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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu140.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国への債権取立てのためには核武装は必要だ。もっと金を
貸せと言うのなら、日本は米国を保障占領しなければいけない
2007年3月23日 金曜日
◆お金の面から見ると分かりやすい国際関係 3月22日 日下公人
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/p/53/index.html
海外債権を持つと立場が弱くなる(前回のコラム参照)。次に、周辺にも味方がいなくなる。外交にとっては大変な損だ。そして、そのとき頼れるのは自分の武力だけである。だから国際化する国は必ず軍事大国になる。
なぜかというと、国際化して金を貸すということは、それだけ金がもうかったからであり、技術力や生産力など、いろいろなものがその国にある。それらの力を少しだけ取り立てのほうに回すのだから、その国は軍事大国になる。金も技術もやる気もある大国だから、わりと簡単に軍事大国になる。
その昔であれば、金が余ると海軍を強化した。英国の海軍が世界中の七つの海を回っていたが、それは債権の取り立て部隊だった。米国海軍が世界中を回るのも同じ。1隻で何兆円もかかるけれど、「減らせ」ということにはなかなかならない。
クリントン大統領のときにだいぶ減らしたが、やはり十何隻もの航空母艦がいまもあちこちに配備されている。それは取り立て部隊であり、言ってみれば根本はサラ金の取り立てと同じことだ。つまり、何兆円も金をかけても、ちゃんと見合うのだ。
国際化して金を貸す国は軍時大国化する。これは法則だと思う。軍事大国化への階段を上りたくない人は、横へ外れなければならない。その場合には、国際警察や国際裁判所を強くするというほうへ向かうことになる。つまり、国際社会を共同体として強いものに仕上げる。そうすると、単独で対処しなくて済む。それが国連である。
北朝鮮の問題で迷惑を被っているのは日本なのだが、単独で対応しないで国連決議を採ってから対応すると、格好がつく。そうすると仲間も増える。そういう道を日本は選ぶ。だから「日本はやたら国連が好きだね」と、かつて英国元首相のサッチャーに笑われた。「国連なんて、なんの頼りになるんだね」とサッチャーは笑っていた。
◆債務大国になった米国は国連がじゃま
債権国は、国連を好きになるか、軍事大国になるしかない。日本は軍事大国になりたくないから、国連を好きにならざるを得ない。
では、国連をもっとちゃんと強くする方法を真面目に考えなくてはいけない。日本では誰もそのことを真面目に考えずに、米国と仲良く一緒にやればいいと思っている。だが、米国は今、国連を好きなのか。50年前は好きだったが、今は好きではない。
50年前、米国は世界一の債権大国だった。自分で取り立てて歩くのは疲れるから、国連を使ってみんなで圧力をかけようとしていた。だが今は、米国は世界一の債務大国だから、国連はいらない。国連はじゃまで嫌いなのだ。国連から何とかして逃げようと米国は思っている。だから「米国と一緒になって国連で働こう」なんて、そんな話は通用しない。
国連大使を勤め上げてきた人と話をすると、建前は「国連を盛り立てて、日本と米国で世界をうまくやっていこう。そのためにわたしは働いてきた」という。だけど、力およばないところがあった。だから常任理事国になりたいのである。
どうやってなるかといったら「援助金をたくさん配れば大丈夫」だという。そんなことではダメだ。「あんた、自分で金を配るのが楽しいだけでしょう」とわたしは言いたい。
今、米国は国連離れを始めている。原因は正義でも人道でもない。自由でもない。民主主義でもない。金だ。
米国は金を借りている国になった。だから国連から離れたい。そういうふうに、お金の面から見ると、国際関係論というのは実にシンプルである。(後略)
◆債務国には軍隊を出すのが国際常識 3月8日 日下公人
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/p/52/index.html
(前略)
第二に、債務を踏み倒す国に対しては軍隊を出すのが国際常識である。国家対国家はそれぞれ主権を持っているから、軍事力に対してだけは言うことを聞く。本当に軍隊を出すか出さないかは別として、まずそれが常識である。
それでも債務国が債務を果たさなければ、軍隊が駐留することになる。「返すまでずっとそこいるぞ」と。実際、世界中でそうしたことが行われている。
ずっと金を借りている国では、やがてどこかの国の軍隊が軍事基地を持つことになる。日本も昔は米国から金を借りていたから、その名残で今も軍事基地がある。
本来なら、今は米国に金を貸しているのだから、「帰れ」と言えばいい。そして「ちゃんと返済するかどうか心配だ」といって、逆に日本が米国に軍隊を駐留させていいのだ。
そんなことは国際関係論のイロハの「イ」である。だが日本でそれを言っても、だれも賛同しない。ワシントンで言えば、「それはそうだ」と賛同してもらえる。
かつて日米貿易摩擦のころに、わたしはワシントンで米国人にこんな話をした。「米国は日本に国債を売りつけている。とめどもなく日本から借金をしている。やがて米国がその金を返さなくなったら、日本は取り立てるために、ホワイトハウスの横に日本の「債権取立回収機構」というビルを建てるだろう。そのビルの名前は“イエローハウス”になるだろう」と。
そんな話を聞いても、米国人は怒らなかった。ユーモアも通じたのだろうが、「理屈で言えばそうだ」と言って、笑っていた。
その“イエローハウス”が建ったとき、日本の軍隊が米国に駐留すると言うと、これは無用な制裁になるが、しかし、相手が米国ではなくもっと小さい国であれば、そういうことになるだろう。
◆債務国から「保障占領」という担保を取る
金を借りている国が「軍隊の駐留を認めない」と言えば、日本は自然に、もう金を貸さなくなる。返してくれるかどうか心配だから、当たり前のことだ。
すると相手国は困って、結局、「どうぞ駐留してください」となる。だから国際金融をやっていると、必ず軍事交流になってしまう。債務国は軍事基地を提供し、債権国は軍隊を海外派遣するようになる。これは当たり前のことで、世界では珍しくもなんともない。
もしそれを避けようとするならば、「保障占領」という前例がある。つまり担保を取る。例えば、第一次世界大戦が終わったとき、ドイツはフランスに対して弁償金を払う約束をした。しかし、ちゃんと払うかどうか分からない。そこでフランスは、ルール地方の工業地帯に軍隊を入れて占領した。
これは侵略でも占領でもない。担保に取っただけ。ドイツがちゃんと払えば、いずれ軍隊は引き上げると、フランスは約束した。これが保障占領という制度である。
だから米国がもっと金を貸せと言うのなら、日本は米国のどこかを保障占領しなければいけない。これは全然おかしくも何ともない。
日本の会社は世界各国で、担保も取らずに数千億円も投資して石油を掘ったり、プラントを造ったりして、没収された。日本人は大変お人よしだという例だが、そういう前例は枚挙にいとまがない。 (後略)
(私のコメント)
「株式日記」では日本の自主防衛と核武装を主張していますが、アメリカ様さまのポチ保守にとっては常識外れの論外と思っているようだ。アメリカは単独覇権主義を標榜して世界を支配するほどの強力な軍事力を持っている。しかしアメリカの国力にも陰りがさしてきており、何らかのきっかけでアメリカ経済は株式の暴落かドルの暴落でアメリカ経済は破綻するだろう。
日本はアメリカに対して民間も含めれば900兆円の金を貸していると思われます。アメリカはそれに対して85年のプラザ合意のように債務をドルの暴落で借金を減らすような事を繰り返す事でしょう。そんな事をすればインフレで経済は破綻するのですが、ドルは基軸通貨なので札を印刷するだけで済む。
本来ならば円建てで金を貸すべきなのですが、日本政府は弱腰なのでアメリカの言いなりにドルで金を貸している。将来的にはトイレットペーパーにもならない価値のドル札で借金を返済するつもりのようですが、ドルが基軸通貨である限りはそんな形で借金を踏み倒す事ができる。
だから世界の金持ちはドルからユーロへ資産を移し変えているのですが、日本政府はアメリカと心中するつもりのようだ。アメリカは毎年50兆円もの軍事予算を計上していますが、それだけの予算が組めるのも日本や中国や産油国からの借金だ。だからこれからは借金の取り立てには中国や産油国と手を組む必要があります。
しかしアメリカの借金の取り立てはそう簡単ではなく、へたに取り立てようとすれば戦争を仕掛けられかねない。そうさせないためには日本も核武装してアメリカの西海岸と東海岸の沖合いに核ミサイルを積んだ原子力潜水艦を配備する事が必要だ。そうしないとアメリカは借金を踏み倒すだろう。
中国が経常黒字大国になるにつれて軍事力を増強しているのは当然な事であり、日本が軍事費をGDPの1%という枠を嵌めているのは異常なのだ。軍事費が日下氏が言うように債権の取立ての必要経費と割り切れば日本は軍事力を増強する必要がある。ところが思いやり予算とかグワムへの移転費用3兆円とか泥棒に追い銭みたいな事ばかりしている。
もしアメリカがもっと金を貸せというのならば、グアム島やハワイにも自衛隊を駐留させるのが国際常識だそうだ。そしてアメリカが借金を踏み倒そうとしたら担保権を行使すればいい。日下氏の話ではアメリカ人に話しても笑っていたそうですが、日本がそんな事する訳が無いという意味もあったのだろう。
3月18日の株式日記でも書きましたが、アメリカの慢性的な経常赤字は日本や中国からの製品輸入ばかりでなく石油の輸入量が膨大だからだ。2003年現在でアメリカの輸入石油の割合は56%にもなる。景気のいい現在では60%を超えているだろう。さらに中国がモータリゼーションに入って石油爆食で石油の値段は暴騰中だ。
アメリカは毎年100兆円もの海外からの借金で生活している。こんな生活がいつまでも続けられるわけは無い。おまけにイラク戦争で毎月1兆円もの軍事費を使っている。ブッシュ大統領の話ではイラクの駐留は長期化するという。このようなサラ金生活になっているアメリカに金を貸すには金利を高くするか担保をとらないと金は貸せない。
アメリカの石油輸入割合のグラフ 2003年で56%輸入している
アメリカの時代はもうすぐ終わろうとしている。しばらくは過去の蓄積でやっていけるのでしょうが、アメリカの繁栄は19世紀半ばの巨大油田の発見からであり、その巨大油田は100年以上経って枯渇しようとしている。1960年代のアメリカはベトナム戦争を戦いながら人類を月に送るほどの国力があった。それはアメリカ国内石油の産出量のピークでもあったのだ。