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2007.05.01
ガザ、給料未払いで自殺未遂 ほか
30日（月）の昼間、ガザ南部のハーンユニスで市役所職員が経済制裁以来、給料が支払われていないことに抗議して、役所の建物から飛び降り自殺を図ろうとするという事件が起きた。
この自殺未遂の男性の名前は報じられていないが、ハーンユニスの市役所の職員で、市長のオフィスに入り込み、窓を開けて飛び降りを図ろうとした。同僚や友人たちが駆けつけ、数時間の説得をしたのちに飛び降りることをやめたという。
この男性は何ヶ月も給料が支払われず、貧困に苦しめられて絶望して自殺を図ろうとしたと報じられている。
ハマス政権が誕生して以来、EUと米国などはパレスチナへの経済支援をストップし、イスラエルはパレスチナ政府の基本的な収入となるはずの関税を凍結して政府に渡さなくしたために、パレスチナ自治政府は公務員への給料をほとんど払えないという状態に陥っている。
ハーンユニス市長であるドクター・ファイエズ・アブ・シャマリー氏は、ガザの地方自治体がパレスチナ政府からの財政資金の不足に苦しみ、職員たちは通勤代にさえ事欠くという状態になっていると語った。「政府はこの事態をすぐにでも解決しなければならない。でないと、今日のような事件やさらに悪いことが起きる」と市長はさらに語った。
（ Palestinian public sector employee attempts suicide in protest of not being paid by the gov. より）
経済的には元から崩壊しているも同然だったパレスチナは、この経済制裁のためにさらに貧困化が進み、その深刻さは増すばかりだ。同じように給料が未払いとなっている公立校の 教師たちによるストライキ が30日に行われ、その他の公務員のゼネストも2日に行われるという。
この30日の教師たちのストライキ中に、未払いの給料を支払うことを求めて、ラマッラーの教育省オフィス前に集まった教師たちは、教育相と交渉することを要求し、それが拒絶されると オフィスのあるビルに突入をした 。
一方、欧州7カ国を訪問中のアッバス議長は、いろいろな国から早期選挙の実施を迫られているという。自治政府の高官が匿名を条件に明かしたところでは、「これらの国々は早期選挙が現在の袋小路を解決すると信じている」。（ Various Arab and European countries urge P.A to go for early elections より）
［つまり、経済制裁で身動きが取れなくなっているパレスチナで早期に選挙を行えば、「ハマスの勝利はもうありえない」だろうから、経済制裁は解かれるということを欧州などの国々はアッバスに示唆しているということになる。アッバスとしてはその方向に行きたいので異論はないはずだ。問題は早期に総選挙を行う基盤となる法律はないので、ハマスや他の政党がこれを認めるかどうかということになる。早期の総選挙をするということは、ハマス政権を認めない外圧に屈したということになるからだ。ただ、ハニヤ首相自身は統一政府ができても経済制裁が解除されない状態がずっと続くとすれば、数ヶ月後に「重大な決断をしなければならない」と4月に語っている］
その他の気になるニュース
イスラエル軍によるパレスチナ人の連行続く。30日（月）は17人（主にナブルスから）、1日（火）は25人が侵攻ののちにイスラエル軍にどこかへ連れ去られている。（ The Israeli army kidnaps 17 Palestinian civilians from several parts of the West Bank 、 25 Palestinian civilians kidnapped as Israeli army invades several West Bank areas ）
Settlers attack a mosque and Islamic Waqf offices in Hebron city ……ヘブロンで入植者たちがモスクとイスラームワクフの事務所を襲う。30日（月）、ヘブロンのユダヤ人入植者たちはイスラエル軍の見守るなか、アル・アクタブモスクとイスラームワクフの事務所に乱入し、家具を通りに投げ捨てるなどの荒らしを行った。このモスクはイスラエル軍によって、ここ5年間閉鎖されていて、パレスチナ人は祈りを捧げるために入ることはできなくなっている。
Palestinian government rejects kidnappers' demands for releasing BBC reporter Johnston ……パレスチナ政府、BBC記者ジョンストンさんを解放するための誘拐者たちからの要求を拒否する。自治政府のアッザム・アフマド副首相が明らかにしたところでは、政府は誘拐者たちから示された英国人記者ジョンストンさん解放のための要求を拒否したという。この要求の内容も、誘拐者たちの具体的な実像も何も明らかにされていないが、今回の要求がジョンストンさん誘拐以来、政府に対する初めての接触だった。［とはいえ、ハニヤ首相は英国の議員に対して、自治政府はジョンストンさん解放の責任を負い、静かに解放のための手続きを遂行している、その努力は実を結ぶだろうと語っている（ PM Haniya: Coalition government works on releasing the BBC reporter ）。］
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