大陸に近づけば被害を受ける可能性があり、防衛省は新たな迎撃手段の開発・配備を含む戦術の再構築を迫られそうだ。
(2007/05/16 02:57)