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米軍の違法性を判断、誤爆による英兵死亡の審問で - 英国
【ロンドン/英国 17日 AFP】イラク戦争で、英兵1人が米軍の攻撃により死亡した問題を調査する英国のアンドルー・ウォーカー(Andrew Walker)検視官は16日、英国中南部の都市オックスフォード(Oxford)で行われた審問で、事件が、米軍による武力紛争に関わる国際法への侵害によって引き起こされ、犯罪性が認められると、米軍に対して非難する判断を下した。
この問題は、2003年3月28日にイラク南部のバスラ(Basra)近郊で、明確な友軍表示を掲げていた英軍の車列を、米軍攻撃機があやまって攻撃し、マティー・ハル(Matty Hull)伍長代理(当時25歳)が死亡したもの。
ウォーカー検視官は、ハル伍長代理が、米軍によって、違法に殺害されたと結論付け、さらにその後、米国防総省に対し調査に協力しなかったことを批判した。
ハル伍長代理の妻スーザン(Susan)さんは、この判断に安堵感を示しながらも、米国政府がイラクでの最大の同盟国の求めに応じず、正確な状況の説明責任を果たしてこなかったことを責め立てた。
一方、米国防総省は、ハル伍長代理の死が「悲惨な事故」だったとの主張を繰り返し、関係する全ての情報は英国政府に提供したとしている。
審問で示された判断で、ウォーカー検視官はハル伍長代理の死について、避けることが可能であり過失致死に等しいと述べた。
「車列に発砲する法的根拠は何もない。これは攻撃に当たる。この行為の合法性を示す根拠が存在しないので、これは不法に当たる。その観点から捉えると、これは犯罪だ」と同検視官は付け加えた。
スーザンさんは、15日の会見でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領を非難し、米国当局の検閲で削除された管制官とパイロットの会話のなかの11行の公表するよう大統領に語りかけた。
「米英両国は同じ目的を掲げたが、そこから生じる問題の解決姿勢や、互いに協力する態勢において、期待をひどく裏切っていると思う」と、スーザンさんは両国の同盟関係について話した。
湾岸戦争で英地上軍兵士9人が同様の米軍による「友軍からの攻撃」で犠牲になった事故から12年が経つが、今回のA-10攻撃機2機による攻撃は、コックピットから撮影された映像に記録されていた。
英国防省は当初、映像の存在を否定し、米国防総省はその公開を拒否していた。
16日、英国防省はようやく、映像について「混乱と動揺を招いたことは遺憾」であり、検視官の判断と意見を「慎重に検討する」と発表した。
大衆朝刊紙、サン(The Sun)紙が、故意に情報提供された極秘映像を暴露し、テレビ局がこれを放映したことを受け、審問は、各国メディアの見出しに扱われることとなった。
映像の中で、事件に関わった攻撃機の1人のパイロットは、誤爆を認識した直後、「確実に刑務所行きだ」と話し、実際に攻撃をしたもう1人は泣いている様子がうかがえた。
ウォーカー検視官は米軍に対し審理に協力しなかったことを批判していた。英国政府もまた、米国防総省に対し、責任者の派遣と、証拠の明け渡しを要請したが、米国に拒否されている。
このような事例での米国の方針は、声明を送ることだという。
審問のによると、米国は依然、事件調査の全容すべては明らかにしてはおらず、審問が求めた交戦規則の詳細についても引き渡し拒否の返答をしたという。
写真は、近衛騎兵隊のハル伍長代理(撮影日時不明)。(c)AFP
http://www.afpbb.com/article/1425043