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□エジプトで憲法改正の国民投票、きわめて低い投票率 [News from the Middle East]
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/news_j.html
エジプトで憲法改正の国民投票、きわめて低い投票率
2007年03月27日付 Al-Nahar紙
■ エジプト憲法改正の国民投票、きわめて低い投票率
2007年03月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【カイロ:ジャマール・ファフミー】
現代エジプト史において稀に見る激しい政治的対立の様相のなかで昨日、ホスニー・ムバーラク大統領が憲法34ヶ条の改正案承認のために呼びかけた「早急な」国民投票が実施された。改正案は与党国民党が先週人民議会において通過させており、野党議員104人は審議を欠席するとともに、諸々の政治勢力や政党、労働組合、市民団体、人権団体、知識人および学界人からなる広範な連合体に加わり、一致団結して憲法改正案に反対し、国民に対して投票のボイコットを呼びかけていた。
反対勢力は3600万人以上におよぶ有権者に投票のボイコットを呼びかけた活発な努力のゆえだとは主張していないものの、国内各地に設けられた35,000ヶ所の投票所は昨日、殆ど無人の状態だった。人権団体に属する監視活動員数百人や報道記者数十人の報告が一致するところによれば投票参加率は異例の低さを記録し、およそ2〜5%であったという。
ムバーラク大統領は日曜日、国営テレビを通じて国民に投票への参加を呼びかけ、「(国民投票は)祖国の将来を占うものであり、その結果は今後数十年にわたる祖国の歩みに反映することになるだろう」と述べた。またムスリム同胞団や政府の許可を得ていない政党について、「(憲法改正は)宗教を商売の道具にしたり、合法性から逸脱した政治活動を行ったりすることを阻止するものである」と繰り返して述べた。またムバーラク大統領は、反対勢力の怒りをかきたてた今回の改正案は「エジプトをテロから守ること」を目指すものであると強調した。
与党の有力幹部らは投票率が「低かった」ことを認めざるを得なかったが、それが人権団体の発表したような低い数字ではなかったと述べた。アナス・アル=ファキー情報相は投票箱の締め切りの後、選挙管理高等委員会が得た初期の統計によれば投票率はおよそ24〜27%であると述べた。
与党は国民を投票に向かわせるため国家機関を利用し、特に政府職員や大実業家の所有する企業や工場の社員や労働者を動員して政府所有の車両で投票所へ輸送して、人々が投票所へ押しかけているような雰囲気を作り出そうと試みたが、国民投票に多数の人々が参加している印象を与えることはできなかった。
いっぽう反対勢力は、公表する投票率に関しても投票の結果そのものに関しても、政府が捏造を行っているとの談話を相次いで発表した。
エジプト政府は、憲法改正案を通じて「警察国家の支柱を確立すること」を目論んでいるという反対勢力からの批判に対して、あたかもさらなる証拠を差し出すかのような行動をとった。平服を着た数千人の警察官や騒擾対策部隊員がカイロその他の大都市の道路や広場に展開し、憲法改正や国民投票に反対するデモの実施を阻止する動きに出たのである。それにもかかわらずカイロや各県の大学では抗議デモが行われ、キファーヤ運動の活動家数十人が24時間にわたって記者組合のホールで座り込みを行った。参加者たちは治安部隊による厳重な包囲にも耐え、ムバーラク体制打倒を叫び、「誤りだ、誤りだ…憲法改正は誤りだ…大統領世襲は誤りだ…ガマール・ムバーラクは誤りだ」というスローガンを繰り返した。これは反対勢力が、ムバーラク大統領は子息のガマール氏に権力を世襲する計画を容易にするようなかたちで憲法改正案を策定したと非難していることを指している。
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(翻訳者:森晋太郎)
(記事ID:10509)