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http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=283
アムネスティ・インターナショナルは4月16日、欧州連合(EU)や米国など各国が、イラクの紛争による300万人以上のイラク人避難民を支援する緊急かつ明確な措置を取らない限り、中東は新たな人道危機寸前にあると警告した。
2007年4月17日から18日にジュネーブで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が開催した国際会議に先立ち発表された資料の中で、特に2006年2月のイラクの重要な聖地の一つであるサマッラのモスクへの武装勢力による攻撃以降、シリアやヨルダンに次々に押し寄せるイラク難民の状況を緩和する支援をただちに行うよう、アムネスティは各国に呼びかけた。この攻撃は次第に分断されるイラク全土のコミュニティの市民を標的とし、より激しい宗派間の新たな殺戮開始のきっかけとなった。
「これまでは合計約200万人のイラク人を受け入れているシリアとヨルダンが、大量難民流入を負担してきた。しかし、紛争から逃れることを切望するイラク人が引き続き急増している中で、両国の受け入れには限度がある」と、アムネスティの中東・北アフリカ部のマルコム・スマート部長は言う。「イラクの惨事の産物を支援するシリア、ヨルダンやその他の国で、難民が十分な住居や食事を与えられ、保健医療や教育を利用できるよう、他の政府が約束だけでなく、ただちに介入し直接的な援助を提供することが不可欠である。」
イラク人難民コミュニティやその受け入れ国への直接的な援助と同様、イラク難民、特に最も弱い立場にあり危険にさられている人びとを支援し、紛争地域から遠く離れ、新生活を始められるように寛大な再定住策を策定し、全ての難民や難民申請を却下された人びとが効果的な保護を得られるよう、アムネスティは米国やEU、各国に呼びかける。「難民申請を却下された人びとをイラクに送還し、クルド地域の北部が比較的安全と主張している英国政府や各国はただちにそのような運用をやめるべきだ」とスマート部長は述べた。「庇護希望者に厳しい対応を求める国内の支持者に見せるためにイラク人の生命を危険にさらすべきではない。単に他人の生命をもてあそんでいる。」
また、何十万人ものイラクの国内避難民を支援する行動も呼びかけている。「イラク政府、多国籍軍に兵士を派遣している国ぐに、各国政府、地域の政治的・宗教指導者は、宗派間やその他の暴力に終止符を打ち、イラク人が故郷に戻り平和に生活できる政治的解決策を見つけるために一層の努力をすべきである」と、スマート部長は言う。「そうしない限り、基本的人権を尊重する解決策を見つけない限り、イラクの人びとは生命で代償を支払い続け、イラク全土の安定は脅やかされ続けるだろう。」
イラク:深まる難民危機http://web.amnesty.org/library/index/engmde140212007
2007年4月16日
AI Index: MDE14/022/2007