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ブッシュ米大統領は5月1日、遅くとも今年10月にイラク駐留米軍の撤退を開始し、来年3月末までに完了させる条項を盛り込んだ民主党主導の戦費法案に対し、拒否権を発動した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070502-00000039-jij-int
「リベラル」思考など通用しないこの時代に、時代遅れ、または時代錯誤の民主党の機関紙ニューヨーク・タイムズなど大手マスコミがこの数年間、イラク撤退の世論形成をやっているが、アメリカがイラクから撤退すれば、中東の石油支配が今よりアメリカから中国へ大幅にシフトしていく。当然アメリカの属国、日本の原油調達能力も低下し、アメリカ石油メジャー全面頼みの、日本への輸入原油価格は更に高騰するだろう。
いま、中東ではアメリカと中国により石油の争奪争いが行われている。
イランの石油だけではなく、新米国家のサウジアラビアやクウェートの石油にも中国は手を伸ばしており、一例を挙げれば、アメリカ資本であったサウジアラビアの国立石油企業サウジ・アラコムの株の20%を現在中国が取得、他の石油共同事業を見てもサウジアラビアは中国寄りの姿勢を強めつつある。
いま、国際情勢の力学からすればアメリカと中国では、中国が優勢といえる。
アジアでの覇権を獲得するために、北朝鮮の核開発問題を利用し、中東での石油覇権を獲得するためにイランの核開発問題を利用する。戦略計画を進行させていくその様は、見事なものだ。
アメリカ国防総省でもCIAでも、イランと北朝鮮の核開発推進の「黒幕」は中国であり、核兵器とミサイルの製造技術は中国による供与が行われていると見ている。
「中国政府が考えているのは、イランを軍事的に強くして湾岸地域における反米勢力の中心にすることである。」
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同じ方法論がアジアでも使用され、北朝鮮軍を強化してアジアからアメリカを駆逐し、中国を盟主とするアジア圏での覇権獲得を目的としている。
アメリカ衰退論が盛んで、アメリカの力が低下して見える一つの大きな要因に、中国の世界戦略の優越性が挙げられると思うが、「独裁国家同胞群」−イラン、北朝鮮、ロシア、サウジアラビア−などと同じルールで国家として行動ができる共産党独裁政権国家、中国は、最大限に集団独裁政治のシステムを利用している。
参考文献:『米中石油戦争がはじまった』(PHP研究所 2006年1月刊)
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