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辛口時評070328
欺瞞に満ちた奴隷貿易廃止200周年記念式典で英女王に黒人男性が抗議
今年は偶々、イギリスの1807年の奴隷貿易廃止法の制定から200周年。奴隷貿易廃止までの数世紀の奴隷貿易の歴史を不問に付す記念式典の欺瞞には、大いに疑義あり。
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http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070328i101.htm
英女王に黒人男性が抗議、奴隷貿易廃止式典が一時中断
写真説明:英ウェストミンスター寺院で、警備員に排除される男性(手前中央)。後方右端に着席しているのがエリザベス女王=ロイター
【ロンドン=森千春】英国の奴隷貿易廃止200周年を記念する式典が27日、エリザベス女王とブレア首相ら閣僚が参列してロンドンのウェストミンスター寺院で行われ、記念行事に不満を持つ黒人男性(39)の抗議行動で式典が中断する一幕があった。
男性はロンドンに拠点を置く人権団体の活動家で、式典の途中、祭壇前に駆け寄り、キリスト教聖職者に向かって「(式典は)我々にとって侮辱だ」と叫び、女王と首相に奴隷貿易について謝罪するよう求めた。式典には正規の入場券で参加していたという。男性が警備員に排除されるまで、女王から数メートルの距離で抗議の声をあげる様子がテレビニュースで放映された。
この日の式典は1807年の奴隷貿易廃止法の制定にちなんだもの。黒人系団体の間では、一連の200周年記念行事について、白人の功績に焦点をあて奴隷制に反抗した黒人の役割を軽視しているとの不満が強い。また、王室に対しても、16世紀以降、奴隷貿易を庇護したとの反発がある。
(2007年3月28日10時22分読売新聞)
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「小銃一挺に奴隷一人」と言われたイギリス・アフリカ・アメリカの大西洋の三角貿易の歴史に関しては、近く発行する拙著、『アフリカ大陸史を読み直す(全2巻)』、特にその第2巻 「火砲」の戦国史で、詳しく論じた。
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http://www.jca.apc.org/~altmedka/hanbai-afric.html
『アフリカ大陸史を読み直す(全2巻)』
発行準備中(2007年5月 社会評論社より発行予定)
第1巻 古代文明の母 予価 2600円
第2巻 「火砲」の戦国史 予価 2300円予約受付中
(木村書店での)事前予約 全2巻 3900円(送料無料・税無)
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当時の会社というものは、すべて特許会社であって、公式権力の保護下にあった。奴隷貿易も、同様であった。
《スチュワート朝の経済政策に従って、奴隷貿易は独占会社・王立アフリカ貿易商組合に委託された。組合は、一六六三年に設立され、特許期間は一、〇〇〇年だった》(了)(『資本主義と奴隷制』四〇頁)
「特許期間は一、〇〇〇年」、つまり、当時のイギリス人は、千年間ほども同じ商売を続ける気だったらしい。ただし、この組合はうまくいかず、「一六七二年に新会社、王立アフリカ会社が設立された(同書四一頁)。
王家の名によって設立された会社である以上、公式の国家事業である。「ヨーロッパの奴隷商人」という個人的な表現は、いまさらいうまでもなく誤りである。「ヨーロッパの奴隷貿易諸国」というべきである。奴隷貿易は決して一部の悪徳商人の所業ではなかった。
[後略]
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