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誰の犯行だと言っている人はいません。
誰の犯行か特定できている司令官もいません。
またどのグループからも犯行声明は出ていません。
確かにこの種の爆弾テロはアルカイダに特徴的です。
ただこの戦いにおいて、アルカイダというのは
組織としての明確な形のない言葉です、
外国人武装勢力のことでもなければ、
ザルカウィ容疑者が始めたグループのようなものでもありません。
イラク人の中に、イラクの部族の人達の中にアルカイダのメンバーになり、
過激化した人達はたくさんいます。
ですからアルカイダというのは、スンニ派武装勢力を指す網羅的な言葉です。
私はサドルシティにあるサドル師の主要な事務所で
政治家である幹部にインタビューをしていました。
その時に爆発が起きました。
事務所が揺れ、私もかなり動揺しました。
しかし相手の幹部はちょっと肩をすくめて、
『よくあることですよ』と言って笑いました。
サドルシティでは毎週、車爆弾テロや自爆ベルトによるテロ攻撃が
一、二件起きるといいます。
サドルシティやその他の地域でのシーア派の指導者達の忍耐は
殆ど尽きかけているという印象です。
米軍はバグダッドで治安回復作戦を行っていますが、
自爆テロや爆弾テロを防げていないからです。
その殆どがシーア派地区を狙ったものです。
先月私が話しを聞いたシーア派の多くの人が、
マハディ軍がもっと活発に活動したら状況はどうなると思うかと言いました。
マハディ軍というのはサドル師派の民兵のことです。
シーア派の特に貧しい人達はマハディ軍は
自分達を守ってくれる存在だと感じています。
イラクの治安部隊や米軍よりも自分達を
爆弾テロから守ってくれるのではないかと考えています。
この戦争において爆弾テロの発生には明らかにサイクルがあります。
爆弾テロが急増、頻発する期間が一、二週間あり、
その後沈静化し、また増えるというサイクルです。
これまでの掃討作戦でも爆弾テロを抑えられたものはありません。
イラク議会選挙の時でさえ、バグダッドは24時間自動車の通行が禁じられ、
兵士が至る所に立っていたにもかかわらず、多くの爆発事件が起きました。
爆弾テロは戦争を通じてスンニ派武装勢力が得意としたきた戦術であり、
現時点ではそれを止める手段はないように思えます。
米軍にとってこれは大きな課題であり、司令官も治安回復作戦を成功させるには
爆弾テロを何とかしなければならないと認めています。
サドル師派の幹部の中で、サドル師派やマハディ軍が
暗殺部隊を動かしていると認める人はいません。
私が今日話を聞いた人もマハディ軍は治安維持活動を行う、攻撃に対処する
のであり、人々に対して攻撃を仕掛けることはないと言っていました。
18日のような大規模テロに対して、シーア派民兵は行動を起こすのかと
私が繰り返し聞いた所、米軍とイラク軍の治安回復作戦に
もう少しだけチャンスを与えるつもりだと答えました。
しかし基本的に作戦は失敗したと思うとも答えました。
米軍の撤退期限の明示を要求している政治勢力は
少なくともシーア派ではサドル師派だけです。
私が話を聞いた多くの人は、
イラク軍が治安を担えるようになるまでは米軍の撤退は望まない。
撤退期限の明示も求めないと言っていました。
彼らは状況は大変複雑で今は内戦状態であることを認識しており、
流血を止める為、米軍の駐留継続を望んでいます。
また、シーア派とクルド人の指導層は、
米軍のプレゼンスに多くの利害がかかっています。
特にクルド人は現在トルコとの緊張が高まっていますからそうです。
またスンニ派穏健派は米軍のことを、
シーア派強硬派の武装勢力から守ってくれる防波堤だとみています。
スンニ派地区で話を聞くと、数年前は武装勢力を支持し、
米軍駐留反対の声をよく聞きましたが、
今ではシーア派民兵が入って来ないよう
スンニ派地区に米軍に居て欲しいという声をよく聞きます。