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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070331i312.htm
【テヘラン=渡辺覚】イラン・イラク領海の境界付近でイラン当局が英兵15人を拘束した事件で、イラン国営通信は31日、拘束中の15人に対する訴追手続きが始まったと報じた。
イラン側は「領海侵犯」に対する謝罪要求に応じない英政府の対応に態度を硬化させ、テヘラン市内では英国を非難する国民の声が高まっている。
訴追の動きは、駐露イラン大使が露テレビに語ったとして伝えられた。大使は「英兵に関する法手続きは開始された。容疑が立証されれば処罰されるだろう」と述べ、外交交渉による早期解放の可能性が遠のき、英兵をイラン法廷で断罪する可能性を示唆した。
これに対して、英外務省報道官は31日、確認がとれないとした上で、英兵の即時解放を求める姿勢は変わらないとの立場を強調した。
一方、相次ぎ公開されたビデオ映像で英兵が領海侵犯を「告白」したことに触発され、国民の間でも英国に対する抗議の動きが広がっている。
ファルス通信によると、3月30日夕にサッカーの試合が行われた首都の競技場では、観衆約6万人が「英国と国交を断絶せよ」などとスローガンを連呼。テヘラン大学でも同日、礼拝を終えた数千人が、「英国に死を」「英国の侵入を糾弾する」と叫び、市中心部をデモ行進した。
テヘランの英国大使館前は、警察の厳戒態勢が敷かれ、これまでのところデモや集会は阻止されている。
(2007年3月31日21時33分 読売新聞)