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2007年05月12日
イラク破壊:死者100万人・負傷者200万人・家を追われた人々300万人
米国のイラクに対する戦争をジェノサイドの観点から見る。
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イラク破壊:死者100万人・負傷者200万人・家を追われた人々300万人
副次的ジェノサイド
マイク・ファーナー
2007年5月11日
CounterPunch原文(http://www.counterpunch.org/ferner05112007.html)
ジェノサイドの罪を犯すためには二つの要素が必要とされる。
(1)心理的要素:国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもっていること。
(2)物理的要素:これには以下が該当する。[集団構成員を殺すこと。]集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。
我らがアメリカ合衆国を法的に拘束している国連条約でこうした明確な言葉が使われていることを考えると、事態はいささか憂慮すべきことのように見えてくる。我らが政府がイラクに対する経済的および軍事的戦争を宣言して以来、我々は100万人以上の人々を殺してきたし、その数は急速に200万人に近づいていることを認識するならば、とりわけである。
ジョンズ・ホプキンス大学が、調査研究で集めたデータから軍事的戦争によって65万5000人の可能な死者が出ていると結論付けてから、この夏で1年になるが、それ以来今までにも、状況は悪化するばかりである。それに加えて、約10年にわたって加えられた経済制裁のことを考えてみよう。国連が1999年に発表した報告によると、この経済戦争の最初の7年間で5歳未満のイラク人幼児50万人が殺された。
戦争で殺されたイラク人の数に関してジョンズ・ホプキンス大学の推定に基づくならば、控えめな推定としても、260万人の人々が負傷したと考えられる。国連は、現在150万人から200万人のイラク人が戦闘のために「国内避難民」となっており、それとほぼ同数の人々が国外に逃げ出している。国外に出た人々比率は医師をはじめ専門職に就いていた人々の間でとりわけ多い。
もし皆さんが椅子に座っていて健全な創造力を有しているならば、我々が暮らすここアメリカ合衆国が同様の状況にあったらどのようなものか想像してほしい。瓶詰めの飲料水を買える人はほとんどおらず、蛇口から出てくるものを飲めば死なないとしても病気になるという事実から始めてみよう。そして大恐慌時代の3倍の人々が失業している。調子のいい日には、3時間か4時間、電気が来て、食料を保存したり45度近い熱気を冷やすことができる。負傷者を治療して社会の生産的成員となることを助ける病院もリハビリ診療所もない。道路もむちゃくちゃ。劣化ウランに晒されたことから障碍を負った子どもたちが生まれているという報告が国中で明らかになってくる。愛する人をたった一人失っただけでもたらされる悲しみについて少しの間想像してほしい。それから、心を開いて、今イラクの人々が被っている犠牲に対応する犠牲を私たちが被ったとき、生活がどのようなものかを実際に考えて欲しい。
アトランタ、デンバー、ボストン、シアトル、ミルウォーキー、フォートワース、ボルチモア、サンフランシスコ、ダラス、フィラデルフィアという都市が廃墟と化し、一人残らず全員が命を失った状況。バーモント、デラウェア、ハワイ、アイダホ、ネブラスカ、ネバダ、カンザス、ミシシッピ、アイオワ、サウスカロライナ、コロラドの州で一人残らず全員が負傷している状況。
オハイオ州とニュージャージー州では住民全員がホームレスとなり、友人や親戚に助けられ、あるいは橋の下で生活する状況。ミシガン州とインディアナ州、ケンタッキー州に暮らすすべての人々がカナダかメキシコに脱出した状況。過去4年間にアメリカ合衆国の医師4人に一人が国外に脱出し、昨年一年だけで3000人の医師が誘拐されて800人が殺される。そして、「外部からは」誰一人我々を助けに来ない。
地獄で暮らす状態。
もちろん我らがアメリカ合衆国政府にはジェノサイドを犯す意図はなかったかも知れず、ただ単におきちゃっただけ、なのかもしれない。我々は使命を果たそうとしているだけなのに、イラク人が邪魔し続けているだけ。民主主義を構築しているなかで間違いを起こすこともあろうが、ジェノサイドを意図したなどとんでもない。結局の所、我々こそが世界中で何がジェノサイドであり何がジェノサイドでないかを決める役割を担っており、我々全員が、ジェノサイドの罪が成立するためにはその意図が必要であることを熟知しているのだから。
イラクで起きているのは単なる「副次的ジェノサイド」で、我々がそれを避けようと全力を尽くしてきたことを主たる神はご存じである。。。
マイク・ファーナーはオハイオ在住の著述家。「Inside the Red Zone: A Veteran for Peace Reports from Iraq」は彼のウェブサイトhttp://www.mikeferner.org/ より入手可能。
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劣化ウランと関係して、東京の駒込で5月13日「ヒバクシャ〜世界の終わりに」が上映されます。詳細は http://momotomonet.seesaa.net/ をご覧下さい。
posted by 益岡