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□EU拡大 [欧日協会]
http://www.ohnichi.de/Toki/toki146.htm
EU拡大
インタビュー:ペーター=ショル・ラトゥア
ルーマニア、ブルガリアの加盟後、EUはどこまで東方に拡大するつもりなのか? ペーター=ショル・ラトゥアは、破滅的結果をもたらす傾向と判断し、新たな「冷戦」の危機に警鐘を鳴らしている。
問: 5億の人口、23の公用語、加盟国27カ国になったEUはあまりに沢山の国、人口を抱えすぎていませんか?
答: その通りです。ルーマニア、ブルガリアの加盟は間違いだと思います。受入体制がなく、またルーマニア、ブルガリアとも加盟条件が整っていないからです。又これらの国々は我々の理解する民主主義とは大きくかけ離れた状態にあります。更に、今まで満たされなかった需要を取り戻すための一時的な売上を別にすれば、ヨーロッパにとりポジティブな両国の貢献は皆無です。アイルランドやスペイン同様にうまく行くと考えるのは間違いで、属する文化圏が異なります。
問: 最近のEU拡大は具体的に何をもたらしますか?
答: 長期的に経済問題が発生し、またルーマニア、ブルガリアよりずっと近い西バルカン諸国を加盟させなければならないという道義的強制力が生じます。(ルーマニア、ブルガリアに比べ)セルビアもずっとヨーロッパに近い国です。
問: 貴方はEU拡大に反対なのですか?
答: 誤解しないで頂きたいのは、私は熱心なヨーロッパ主義者ですが、この猛烈な勢いの東方拡大はヨーロッパを強めるものではなく、弱体化します。まずアメリカがこうした諸国をNATOに引き入れ、その後EUに加盟させ、我々が経済的に援助を行うというステップです。非常に我々をがっかりさせるのは、これらの諸国が政治的統合に無関心なことで、ブリュッセルよりもずっとワシントンに目が向いていることです。CIAと密接な協力関係をもち、秘密の訊問キャンプの設置を認めていることはそうした一例にすぎません。
問: アメリカが勢力圏を拡大し、我々が財政負担をしているということですか?
答: その通りです。東欧において「自由」を支援するというのが名目ですが、実際にはアメリカは自分の勢力圏を拡大しています。
問: 特にロシアがそうしたやり方を問題視しているようですが...
答: その通りで、ロシアはEU及びNATOの絶えざる拡大により地政学的に脅威を受けています。
問: 目下、アメリカは----「イラン及び北朝鮮のロケット弾に対抗するため」----新たなロケット弾防御システムをEUの東側境界線に配置しようとしています。レーダー到達距離が4500Kmなのでロシアが保有している核兵器の大部分が監視領域に入ります。
答: 非常にグロテスクな理由付けで、モスクワにとっては受忍出来ない挑発です! その結果がロシアにおけるナショナリズムの増大で、ロシアも既に、自国のロケット弾の最新化、白ロシアへの配備を行い、アメリカへの対抗措置をとっています。私が「新たな冷戦が始まった」と発言したため、激しい批判を受けましたが、私はその主張を変えるつもりはありません-----アメリカが現在、ポーランドやチェコにおいて行っていること、また東欧諸国におけるこうしたアメリカの軍事展開がこの上なく明瞭に私の主張を裏付けています。
問: 今後EUを拡大した場合、そもそも財政的にやって行けるのですか?
答: つい最近行った拡大も単に財政的に負担できないだけでなく、政治的に実現不可能というのが状況です。27カ国が加盟したEUがまとまった行動をとるのは無理です。
あまりにも異なる各国の利害がぶつかりあうからです。EUは拡大により死滅するでしょう。私は確信をもったヨーロッパ主義者ですが、例えばラトヴィアの大統領に私の運命を決定してもらいたいとは考えません。
問: クロアチア、トルコが次の加盟候補で、またウクライナ、グルジアも加盟を希望していますが…
答:まさにこうしたことこそEUの意味をなくしています。バルカン半島の全諸国、オリエント諸国をすべて受け入れることなど全く不可能です。最終的にはどの国もEU加盟を希望し、ウクライナすら色目を使っています。(ウクライナの)5000万人の人口の半数はロシア人で、目はモスクワに向いています。又、キプロスの加盟はイスラエルへの橋渡しとなります。
問: どうすればよいのですか?
答: 中核となるヨーロッパをつくりあげ、-----ヨーロッパの核武装によって-----アメリカへの軍事的従属から解放するか、それともこのプロジェクト(EU)を中止するかの選択しかありません。政治的に強力なヨーロッパを構成しているのはドイツとフランスだけで、この二つの国が推進力をなしています。両国の合意がなくなれば、(統一)ヨーロッパもなくなります。しかも、独仏友好関係は最近非常になおざりにされています。
(《TV Ho¨ren + Sehen》2/2007)
はろう2007年3月号より