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http://www.asahi.com/international/update/0413/TKY200704130347.html
イラク議会テロ、アルカイダ系の犯行か
2007年04月13日20時39分
イラク国民議会の食堂内で起きた12日の自爆テロは、宗派を問わず政治家を狙う手口から国際テロ組織アルカイダ系の犯行の可能性が高い。その過激さから、アルカイダ系は地元のスンニ派武装勢力と対立。米国やイラク政府の工作もあり、武装勢力に「反アルカイダ連合」構想も出るなか、権力中枢への直接テロ戦術を強めているようだ。
自爆テロでは、少なくとも議員2人を含む8人が死亡した。イラク駐留米軍のコールドウェル少将は「アルカイダの手口だ」と語った。厳重な警備をかいくぐった犯行に、イラク治安当局は議員の護衛が何らかの方法で爆弾を持ち込み自爆した可能性が高いとみて、食堂従業員ら3人を拘束するなど、内通者をあぶりだそうとしている。
スンニ派のアブドラ議員は「(自爆犯が)議会に潜入できたということは、ほかの場所にも入れるということだ」と述べ、大統領や首相へのテロを懸念した。
2月下旬以降、アブドルマフディ副大統領(シーア派)、ザウバイ副首相(スンニ派)など要人を狙った爆弾テロが相次ぐ。周到な準備と内部浸透をうかがわせる。
「イラク・アルカイダ機構」などと名乗ってきたアルカイダ系は、昨年10月に西部アンバル州で「イラク・イスラム国」の独立を宣言。スンニ派イスラム国家の建設という目的を鮮明にした。
一方、反米・反シーア派では共闘してきた地元のスンニ派武装勢力の目標はあくまで「米軍の追放」で、両者の亀裂が次第に広がっている。
3月27日、スンニ派武装勢力「1920年革命旅団」の幹部が自爆テロを受け死亡した。この幹部はザウバイ副首相と同じ部族だった。同旅団はバグダッド北部のアルカイダ系の拠点を襲い、構成員約40人を拉致した。
同旅団の部隊司令官(43)は朝日新聞のイラク人助手に「アルカイダ系は自派以外をすべて敵視し、スンニ派市民も殺している。連中のやっていることは犯罪だ」と語った。さらに「預言者ムハンマドも状況を有利にするためには敵と交渉した」と述べ、米軍との極秘接触を認めた。それがアルカイダ系に漏れ、攻撃されたという。
米国のカリルザード前駐イラク大使は3月下旬「政治プロセスを拒否してきたスンニ派勢力と交渉している。和解は可能だ」と発言している。
米軍やイラク政府は、反アルカイダに転じた武装勢力や部族を取り込んでスンニ派の穏健化を狙っている。フセイン政権崩壊後に国外から入り込んで根を張ったアルカイダ系と分断する思惑だ。
外国人の拉致・殺害などを繰り返してきた武装勢力イラク・イスラム軍は5日の声明で「イラクのアルカイダよ、神を恐れよ。ビンラディン師は彼らの行動をただすべきだ」と、決別を宣言した。構成員30人がアルカイダに殺されたという。
13日付のアラブ圏紙アルハヤトは、1920年革命旅団やアンサール・アルスンナなどスンニ派武装勢力9団体が最近、イラク国外で会合を開き、反アルカイダ、反米闘争で協力することで一致したと伝えた。
「イラク・イスラム国」のバグダッド北部地区の司令官(45)は「われわれは占領軍、拒絶者(シーア派の蔑称(べっしょう))、背教者(自分たちと敵対するスンニ派)を追い出し、真のイスラム国家を建設する」と、徹底抗戦の姿勢を強調した。