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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu141.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国が、日本開国の明治以降、もっとも恐れるているのは、
日本と中国が、政治的・経済的に良好な関係になることです。
2007年4月12日 木曜日
◆国際戦略の魑魅魍魎 4月10日 ビジネス知識源
http://blog.mag2.com/m/log/0000048497/
■10.揺らぎ続けているドル基軸通貨体制
◎原油への関与以上の、米国の国益は、ドル基軸通貨体制です。世界が貿易通貨(もっとも信用ある通貨)として米ドルを認め続ける限りは、米国の$8000億/年の貿易赤字は、問題ではない。
原価ゼロで、米ドルを$8000億分、刷ればいいからです。しかし米ドルの紙幣(お金)を刷るわけではない。
米国の国債(国家の借用証)、企業の社債や株(企業の借用証)を、貿易黒字国が、赤字の分(年間100兆円)だけ、買い続けてくれればいい。それが、海外がもつ外貨準備です。
戦後60年も続いた米ドル基軸通貨体制も、米国の赤字の増加によって次第に、危うくなっています。
(注)こうした大きな動きの決着は、数年〜10年かかります。
ユーロの高騰、言い換えればユーロに対する米ドルの下落は、市場の意思です。通貨の下落は、為替市場で売られる金額が、買われる金額を超過するためです。
今の国際通貨では、
・ユーロ高騰(=世界のユーロ買い超過)、
・ドル下落(=世界のドル売り超過)と見なければならない。
(注)円は、ほぼドルと同じ動きをしていて、ユーロに対し、2000年以降、約50%も下落しています。同じ動きをする理由は、2003年度までは政府のドル買いのためであり、その後は、個人の投資信託を通じたドル債券買いです。ドル買いとは円売りです。
国債、債券、株を買うことは、マネーの提供です。発行した側がそのマネーを使います。預金は、銀行への資金提供です。銀行がそれを使います。
■11.突如起こった「従軍慰安婦問題」の淵源へ
◎「米国のイラク戦争は正当な根拠に基づくものではなかった」という久間防衛大臣の発言(06年2月2日)がありました。その後、米国議会は「日本軍の従軍慰安婦」に対する決議(06年2月26日)をします。
当初の安倍首相の対応は、米議会から非難を受けるような内容の従軍慰安婦問題はないということでした。(06年3月初旬)
しかし、安倍首相は急に姿勢を変え、「河野談話(1994年の村山内閣の時期)の、アジアへの謝罪に戻る」とします。米政府が議会と同じ姿勢だとわかったからです。
(注)米国は議会決議に対し、大統領が拒否権をもちます。議会の決議=米政府の政策ではない。ここが、日本の議員内閣制と異なる点です。大統領が、国民の選挙で選ばれるからです。わが国では総理大臣は議会が選びます。英国と同じです。
こうした、捩じれる問題の淵源をたどります。
◎米国には、伝統的に、日本と中国が密接な政治的関係になることを阻止するということが根底にあります。アジアで、日本を政治的に孤立させる策をとり続けていると判断していいのです。
▼小泉政権の姿勢
戦後の日本は軍事的、そして政治的には、米国の「自治領」に近い位置です。自治領とは、国家の域内自治権を認めつつも、軍事では自主防衛権を認めないということです。その現れが、駐留軍です。軍事的とは強制権力を意味し、政治的とは利害調整を意味します。
(注)こうした当然の議論に、歪みが加わるのがわが国の国家論です。脳の構造からか、タブーを含む感情で議論してしまう国民性をもっているからです。
小泉政権は、ブッシュ政権と個人的な盟友関係を築いていました。経済面では米ドルを政府のドル買いで支え、軍事面では自衛隊をイラクに派遣しています。
◎彼が、諸外国に対し政治的な狙いを表現する行動として行ったのが「靖国神社への公式参拝」です。
靖国参拝は、米国と中国に向けたものです。米国と中国政府に対し、「中国とは国際政治の面で協調路線や強い提携関係」をとらないということの小泉流の表現です。
小泉首相が言った「純粋な心」という言葉ではなく、行動とその効果を見なければならない。国内、国際政治を実行する政治家が、純真であるわけはない。
なぜ小泉首相が、中国に向け、靖国参拝を行ったのか?
◎中国政府の反発を引き起こし、米国への忠誠を表現するためです。
■12.日本と中国の強い提携を、米国は許さない
米国が、日本開国の明治以降、もっとも恐れるているのは、日本と中国が、政治的・経済的に良好な関係になることです。
◎技術をもつ日本と、13億人の労働力をもつ中国が深く連携すれば、米国は、世界の盟主たる地位を堕ちることになるからです。兵器の面でも、日本のセンサー技術とIT部品が、米国の兵器の精度と性能を支えています。
(注)わが国外務省には二派があります。ひとつは親米派であり、もうひとつはチャイナスクールを形成している親中派です。議員もおよそこの二派に分かれます。
【太平洋戦争】
太平洋戦争は、日本が中国を侵略し、領土にしようという狙いを持っていたために、起こったものです。英米にとっては、世界の経済力を逆転させる狙いをもっていた日本が許せなかった。
【田中角栄のスキャンダル暴露】
田中角栄が、ロッキード社からの5億円の賄賂(米国議会でのコーチャン証言)を暴露され失脚した原因も、通産大臣時代の日米繊維交渉を始め、米国政府の国益に反する政治行動が多かったためでしょう。田中角栄が、米国の承認を経ずに行った日中国交回復(1972年)を、米国は根にもっていた。
▼靖国神社参拝は反中国
◎日本と中国の接近を米国がもっとも嫌うことを、田中角栄の失脚から良く知っている小泉首相は、反中国の姿勢を、身振りの言語で表現するために、靖国神社参拝を頑固に実行しました。
▼対米経済支援
加えて、小泉内閣は米ドル基軸通貨体制を守るため、1年40兆円(2003年)という限界的な金額の、政府(財務省の外国為替会計)によるドル買いを行っています。
これは、年間20兆円(ノーベル賞経済学者スティグリッツの試算)かかっているイラク戦費の総合額への、間接的な資金供与でもありました。
戦費の総合額は、13万人の派兵と装備・武器でかかる直接費に、治療費、死亡補償金、厚生手当て、年金(恩給)を全部含むものです。戦争は、経済面では、雇用と需要の喚起策でもあります。歴史を見れば、戦費は、常に、国債の増発によって調達されています。
◎通常の税は、政府会計と社会福祉で使ってしまっているからです。戦争目的で、増税はできない。そのため、税の繰り延べでもある国債を発行します。その戦費の過半を貸付金として(=ドル債券買いとして)出したのが、小泉内閣(竹中大臣)です。
■13.米国の公共事業が戦争
◎失業者を兵士として雇い、軍需関連産業の需要を増やして、兵器産業に生産を与えます。米国GDPで、自動車を超えるもっとも大きな産業は軍需と兵器産業であり、総額は70兆円〜80兆円といわれます。
そのうち1年で20兆円は、スティグリッツの試算のようにイラク関連でしょう。米国は日本に比べ公共事業は少ないのですが、軍事費が突出しています。政府予算で出てくる軍事費(名目は防衛費)は約50兆円ですが、実際はその40%は多いでしょう。
70兆円として、米国人の雇用の1000万人分です。戦争と軍事費を減らせば、この雇用が失われ、失業が溢れます。日本の公共事業削減と同じです。民間から募りイラクに派遣された兵士は多くが有色人種です。米国への永住権を与えるという特典もつけています。戦争は、経済の需要を増やすものでもあります。
(注)軍隊をタブー視して忌避する日本では、こうした論は「無謀」に見えますが、これは、世界の多数の国での現実です。
■14.軍需産業には敵が必要
◎軍需産業と巨額の軍事予算の正当化のためには、敵が必要です。冷戦下では、ソ連でした。冷戦後は、ソ連が消えます。つまり軍需産業の目的が消えた。
軍事費も、税金を使います。民主国で税金を使うには、支出が国民のために正当であることを示さねばならない。予算は、議会が承認します。承認には、危害をもたらす「敵」の存在が必要です。9.11の後、米国は、米国に危害を与える「対テロ20年戦争」を宣言しています。
巨額軍事費を維持し、増やすには、時折、危機やテロが起こって、自国の安全が脅かされているという意識を国民がもっていなければならない。そうでなければ、予算案が国会を通らない。民主国である米国が、CIAの諜報活動をを含み、いつも陰謀的なことにからむ理由がこれです。
◎世論と議会の承認が必要な民主国だからこそ、軍事費の支出を正当化するには、陰謀が必要になる。兵器産業はこれに絡みます。兵器産業の売上は、政府予算と兵器輸出しかない。
軍事では公式発言と実際が、常に異なる理由がこれです。軍事機密とされれば、それ以上の追求は、国会でもできない。予算の使途が、追求できない。
(私のコメント)
日本、中国、アメリカという三カ国において、参加国のどれもが恐れている事は二カ国が連携して残る一カ国を潰す動きだ。太平洋戦争はアメリカと中国が連携して日本を潰しに来た。冷戦時は日本とアメリカとが連携して中国と対峙したが、中国は白旗を掲げて対ソ連と対抗する名目で米中は連携した。
時の田中首相はすかさず中国との国交回復で米中の連携に対応した。日本の外交戦略としては、対アメリカと対中国とのバランスを常に考えておかないと、米中が連携された場合非常に厳しい状況に置かれる。逆に米中が対立状況になった場合は日本は日米安保がある限りアメリカと連携して中国に対抗しなければならない。
90年代のクリントンの対中国外交と2000年からのブッシュの対中国外交は180度異なるから小泉首相は靖国神社参拝でアメリカに対して忠誠を示した。それに対して安倍首相は靖国参拝を棚上げして中国との関係の修復を進めた。このような日中の接近はアメリカにとってはイラクで泥沼に嵌っている状況では好ましくない。だから最近になってアメリカから従軍慰安婦問題を煽って日中を揺さぶりに来た。
中国にとっては経済発展を続けるには日本とアメリカの経済援助は必要だ。アメリカにとっても日本と中国との経済的な支えは必要であり、日米中の三国は問題が無い。しかし中国の経済発展は軍事増強に繋がっているから、日中が接近しすぎる事はアメリカが警戒をする。
中国の国益から考えれば靖国などの歴史カードを使うことはマイナスだ。反日デモで日本からの資本や技術の導入が少なくなってしまうからだ。江沢民時代の靖国参拝反対は、中国が仕掛けたというよりも裏でアメリカが仕掛けていると見ている。胡錦濤は微笑外交で日米との関係を保ちつつ、歴史カードは奥に引っ込めた。
私は従軍慰安婦問題がアメリカで大きくなり始めたときに、中国が裏で仕掛けたと分析したが、アメリカの国務省が裏で仕掛けていることが分かった。それで安倍総理も河野談話を継承する路線に切り替えた。しかしこれはアメリカにとっては危険な賭けであり、従軍慰安婦問題や南京大虐殺問題が日米間の問題になれば喜ぶのは中国だ。
歴史カードは日中間を引き裂く有効な道具でしたが、日米間でも歴史カードが問題になる事は日米にとってはマイナスだ。胡錦濤は江沢民よりかは計算のできる人物だから、日本を中国に引き寄せて、アメリカ国内で反日感情を盛り上げて日米の分断を図っているのかもしれない。
温家宝首相が日本を訪問していますが、猜疑心の強いアメリカにとっては面白くないことだろう。日本のハイテク技術と中国の軍事力が結びつけばアメリカを脅かす存在になる。胡錦濤は一見ソフトムードで融和的な態度で世界各国と友好関係を築いている。反対にブッシュはイラク問題などで世界を敵に回して孤立してしまった。
アメリカのイラク攻撃は景気対策であると同時にドルの基軸通貨体制を守る為のものでしたが、結果的に逆になりそうだ。戦争は財政赤字の山を作り、ドルが基軸通貨でなくなればアメリカはハイパーインフレになる。日本に対しても歴史カードを突きつけて、北朝鮮とは全面譲歩で、最近のアメリカ外交は支離滅裂だ。
このような状況ではドルは弱くなりユーロが値上がりをする一方だ。このような状況で日本と中国が連携してドル売りに走ったらどうなるだろうか? アメリカにとっては日本と中国とが連携されることが一番恐い。このように冷戦時代やアメリカの一極覇権時代とは異なり、多極化時代の外交は合従連衡が激しくなり、日本もアメリカ一辺倒ではやっていけなくなる。
「株式日記」はアメリカに対しても中国に対しても距離をおき批判的なことを書いている。しかし日本国内は親米反中か親中反米のどちらかに分かれてしまっている。多極化時代には全方位外交で変幻自在な外交戦略が求められるが、親米一辺倒でやってきた日本外交は多極化時代に適応できるのだろうか?
◆全方位外交のアジア 4月10日 田中 宇
http://tanakanews.com/070410asia.htm
▼日豪安保はチェイニーの寝技
日本は3月にオーストラリアと安全保障協定を結んだ。これは「日米豪で中国包囲網を作る」という戦略の一環であると報じられているが、これも深く分析していくと、違う側面が見えてくる。日豪安保協定を提案したのはアメリカのチェイニー副大統領で、彼は2月下旬に日豪を訪問し、両国の指導者をたきつけて安保協定の締結へと誘導した。(関連記事その1、その2)
日本は戦後一貫して、アメリカ以外の国と安保協定(もしくは戦略的関係)を締結することを拒み、対米従属関係を絶対視してきた。1970年代以来、自国の潜在的な衰退傾向を感じる米中枢の人々は、日本を対米従属絶対視から脱する方向に誘導しようとしたが、日本側は一貫して消極姿勢だった。
こうした経緯を踏まえて考えると、日豪協定を誘導したチェイニーは、日本を何とか対米従属絶対視の状況から脱出させようとして「中国包囲網を強化するため、日本はオーストラリアと安保協定を結んだ方が良い」と提案したのではないかと思えてくる。チェイニーは「隠れ多極主義者」だから、こうした寝技をしても不思議はない。アメリカの同盟国であるオーストラリアとなら、日本政府内の対米従属派も、安保協定の締結に強い抵抗ができない。
日豪安保協定は、日本を、アジアで最も全方位外交から遠い「対米従属絶対視」の従来状況から離脱させるきっかけとなるかもしれない。今週、温家宝首相が訪日した後、日中関係がどう動くかが重要になってくる。中国との関係が改善されれば、その後はいずれ、北方領土問題などロシアとの関係も改善方向に動き出す。北方領土、首相の靖国参拝、拉致問題などはいずれも、日本を対米従属絶対視の状況にとどめておく「外交防波堤」として、日本政府が国内世論を扇動し、維持してきた問題だからである。(関連記事)