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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu140.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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若いひとを中心に、日本国民のなかに日米の同盟関係に疑問も
出ている。アジアへの対応を誤らないでほしい。(青山繁治)
2007年3月25日 日曜日
クラーク元NATO軍司令官と青山氏との議論
◆下の写真は 3月24日 青山繁晴
http://blog.goo.ne.jp/shiaoyama_july
…ドーハで、アメリカ大統領候補だったクラーク元NATO軍司令官(陸軍の退役大将)とぼくが、フリートーキングで長時間、議論しているところです。
テーマは、イランに対するイスラエル空軍あるいはアメリカ空海軍の爆撃があるかどうか、その可能性について。
クラーク将軍は驚くほどフランクに、ぼくがのけぞるような、びっくり内緒証言をしてくれました。
写真はまさしく、ぼくがクラーク将軍の言葉に、のけぞっている一瞬のようです。
「ほら、ほんとうは、通説と違って、こうなんだよ」と将軍。
「ふえー、ほんとですか。ぼく自身も勘違いしていましたよ」と、ぼく。
という、感じですね。
クラークさんは、いまも軍部に影響力をもつ大物ながら、アメリカ民主党を支えているひとりです。
ドーハの国際戦略会議では、メイン・セッションで議長役を務めていました。会議の表の主役のひとりでもありました。
ドーハからの生中継中の青山氏
◆深く淡く生きる 3月20日 青山繁晴
▼カタールの首都ドーハに入って3日目の2007年3月19日月曜の朝、1時間半しか寝ていない眠気を、朝風呂でどうにか飛ばして、アメリカ政府高官との朝食ミーティングへ。
独立総合研究所(独研)の主任研究員Jと、秘書室長Sが同席。
この季節のドーハは、ベストシーズンで朝は爽やかだ。
その気持ちのいい空気のなかで、ぼくとの再会をこころから喜んでくれているアメリカ政府高官に、ちょっと気の毒ではあったけど、「同盟国アメリカは、北朝鮮にすり寄って、日本を裏切るのか」と、真っ直ぐに聞いた。
「北への金融制裁で封鎖した違法資金の全部を、北の独裁者に渡すと、ヒル国務次官補が言明した。これはショッキングなニュースだ。同胞を、その独裁者に誘拐・拉致されている日本国民にとっては、受け入れがたいアメリカの変化だ」とも告げた。
するとアメリカ政府高官は「青山さんに同意する。同感だ」とストレートに答え、「ヒルはどうかしている。ヒルを含む国務省全体が、どうかしている」と国務省主導で北朝鮮との妥協が進んでいることを正面から内部批判して、「クレイジーだ」とまで言い切った。
この話題が出るまで爽やかだった高官の表情は、みるみる曇って苦しげになり、「朝メシがまずくなるなぁ」とユーモラスな顔をつくって、ほかの話題に移りたそうだった。
それが分かりつつも、ぼくは心を鬼にして、「こんなことをするなら、アジアと世界にとってもたいせつな日米関係は間違いなくおかしくなる。安倍政権の官房長官らは、核廃棄の進展のためには金融制裁の全面解除は良いことだという公式ステイトメントを出しているが、こころある日本国民はそうは思っていない」と畳みかけた。
さらに北朝鮮について掘りさげて議論したあと、おたがいの家族の話題まで久しぶりにゆっくりと話して、高官と別れ、ぼくは関西テレビのクルーとドーハ市内のロケに出る。
出るまえに、何人かのアメリカ、中国などの外交関係者らとあいさつを交わした。
▼ロケは、市内のスーク(市場)が中心。
関テレの新人女性アナウンサーのYさんが一緒だ。たいへんに長身で、ハイヒールを履いて180センチぐらいかな?
Yさんがスークで、アバーヤ(ムスリムの女性が着る黒衣)を着てみるところも、楽しく撮った。とてもお似合いでした。
ドーハのスークは、乾いた明るさがあって、雰囲気がなんとも言えず、いい。
中東諸国のさまざまなスークを訪れたけど、想像以上に、お国によって個性がある。
ぼくらはあまり、中東をひとくくりで考えないほうがいいと思う。
いや、経験に基づいて、もっと正直に言えば、中東をひとくくりにしてしまう見方が、まさしく間違っている。それが、世界と中東がなかなか折り合えない、ひとつの原因だ。
ロケのあいだ、同行している独研のS秘書室長は、ぼくをアテンドする本来任務もこなしながら、ずっと、ひっきりなしに携帯電話で「関テレの伝送、中継ラインを確保する」という、本来の任務ではない、苦しい交渉を続けている。
わが社員ながら、見ていて、内心で頭が下がる思いだった。
それでもラチがあかないので、とうとう、国際会議場にいる独研の主任研究員Jも、各国の要人と会う本来任務を中断して、関テレのための交渉に加わる。
ロケはすこし早めに終えて、ホテルと国際会議場へ戻る。
ぼくは、インドのキーパーソンと極秘裏に会う。
インドの政策形成を担う、この人は「中国の核ミサイルはインドの主要都市に照準を合わせている。インドの核開発・核実験の目的は、この中国に対抗するためだ」と明言した。
ぼくは、その言い切りぶりに驚きながら「パキスタンへの対抗は、目的じゃないのか」と聞く。
「パキスタンは小国だ。それにアメリカにコントロールされている。どうでもよい。われわれの核は、中国に対抗するためにある」と再び、明言する。
ぼくは「中国の核ミサイルは、日本の主要都市にも照準を合わせている。中国とフェアに向かい合うために、またアジアにアンフェアな覇権が生まれないために、中国のひとびとにとっても幸福があるように、日本とインドの戦略的関係を構築することが必要だ」と語りかけ、彼は深く同意しつつ「日本にはこれまで、その視点が欠けていた。外務省の官僚に任せていては駄目だ。インドの外務省に任せていても、同じく駄目だ。官僚の行動と発想を超えて、インドと日本の新しい関係をつくろう」と語ってくれた。
彼に「日本がもし、北朝鮮と中国の核に対抗するために、核武装するとしたら、どう考えるか」と聞くと、彼は即座に、「核は平和をつくる。日本が北朝鮮や中国に侵されたくないなら、日本は核武装すべきだ」と答えた。
日本は、民衆を大量殺戮する核兵器を持たず、一方で、どこの核基地をも叩ける通常兵器を完備した国民軍を誕生させるべきだという、ぼくの持論はもちろん変わらない。
だけども、インドのキーパーソンから、こうした明瞭な意見を聴いたことは、フェアにみなさんに示しておきたい。
このキーパーソンは、ここまで明言してくれたのだから、具体的に誰であるか、誰と会ったかは、永遠に明かしません。
▼この頃になって、関西テレビの画像や音声の伝送、中継の手段が確保できていない問題が、奇跡的に、まさしくミラクルとして、急転、解決した。
独研の秘書室長Sと、主任研究員J、このふたりの献身と、豊かな人脈、タフな交渉力が奇跡を生み出した。
ぼくが独研の社長だから言っているのではありません。関テレのスタッフも含めて、誰もが認める公平な事実だと思う。
▼そのあと、アメリカの国防次官補代理に就任するジェームズ・クラッドさんと、関西テレビのカメラの前で、インタビュー収録を行った。
名前と顔を出してのインタビューだったが、ぼくは「若いひとを中心に、日本国民のなかに日米の同盟関係に疑問も出ている。アジアへの対応を誤らないでほしい」と強く訴えた。
このクラッドさんは、ペンタゴンの、いやアメリカ合衆国全体の、まさしく良心とも言うべきひとだ。
収録した関テレのスタッフたちは、ジャーナリストだから権力に対して常に批判的な立場に立つが、このクラッドさんの誠実な話しぶり、真摯な内容、柔らかで偉ぶらない人柄を絶賛していた。
クラッドさんは、ぼくのたいせつな、魂の友だちのひとり。だから嬉しかった。
▼そのあと、いったんホテルの部屋に戻って、仕事、仕事。
夜8時から、国際戦略会議のオープニング・レセショプションに出席。
カタール、イギリス、アメリカなどの要人と、うち解けて会話する。
そしてイラクの要人とも会った。
ぼくが「わたしもイラクへ行きました」と言うと、「ああ、そうですか」という感じだったのだが、いつ行ったかを何げなく言うと、彼は仰天し、「あの危険な時期に行ったのかぁ。信じられない」と目を見開いて、態度が一変した。
うん、確かに怖かったですよ、イラクは。地獄とは、地面の下にあるのではなく、地面の上のイラクにあると考えましたね。
そう思ったけど、もちろん口には出さなかった。
会場を回るにつれ、一緒にいる独研の主任研究員Jがどれほど努力を積み重ねて、各国の要人と独自の人脈を築いてきたかが、よく分かり、内心で、たいへんに喜ぶ。
ぼくは期待している人材には厳しい。徹底して、厳しい。期待していない人材には、ほとんど何も文句を言わない。
Jは、期待していたから、この世でぼくにいちばん叱られてきたひとだと思う。
その鍛錬が、こうやって目の前で成果を結ぶ。うーん、こりゃ、信じがたいほどうれしいよ。
長時間のレセプションのあと、いったん部屋へ戻ると、無意識のうちに30分ほど泥のように寝込む。
はっと目覚めて、深夜零時、大急ぎでホテルのロビーに行く。
首相補佐官(国家安全保障担当)の小池百合子さんが、ちょうど到着。
ロビーの隅で、明日の会議にどう臨むか、簡潔に打ち合わせをし、ぼくの願いを伝える。
日本で初めての国家安全保障担当の首相補佐官、そしてアラビア語も英語もできる女性、小池さん、いろいろな辛いこともあるようだし、批判や中傷も聞くが、世界が注目している。
明日の会議のような大舞台には、きっと強いひとだ。
それからぼくは再び部屋に戻り、こうやって、すさまじい眠気と闘いながら、仕事を続けている。
まもなく、また夜明けがめぐってくる。
ちょっと、ひとはだが恋しい。
◆深く淡く生きる 3月19日 青山繁晴
その最中に、カタールに駐在している、ある日本政府の関係者と会って、食事をともにする。
誠実なひとであったが、「雑務に圧迫されて、情報収集(インテリジェンス)は何もできていない」と言う。
「アル・ジャッジーラTVは、イスラーム過激派の影響下にある」とも言うので、その根拠を聞くと、実は情報は何もない。
ぼくは疲れてもいたし、人柄がよい相手だし、どうしようと思ったけど、心を励まして「インテリジェンスをやらないでは、日本国民に負託されて、この地にいる意味がない。雑務は理由にならない。同じような雑務を抱えつつ、ぼくも驚かせるほどのインテリジェンスを遂行しているひと(日本政府の関係者)が、この中東に複数いますよ。残り任期に、せめて、もう一度、新しい努力をされてはいかがですか」と問いかける。
そして「アル・ジャッジーラTVはむしろ商売上手なビジネス集団だ。反米的でアラブ民族主義に傾いた報道をすれば、視聴者が増えて儲かるのは当たり前であって、その報道ぶりだからイスラーム過激派に資金を提供しているとか、逆に資金をもらっているとか決めつけることはできない。社員のなかに、過激派のシンパなどが、そりゃいるかも知れないが、組織としてどうか、とは別の問題でしょう。組織としてのアル・ジャッジーラTVが過激派と関係を持つなんて、リスクの高すぎることをやるとは、具体的な根拠のない限りは、思えない」と話した。
食事は、まぁ、ずいぶんとマズイ、冷えきった味のイラン料理の店で、支払いだけは立派な金額だった。
インテリジェンスをやっているひとであれば、現地人の行く、おいしい店を必ず知っている。このひとは、この店すら「ほとんど来たことがない」とのことで、食事は現地の情報源と接触するのではなく、家族と一緒にいつも家庭で食べていたんだなぁということが、分かる。
そんな生き方も、ある。
だけど、生涯にまたとないかも知れない中東赴任の機会だし、なにより国民に負託されているのだから、家族との食事も大切にしつつ、現地のさまざまな立場のひとびとと交流し、情報を手にしてほしい。
人柄の良い人と書いたのは、もちろん社交辞令ではなく、ほんとうにそうだから、ぼくは惜しむ。リカバリーを、こころから期待している。
まだ会って2回目のぼくに意見されるのは、きっと不快な体験だろう。それを、どうか活かしてほしいな。
(私のコメント)
インテリジェンスの仕事は本人の能力とやる気があるかどうかで決まってしまう。青山氏と食事をした日本政府の関係者は外務省の官僚だろうが、能力とやる気が無ければ何の情報集まらない。これではいくらCIAのような情報機関を作っても機能しない。おそらく外務省と防衛庁の天下りの受け皿にしかならないだろう。
同じことはマスコミにもいえるのですが、最近のテレビの報道の能力とやる気のなさは誰もが感じている。多くの国民はテレビでしかニュースを見ないからテレビの影響力は大きいのですが、そのテレビに対する信用度は新聞と同じく落ちてきている。
テレビや新聞に代わる情報源としてネットの影響力が大きくなってきている。最近では新聞やテレビの記者もネットで取材をするようになっている。しかし外務省のような公の情報機関やマスコミも能力とやる気があればネット情報などは足元にも及ばない威力があるはずだ。
外務省は情報を集めたり発信したりするのが本来業務なのですが、従軍慰安婦問題でも分かるように駐米日本大使館は正しい情報をほとんど発信していない。外務省も役所に過ぎないから大過なく勤め上げれば出世していけるのだろう。そう言う人ほど雑務に追われてインテリジェンスが出来ないという。
青山繁晴氏は民間の独立系シンクタンクの所長ですが、寝る間も惜しんで世界を飛び回っている。まさに能力とやる気が無ければ勤まらない職業だ。情報を得る為には世界中のVIPたちとのコネクションが無ければなりませんが、まさに能力とやる気がないと作れない。情報を得る為には交換できる情報を持たないと相手から情報を引き出せない。
日本の政府機関や大手のマスコミなら金を使って情報収集できるのでしょうが、肝心のやる気が無いから機能していないのだろう。例えばイラク戦争にしても大使館員やマスコミの特派員は数えるほどしか居らずバクダッドの安全地帯から出る事はない。大国日本の情報収集はこれほどお粗末なのだ。
青山氏のブログでもドーハで行なわれた国際戦略会議で多くに人と情報交換をしたことが述べられていますが、6カ国協議の内幕やアメリカ政府部内の動向やイランに対してアメリカはどう出るかといった重要情報が述べられている。
特に問題なのは最近の日本とアメリカとの同盟関係の不信感が強まっている事に対する話だ。北朝鮮への金融制裁の解除やテロ支援国からの除外など最近のアメリカ外交はどうかしている。従軍慰安婦問題も日本に対する牽制活動だろう。はたしてアメリカの真意は何なのか?
「株式日記」でも私なりの情報分析で記事を書いていますが、世界のVIPたちと直接情報交換できる人にはとてもかなわない。しかしそのような事ができる人が日本には非常に少ない。
青山氏は新聞記者出身ですが夜討ち朝駆けの仕事は殺人的忙しさだ。それよりも三菱総研の時は10日間も家に帰れない忙しさになり、独立してからはそれよりも比較にならない忙しさだそうですが、それくらい情報の収集と分析には個人の能力とやる気と体力が必要だ。ところが今の若い人には三つとも無い。
青山氏のブログで、テレビ局の報道番組のドタキャンについて触れているが、テレビ局の世界情勢に対する緊張感のなさとセンスの無さにはあきれる。例えば北朝鮮とイランとは裏では繋がっている問題なのですが、はたして北朝鮮とアメリカとでどのような駆け引きが行なわれているのか国民も知りたがっているのにテレビ局はドタキャンした。
「株式日記」でも世界情勢の流れから見れば日本の核武装についても十分な国民的な合意が図られるべきだと思うのですが、テレビ局は憲法改正とか日本の核武装といった話題には触れたがらない。日米関係も対北朝鮮に対する政策でズレが生じ始めた。アメリカは核つきの北朝鮮を認めるようだが、日本にとっては外交的裏切り行為だ。
これはアメリカの国務省の暴走なのか、アメリカ政府部内でも最近のアメリカ外交に対する批判も出てきている。ドイツで行なわれた米朝二カ国会談は何らかの密約が有ったのだろうか? しかし6カ国協議では北朝鮮は会談を一方的のボイコットした。入金がされていないと言う事ですが、国務省と財務省との対立なのだろうか?
米財務省はマネーロンダリングに厳しく対処しようとしているのに、国務省は制裁を解除させようと焦っている。何らかの裏がありそうですが外交的な罠だったのだろうか? 日本としては北朝鮮の核を全廃させて拉致問題を解決しなければ国交回復はありえない。それに対して米国務省は核つきの北朝鮮に対して日本に金を出させる為に従軍慰安婦問題を裏で煽っているのだろうか?
それにしても日本人の情報分析力の無さと、偽情報などへの騙されやすさは国民的な体質なのだろうか? 大東亜戦争前の外交戦などもすぐに切れてしまって軍部に暴走させてしまった。情報戦の重要さを認識せず、何でも武力で解決できると思い込んだのだろう。ところがアメリカに対しては通用しなかった。だから自分より強い国に対しては情報戦は必要だ。