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(回答先: Re:イラク人口の８分の１避難民に 国連推計３７０万人 周辺国の生活悪化招く(北海道新聞） 投稿者 近藤勇 日時 2007 年 3 月 05 日 18:27:27)
シリアに殺到 イラク避難民
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20070226/mng_____kakushin000.shtml
劣悪な治安状況が続くイラクから、隣国シリアへ避難する人が後を絶たない。シリア政府などの推計によると、その数は約百万−百五十万人。だが、流入のスピードがあまりに速いため、実態の把握も難しいほどだ。国連機関はこの状況を「一九四八年のパレスチナ難民の発生以来、中東で最大の人口移動」と表現。国際社会に緊急援助を訴えている。 （ダマスカス・浜口武司）
「彼らは難民ではない。アラブの兄弟だ。われわれはできるだけのことをする。どうして彼らがここに来るのか、そっちを書いた方がいい」。シリア情報省のムニル・アリ大臣顧問は、少しいらだちをにじませながら取材に応じた。四年前のイラク戦争開戦と今の治安悪化の責任が、米国にあることを言外に含めた。
イラク人がシリアに大量に流入するのは、シリアがアラブ民族主義という「アラブの大義」を掲げ、宗教・宗派を問わずアラブ人のビザなし入国を認めてきたことが背景にある。また、同じ隣国ヨルダンより物価が安く、滞在期間の更新も比較的容易なことから、特に貧しいイラク人の「避難先」に選ばれてきた。
■国民に不満
国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）のダマスカス事務所、ローレンス・ジョレス代表は「正確な人数は誰にも分からないが、毎月三万−四万人が国境を越えている。シリアの社会、経済にとっても大変な圧力となっている」と話す。シリアの支配政党バース党の機関誌「アルバース」は「ダマスカス（の一部）では食料品が三倍、住宅の家賃は六倍に値上がりした」と報道。シリア国民にも不満は高まる。
そんな空気を反映してかシリア政府は先月下旬、従来認めていた三カ月の滞在を十五日間に短縮し、更新条件も厳しくしたところ、避難中のイラク人に動揺が拡大。ＵＮＨＣＲのアントニオ・グテレス高等弁務官やイラク連邦議会のマシュハダニ議長が相次いでシリアを訪問し、政府の真意をただす事態となった。シリア政府はその後、政策を再び緩和。アリ顧問は「一時的な変更は現状を把握するためだった」と釈明したが、増える避難民に困惑するシリアの本音が漏れた。
■対策は難航
とはいえ、避難民対策が難航しているのは、シリアだけではない。
ＵＮＨＣＲの推計で、イラクから国外への避難民は約二百万人。そのほとんどを、シリアなどアラブ諸国が引き受けている。これに対し、米国がこれまでに受け入れた難民は、駐留米軍関係者ら特殊な事情の約四百六十人だけ。国際的な批判を浴び、ブッシュ大統領は今月、七千人の受け入れを表明したが、アラブ以外の国の対応は完全に後手に回っている。
同様に、国際支援の具体化も遠い道のりだ。ＵＮＨＣＲが先月、日米など各国に要請した緊急支援総額六千万ドルのうち、シリア向けには千五百万ドルが充てられる予定で、ＵＮＨＣＲダマスカスのジョレス代表は「教育や衛生、食料など昨年の二十倍のプログラムを実施できる」と意気込む。
だが、中東外交筋は「国連の説明では、具体的に何をするのか決まっていないという印象を受けた」と語る。避難民の実態を把握できず、具体的な支援計画も立たない中では、避難民たちの不安は一向に解消されることはない。
イラクからの避難民の姿に「パレスチナ難民の再来」を懸念するアラブ各国。イスラエル建国から四十万人以上のパレスチナ難民を抱えたシリアにとっても、この上、百万人規模のイラク人定住は“悪夢”だ。泥沼化するイラクの暗たんたる未来が「アラブの大義」を掲げ、イラク人を無条件で受け入れるシリアにも暗い影を落としている。
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