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米国:無数の難問抱えるグアンタナモの訴訟
http://www.janjan.jp/world/0703/0703051089/1.php
【ニューヨークIPS=ウィリアム・フィッシャー、2月16日】
米ブッシュ大統領が今週、キューバのグアンタナモ基地に収容されている3人の容疑者に対して軍事裁判を開始する命令を出した。この裁判の根拠法になっているのは、昨年10月に大統領が署名した「2006年軍事委任法」(Military Commission Act of 2006)である。
起訴されるのは、オーストラリア国籍のデイビッド・ヒックス、アフガニスタンで米特別軍の兵士を殺害した疑いがもたれているオマール・カードル(カナダ国籍)、アルカイダを支援した疑いがもたれているサリム・アフメド・ハムデン(イエメン国籍)の3名である。
軍事委任法は、「テロとの闘い」を理由に被疑者の権利を大幅に削減している。被疑者と弁護士の接見交通権が相当に制限され、裁判のスケジュールが厳しく管理され、逆に伝聞証拠に対しては寛容である。被疑者の上訴権も大幅に制限されている。
弁護士はグアンタナモまで行かないと被疑者に接見できない。そのうえ、カードル氏の弁護士であるコルビー・ボーキー中佐がグアンタナモを訪れたところ、当局が弁護士の訪問についてカードル氏に伝えず、結局彼と接見することができなかった。
今週、クリス・ドッド上院議員らが同法の改正案を議会に提出した。司法委員会のラス・フェインゴールド委員長も共同提案者に加わっている。同改正案は、被疑者に対する人身保護令を復活させ、違法な敵戦闘員の定義を「米国に対する敵対行為に直接参加した者」に限定し、違法な手段を通じて得た情報を証拠として提出することを禁じている。
司法の側でも、グアンタナモ収容者の弁護士たちが、ワシントンDCの連邦控訴裁判所に対して、人身保護令の停止は違憲であると宣言するよう嘆願書を出している。
さらに、これまですでに400件以上の訴訟がグアンタナモの収容者からは提起されている。そのうちのひとつがマジッド・カーン氏によるものだ。カーン氏は、米中央情報局(CIA)の秘密刑務所に3年半収容されている間、拷問や非人道的な取り扱いを受けており、中立的な裁判官によって審理を受けたことは一度もないと主張している。カーン氏は、アルカイダの「重要」容疑者14人のうちのひとりとして、最近グアンタナモに移送されたばかりである。
グアンタナモの収容者に対する人権剥奪とそれへの抵抗の動きについて報告する。(原文へ)