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4月7日、WFPが製作に関して支援を行った「ブラッド・ダイヤモンド」が公開されます。内戦下のアフリカはシエラレオネで、反政府軍に息子を拉致されたダイヤ採掘労働者の父親・ダイヤの密輸業者・アメリカ人女性ジャーナリストの3人がそれぞれの望みをかけ、極限状況の中で共に闘うというストーリーです。一つの大粒のピンクダイヤを巡り3人の思惑が交錯しながらストーリーが進行します。
○紛争ダイヤモンド○
ダイヤはアフリカ大陸に埋蔵される貴重な鉱物資源のひとつです。そのダイヤがシエラレオネなどの国では反政府軍の資金源として武器の調達などに用いられ、紛争を長引かせてきました。このようなダイヤは「紛争ダイヤモンド」と呼ばれます。
密輸業者によって欧米に持ち込まれたダイヤは、市場に出回ってしまえばどこから来たダイヤかわからなくなり、日本などでファッションとして消費されます。争いを生むのは飢餓や貧困であり、それを続けさせるのが富の象徴とも言えるダイヤモンドであると考えるならば、皮肉といわざるをえないかもしれません。
○キャスト&監督○
監督は社会問題を取り上げることに定評があり、「ラストサムライ」なども手がけたエドワード・ズウィック。そしてダイヤの密輸業者をレオナルド・ディカプリオが演じます。ディカプリオはこの「ブラッド・ダイヤモンド」でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、俳優としての新たな境地を拓きました。また、息子を奪われた父親役を好演したジャイモン・フンスーもアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。
○WFPとブラッドダイヤモンド○
この映画の舞台は90年代のシエラレオネに設定されています。WFPはこれまで実際にシエラレオネの難民キャンプなどで食糧援助を行ってきました。当時のキャンプの様子を忠実に再現したいという監督の熱意にこたえ、WFPは、食糧輸送に使うヘリコプターやトラック、食糧倉庫、そしてダイヤ採掘現場などの写真を提供。それらを元に完成したセットのリアルさには、日々難民キャンプなどの現場で働いているWFP現地職員からも感嘆の声が寄せられました。
写真を提供したWFP職員の一人が、映画の舞台となっている90年代の西アフリカで地域事務所長を務めたポール・アレス氏です。アレス氏は1996年と 99年に、西アフリカの国、リベリアで二度も拉致され、銃を頭に突きつけられました。二度目の拉致は、薬物を摂取させられて殺人の道具に育て上げられた少年たちであり、ここでアレス氏は、自分の親族をも残虐に殺す子どもを目の当たりにしました。また、難民キャンプでは、兵士に手を切り落とされた人々を見て戦争の本当の恐ろしさを知ったといいます。
○シエラレオネの状況○
映画の舞台となったシエラレオネでは、現在紛争は終結しているものの、残された傷跡は深く、ダイヤなど豊富な資源があるにもかかわらず今も厳しい貧困にあえでいます。WFPはこの映画を通じ、アフリカの紛争や貧困に対する人々の関心が高まることを期待すると同時に、紛争や貧困、飢餓に苦しむ世界中の人々を支えるため、これからも食糧援助活動を続けていきます。