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http://www.asahi.com/international/update/0519/TKY200705190159.html から転載。
ブッシュ政権、反感読み誤り 人事の危機管理は機能不全
2007年05月19日17時18分
ウォルフォウィッツ世界銀行総裁の辞任劇で、ブッシュ米政権は同氏への反感をイラク戦争反対派の嫌がらせと読み誤り、続投にこだわった。政権内でも捜査現場に政治的な圧力をかけた疑いのゴンザレス司法長官に対し、高慢な態度への反発から辞任圧力が高まる。人事で危機管理が機能しなくなりつつあり、政権は「泥船」の様相を見せている。
ネオコン(新保守主義者)の柱だったウォルフォウィッツ氏は、イラク戦争で陸軍トップの意見に耳を傾けず、戦後の武装抵抗の根強さを軽視。楽観論を議会で証言するなど、現在の泥沼を招いた責任者の一人として批判を受けてきた。
コラムニストのデービッド・ブルックス氏は、米PBSテレビで、国防総省で組織運営能力に疑問符がついたウォルフォウィッツ氏が「世銀でも、生え抜き職員との対話を怠り、周囲に壁を作った」ことが、退陣の最大要因だと分析した。
しかし、ブッシュ大統領らは、ウォルフォウィッツ氏擁護にこだわった。それは、イラク戦争でのおごった姿勢と重なり「批判に耳を貸さず、居座ろうとしている」と逆に火に油を注いだ。
フィナンシャル・タイムズ紙によると、政権内でも、ポールソン財務長官らは早くから、ウォルフォウィッツ氏に固執すれば米国の利益が損なわれかねないと警告した。ところが、イラク戦争に対する欧州からの「報復」の動きと受け止めたチェイニー副大統領やローブ次席補佐官は、あくまで支えよと主張。「降伏」論が優勢になるたびに介入し、話を元に戻していたという。
保守的な政治信条そのものよりも、独善的な組織運営が傷を広げるのは、ゴンザレス長官も同じだ。連邦検察官を政治的な理由で解雇した疑いが出ている問題で、1回の議会証言で60回以上「記憶にありません」を繰り返した。辞意を表明した副長官に15日、責任をかぶせるなど、与党共和党からも指導力を疑問視する声が上がる。
だが、閣僚の人事権を持つブッシュ大統領は長官支持の姿勢を変えておらず、またも深みにはまりつつある。