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□低レベルのサリンでも米兵に脳障害 [アメーバニュース]
http://news.ameba.jp/2007/05/4737.php
低レベルのサリンでも米兵に脳障害
5月20日 10時03分
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1991年の湾岸戦争では、イラクの弾薬庫を爆破した際に10万人以上の米軍人がサリン神経ガスにさらされたが、低レベルでもサリンが脳に障害を与えていた可能性を示す証拠があることが、米政府の調査で明らかになった。調査結果は学術誌NeuroToxicology6月号に掲載される。
New York Times紙17日付によると、この調査はDepartment of Veterans Affairs退役軍人省がCDC疾病予防センターと共同で費用を負担し、研究者が湾岸戦争の退役軍人26人を対象にMRI画像で脳の状態を分析し、140人の運動能力も調べた。国防総省のデータを基にサリンの濃度レベルと比べた結果、より高濃度のサリンにさらされた人ほど脳が萎縮していて、ほとんどサリンにさらされなかった人と比べると5%も脳が縮んでいたことが分かった。またサリンの濃度に応じて運動能力も衰えていた。
研究者は、今回は「予備的」な調査で、さらなる研究が必要としているが、今回初めて低レベルのサリンが脳組織へ病理学的な影響を与える可能性が示された。サリンが脳に与える長期的影響についてはまだよく分かっていない。
湾岸戦争の退役軍人70万人の中には、倦怠感や慢性頭痛、関節痛、吐き気など「湾岸戦争シンドローム」と呼ばれる原因不明の症状に今でも悩んでいる人が15万人以上いる。今回の調査はサリン原因説をより強く示唆する結果となった。
湾岸戦争では、1991年3月の戦闘終結後2〜3日して米軍はカミシヤ地区の2カ所の弾薬庫を爆破、破壊されたミサイルの一部にはサリンが装填されていた。国防総省によると、当時の風のパターンと爆破煙のサイズから予測して、10万人以上の米軍人が少なくとも少量の神経ガスを浴びていたとみられている。
国防総省は、湾岸戦争後5年間、米軍人が神経ガスにさらされたことを否定していたが、1997年に新証拠を示されて10万人が低レベルのサリンを浴びた可能性を認めた。しかし、2002年には報告書を発表し、浴びた量は少量すぎて健康への長期的悪影響はないとしていた。
日本では1994年に松本サリン事件が、1995年に地下鉄サリン事件が起きた。サリンを浴びて今でも後遺症に苦しむ人が大勢いる。低レベルでも健康被害を起こすことが明白になった以上、被害者へのより良い治療と一層の支援が望まれる。