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□米大統領選:モルモン教「攻撃発言」で物議 [毎日新聞]
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/photojournal/news/20070511k0000e030023000c.html
米大統領選:モルモン教「攻撃発言」で物議
【ワシントン及川正也】08年米大統領選で初の「モルモン教徒の大統領」を目指す共和党のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(60)に対し、著名な黒人運動指導者のアル・シャープトン師がモルモン教を敵視したと受け取られる発言をし、物議をかもしている。モルモン教を異端視しがちな米宗教界の「本音」が出たとの見方もあり、「宗教対立」の様相も見せている。
米メディアによると、シャープトン師は7日、ニューヨーク市での討論会で「モルモン教徒の候補者を、本当に神を信じている人たちが打ち負かすだろう」と発言した。同師はキリスト教プロテスタントの牧師で、04年大統領選に民主党から出馬した経験を持つ。
これに対し、熱心なモルモン教徒のロムニー氏は9日「偏見に満ちた発言。不適切だ」と不快感を表明した。演説で「国民は宗派ではなく価値観やビジョンによって大統領を選ぶ」と繰り返しており、モルモン教と結びつけた攻撃に業を煮やした様子だ。
モルモン教はキリスト教の諸派とされるが、信じることによる救いを否定する教義や、一夫多妻制の歴史を持ち、伝統的なカトリックやプロテスタントからは「異端」扱いされることもある。
シャープトン師はモルモン教を攻撃したのではなく「共和党のロムニー氏を打倒するという意味」と釈明しているが、「モルモン教も教義上、神を信じている。我々とは違う方法だが」とも述べ、不信感をにじませた。
ロムニー氏は全米世論調査では共和党のジュリアーニ前ニューヨーク市長、マケイン上院議員には及ばないものの、1〜3月期の資金獲得競争では同党トップで、最初に予備選が開かれるニューハンプシャー州で高い支持を得て、急速に存在感を増している。
シャープトン師の「失言」はロムニー氏の躍進への危機感が背景にあるとの見方もある。大統領の宗派はプロテスタントが主流だったが、60年大統領選で勝利した民主党のケネディ大統領がカトリック信者だったため選挙戦では「宗教論争」になったケースがある。
毎日新聞 2007年5月11日 10時58分