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□諜報機関の権力 [欧日協会]
http://www.ohnichi.de/Toki/toki143.htm
諜報機関の権力
≪ペーター=ショル・ラトゥア インタビュー≫
問: 放射性物質ポロニウムを使い元KGB工作員が殺されるという事件が起きましたが、諜報機関のテロが新たな次元に入ったということですか?
答: 反政府的な元KGB工作員リトゥヴィネンコ殺人事件はマスコミの話題をさらったミステリーな事件で、誰がリトゥヴィネンコを殺したのかは全く不明で、また殺人犯もヨーロッパを横断してポロニウムを運び、自分自身も生命の危険に陥るという不可思議な事件です。 現今、10000ユーロも出せば痕跡を残さぬような職業的キラーを雇えるのに、何故こうした手間ひまのかかる殺人をしたのでしょう?
問: ということはロシアの諜報機関FSB (KGBの後継機関)がやったのではないのですか?
答: FSBはロシアにおいて巨大な役割を果たし、いたる所に網を張り、軍が衰退して以来、ロシアにおいて唯一効果的に機能している国家機関です。また旧KGB長官として至る所に人脈を掌握しているプーチン大統領の最大の支配手段でもあります。しかし、プーチンが訪独の前日にリトゥヴィネンコ殺人を指令したとは考えられません。
問: 諜報機関の権力はどのくらい大きなものですか?
答: 巨大です。諜報機関は国政の最も重要な機関の一つになっており、権力者にとり不可欠な組織です。以前は事情が全く異なり、コールやドゴールは諜報機関を重視していませんでした。
問: 世界で一番強大な諜報機関はどれですか?
答: アメリカのCIA及びその下部組織で、至る所に、あらゆる形で入り込んでいます。非政府系組織にも、救援団体にも浸透し、アメリカの陸海空軍はそれぞれ独自の諜報機関をもち、互いに争いあっています。
問: 東西の諜報機関ではやり方が異なりますか?
答: ほとんど違いはなく、多数の同盟諸国で特に組織からの離脱者(他組織への裏切り者)は抹消されています。だが、ドイツの諜報機関(BND)はこうした措置をとっていません。そうした事件が国会(連邦議会)で追求されるリスクを誰もとりたがらないからです。ドイツの工作員は(活動を非常に限定している)法律の枠内で仕事をしています。そう考えると、ドイツの諜報機関は驚くほどの成果を上げていると言えます。
問: アメリカの諜報機関がドイツの全電話網の盗聴を行い、コンピューターサポートで「疑わしい」通話内容をチェックしているというのは本当ですか?
答: 本当です。誰もが盗聴の危険にさらされています。それゆえ、「大規模盗聴攻勢」(Groser Lauschangriff)の導入などというおしゃべりはナンセンスで、アメリカ諜報機関はいつでも盗聴出来る体制にあったし、また現在の衛星技術を使えば、他の諜報機関も盗聴が出来、しかも(被害者は)そのことを立証出来ません。
問: 盗聴を避ける手段はありますか?
答: ありません。公の場で言わないことは電話でも言わないことです。特に諜報機関が聞きたがっているようなことは注意すべきです。私の所にイラン放送局から電話がかかり、情勢判断についてのコメントを求めたとします。その場合、貴誌に対するのと同様にフランクに話しをしますが、イラン放送局には少なくとも5つの諜報機関が盗聴していることを理解して欲しいと言っておきます。
問: 不気味な感じがしますが…
答: 理論的にはどこでも盗聴が可能です。ですから諜報機関の工作員は多数の人がいるレストランや、かなり騒々しい場所で密会しています。
問: 貴方に極度な機密情報を伝えたいという情報提供者とはどんな所でお会いになるのですか?
答: ホテルでは自分の部屋ではなく、廊下や中庭で会います。
問: スパイ映画で、ゴーリキ公園を舞台に情報交換が行われるような感じですか?
答: 多少はそんな感じです。
問: 諜報機関がそれほど優秀なら、なぜビンラーデンも含めたテロ組織を捕縛できないのですか?
答: 明瞭に(能力の)限界があるようで、ケネディー事件のような多数の事件が依然として解明されていません。私はリトゥヴィネンコ事件は、ロシアの女性ジャーナリスト・ポリトコフスカヤ事件同様に、本当に解決されることはないと思います。
諜報機関は万能ではなく、このことは何となく人を安心させる要素です。
(《TV Ho¨ren + Sehen》2/2007)
はろう2007年2月号より