★阿修羅♪ > 戦争91 > 841.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□イラク人医師の窮状 ダール・ジャマイルの中東速報 [イラク情勢ニュース]
http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001612;jsessionid=x58dq1g7e1
URUK NEWS イラク情勢ニュース (転送・紹介歓迎)
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
2007/05/02 (水)
[飛耳長目録 today's news list]
☆イラク人医師の窮状 ダール・ジャマイル
-----------------------------------------------------------------------
☆★イラク人医師の窮状
Iraqi doctors out on a limb
ダール・ジャマイルの中東速報 5月1日付
-----------------------------------------------------------------------
Dahr Jamail's MidEast Dispatches
Visit the Dahr Jamail website http://dahrjamailiraq.com
Website by http://jeffpflueger.com
アルジャジーラ(英語版)
ダマスカス(シリア)発
オマル・アル・ハタブ医師が殺害予告を受けてイラクを離れてからちょうど1
年が過ぎた。
当時、彼はバグダッドの北50キロにあるバラド総合病院で働いていた。
「家も仕事も給料も放りださなければならなかったので、今では就職口もなく
、かろうじて生きのびるのがやっとです」−−彼はダマスカスの郊外クドシヤ地
区にある殺風景なアパートでインタビューに応じた。
「私のいた病院だけでも、5人いた外科医のなかで残っているのは1人だけで
す。3人いた整形外科医は1人もいなくなり、住み込みの医師は4分の1しか残
っていません」。
イラク保健省と国連機関によると、アル・ハタブ医師は、2003年3月にア
メリカの侵攻が始まって以後にイラクを離れたイラク人医師と保健専門職員1万
8000人のなかの1人、ということになる。
2003年にはイラクで3万4000人が保健専門職に登録していた。
<殺害予告>
アル・ハタブ医師は話す−−「殺害予告、あるいは全体として治安情勢のため
に、今このクドシヤ地区には私のほかにも10人のイラク人医師がいます」。
病院にいたときは住み込みの外科医だったアル・ハタブ医師は、一般開業医と
して貧しい食事で食いつなぎ、祖国に戻ることもできない。
シリアに来たものの医療サービスを受けられないでいるイラク難民のために、
毎日、彼は治療をおこなっている。彼の住む地域には5万人にのぼると思われる
イラク人がいて、その人々に医療支援をおこなうことによって、彼自身は自分の
専門技術水準を保持することになっている。
患者の1人は64歳のイラク人女性で、タイプ2の糖尿病とヘルニア、片腕の
骨折、右足の感染膿瘍を治療している。彼女は元小学校教師で、2004年4月
にバグダッドのマンスール地区にある自宅近くが迫撃砲で攻撃されたとき、パニ
ック状況のなかを走っていて腕を骨折した。
目下のところアル・ハタブが最も関心を持っているのは、レバノンに行く途中
にバスで転んで膿瘍にかかった女性(安全を気遣って身元を隠すよう求めた)の
ケガである。
<イラク人が必要としている>
アハメド・シバド医師(30歳)もバクーバ総合病院に勤務していたが安全上
の理由からダマスカスに逃れて来た。
今年3月にシリアに到着してから、彼はまだどれだけのイラク人がアル・ハタ
ブ医師のように必要とされているか知らないものの、自分でできることをしてい
る。
「ここで助けを必要とするイラク人の治療をしてきたが、もちろん治療代はタ
ダです」と彼は話した。
それに、おそらく多くのイラク人が費用のかからない治療を必要としているの
だろう。
先月、シリア政府は毎月シリアに流入する4万人近いイラク人への国際的な支
援を呼びかけた。国連はおよそ100万人のイラク人がシリアに避難していると
推計している。
これまでシリア当局は「開放」政策を採用してイラク人を「客人」として受け
入れてきたが、イラク人は収入を得るために就職するのを禁じられている。
<医師たちの苦境>
2006年2月に別のイラク人医師がバグダッドからダマスカスに逃れてきた
。彼は、「今日の全イラク人医師の苦境を代弁」して、「ドクター・エックス(
Dr.X)」と呼んでくれと言った。
彼は取材に対して、イラクでは医師たちが狙われており、その理由は彼らがし
ばしばレジスタンス戦士や民兵、あるいは治安部隊の兵士を治療するからだ、と
説明した。ある勢力の人間を治療することが別の勢力の人間を怒らせるかもしれ
ないのだ。
Dr.Xは、「われわれは死者の遺体も血を流している人々も、無実の市民も
受け入れるし、時にはそれが殺人者だったりする」と話した。
「バグダッドの南にある病院の外来病棟で自分の診察室に座っていると、まっ
たく突然に、機関銃を持った2人の男が人を捜しにやってきたんですよ。彼らは
患者のいる病棟に入ってきて、1人の男を射殺しました」。
その直後、民兵メンバーが彼に脅し文句をつきつけたので、彼はバグダッド市
内の病院に移ることにした。
<危険な名前>
2、3週間すると、バグダッドの内外で戦闘が激しくなってきて、ある看護婦
が彼に、名前のせいで殺されるかもしれないので避難すべきかもしれない、と助
言した。
彼は最初はヨルダンに逃れたが、仕事もなく6ヶ月がたつと費用がかさみすぎ
て、シリアで家族と合流することを選んだ。
しかしDr.Xは専門分野で働きたいと願ってシリアに来たものの、官僚的な
対応をされるばかりで仕事には就けないでいる。
「まず、君はこのような身分証と特別の資格試験が必要だ(と言われました)
。そのうえ彼らは、バグダッドのさまざまな役所から発行される資格証明が必要
といった類の制限を多く設けて、それらはとても入手しがたいものです。イラク
で入手するにはそれぞれ600ドルを払わなければならないもので、結局、ここ
で働くことは不可能に近いのです」。
「私は就職もなく、家もありません」。
<親類たちの治療>
それでもDr.Xもまたダマスカスにいるイラク人難民を助けようとベストを
尽くしており、彼の同僚の多くも親類や友人その他の隣人たちを治療することで
自分たちの専門技術を保持する道を見つけてきたと話す。
「われわれはイラクで良質の修練を積んできました。それでここにいる人々は
信頼を寄せてくれるし、彼らを治療する仕事ができるうえに親類のように親しく
いてくれます」と彼は説明した。
アル・ハタブ医師はいつまでこんなことが続くのかが気がかりで、これまで成
果のなかった職さがしにイライラをつのらせている。
「多くのウェブサイトを通じて、湾岸諸国や特にサウジアラビアで仕事を申し
込んでみましたが、イラク人にはビザを出さないと言われました」と彼は語った
。
「今後の見通しはとても暗い。どうなるか判りません」。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
※URUK NEWS イラク情勢ニュース (webサイト)
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html
※イラク・レジスタンス・レポート
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/Iraqi_resistance.html
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
―――――――――――――――――――――――――――――――――――