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(NHKBS)3/15:飯島大輔記者
「パレスチナの病院で働く医師や助産師達が
埼玉県の保健センター(戸田)を訪れました。
パレスチナで高まる乳児の死亡率に歯止めをかける為の
参考にしてもらおうとJICA:国際協力機構が招きました。
パレスチナ暫定自治政府のカイロ・アラファトさんです。
外国からの援助の取りまとめ役を務めています。
アメリカの大学で児童心理学を専攻し、
四人の子供を育てた母親でもあるカイロさんは、
一人でも多くの子供の命を守りたいと考えています。
イスラエル軍との衝突やパレスチナ内部の抗争で治安はしばしば悪化。
子供を病院に連れて行く為にも幾つもの検問所を通り抜けなければなりません。
乳幼児の死亡率は日本の九倍にも上ります。
(カイロ・アラファトさん)
『私達にとっては紛争や戦闘が日常です。
子供達が直面すべきでない出来事が日々起きているのです』
そんなパレスチナの母親と幼い子供達の為に医薬品などと
併せて使ってもらおうと日本側が提案したのが母子手帳です。
母子手帳を使えば母親達が子供と自分自身の健康状態をきちんと把握できる。
治安の悪化でかかりつけの病院に行けなくても、
近くにいる医師から適切な診察を受けられると考えたのです。
カイロさん達は日本の母親や病院関係者がどのように
母子手帳を活用しているのか熱心に聞いて回りました。
(カイロ・アラファトさん)
『母子手帳は子供の健康状態を確認するのにとても役立ちます。
病院に行くべきかどうか判断する指針になりますね』
戦後日本の子供達の健康を支えてきた母子手帳が、
海を越え、紛争や治安悪化に悩むパレスチナで生かされようとしています」
<スタジオで>
イラストがたくさん使われているのが特長。
作る際には、現地の人達と相談し、
医学的専門用語は避けて、できるだけ易しい言葉で分かり易く、
妊娠中から出産後の発達の段階ごとに必要な説明、知識を盛り込んだ。
(JICA:萩原明子)
「今回は、全国普及版の準備段階のパイロットテスト版を
4500部印刷して現地で配布する予定です。
パイロットテストの対象地域はジェリコとラマラ。
うまくいけばパレスチナ全土で配布する計画。
今度の土曜日はジェリコ郊外のギフトリックという小さな村で無料診療デー
というイベントを企画していて、そこで広く地域の人に母子手帳を紹介したい。
妊娠中の女性はもちろん、三歳以下の子供を持つお母さん達にも手帳を配る予定。
『イラストが多くてとても読みやすい。
子供の成長記録がとても記念になる』と
大変喜んでくれています。
アラブは一般に子沢山で、五、六人と育てる。
大家族の中で子育てするのでヘルプを受ける。
日本の核家族、少子化とだいぶ異なる。
政治情勢が安定しないからこそ、母子手帳が役に立つと病院側も考えています。
検問所や分離壁で、今まで通っていた保健所に通えなくなったりするので、
母子手帳を持っていれば、別の医療機関で適切な処置を受けることができる。
もっと大きな役割は、パレスチナの人々が、
自分達でより良い子育てをすることで
より良い地域社会をつくろうとする、
平和で安定した社会を望む気持ちを生み出したことです。
難民キャンプでも母子手帳を配布し、
パレスチナの人々が本当に独立を目指して、
平和で安定した社会を築こうとする活動に
私達は少しでも協力しようとしています」
パレスチナ母子保健に焦点を当てたリプロダクティブヘルス向上プロジェクト
http://www.jica.go.jp/evaluation/before/2005/pale_02.html
アラブ初の母子健康手帳
http://www.jica.go.jp/jicapark/monthly/0608/02.html
中東初のパレスチナ版母子健康手帳の作成を中心に
http://www.jica.go.jp/press/2006/060125-01.html