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http://www.asahi.com/international/update/0512/TKY200705120127.html から転載。
NPT立て直しへ 北朝鮮などへの懸念含む報告書採択
2007年05月12日12時21分
2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会は最終日の11日、北朝鮮に対する核放棄要求、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効の重要性などを盛り込んだ議長の総括を含む報告書を全会一致で採択して閉会した。準備委は議題などで対立して一時空転したが、NPT体制の立て直しに向けて第一歩を踏み出すことができた。
各国発言をまとめた天野之弥議長の総括では、北朝鮮とイランの核開発計画への懸念や核テロ対策の重要性を強調。一方で、米英の核戦略変更や核兵器更新、米国とNPT未加盟のインドとの原子力協力、米ミサイル防衛(MD)への懸念を示し、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の即時交渉開始の重要性も明記された。
先月30日に始まった準備委では、イランの強硬姿勢で議題採択が1週間余遅れた。イランはまた、議長総括にウラン濃縮停止を求めた国連安全保障理事会の決議順守の要求などが盛り込まれたことにも猛反発。議長の作業文書として報告書に記載することで妥協が図られた。
今回は、合意文書を一切採択できず失敗に終わった05年の再検討会議後、初めて開かれた準備委だっただけに成否が注目されていた。今後の土台となる議題を採択し、再検討プロセスの破綻(はたん)は避けられたことで、信頼回復が急務のNPT体制に明るい兆しとなった。
天野議長は「次回以降の準備委に向けて強固な基礎を築けた。双方向性のある熱心な議論もでき、将来につながっていくと思う。結果にはある程度満足している」とコメントした。
ただ、NPT立て直しのための実質的な議論が行える環境が整ったにすぎず、核保有国と非核国の溝は埋まらないままだ。核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用をめぐる具体策を打ち出せるかどうか、次回再検討会議までの道のりは険しい。
第2回準備委は来年4月28日から2週間、ジュネーブで開かれる。