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ブッシュのイラク増派は四面楚歌  閣僚のイラク戦争批判を封殺する安倍政権 【SENKI】 
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投稿者 愚民党 日時 2007 年 2 月 24 日 06:16:36: ogcGl0q1DMbpk
 

http://www.bund.org/editorial/20070215-1.htm

ブッシュのイラク増派は四面楚歌 

閣僚のイラク戦争批判を封殺する安倍政権

 ブッシュ大統領は1月23日、上下両院合同会議で一般教書演説を行い、2万人超のイラク増派計画を訴えた。

 しかし米上院外交委員会は増派に反対する決議案を可決、全米で大規模な反戦集会が開催されるなど、イラク政策の転換を求める声は更に強まっている。

 安倍政権は「イラク新政策」をいち早く支持したが、久間章生防衛相や麻生外相は公然とブッシュのイラク戦争批判を行っている。

「イラク新政策」に議会内外で反対の声

 一般教書演説の最大のポイントは、「イラク新政策」だ。ブッシュ大統領は、「失敗は悲痛な結果を招く。この政策にチャンスを与えてほしい」と支持を訴える一方、民主党が主張する早期撤退は中東全体の紛争化につながり、「米国にとって悪夢のシナリオ」になると批判した。

 とはいえ昨年の演説で大統領は、「勝利への明確な計画がある」と語ったが、今年は「米国史上、中東、イラクでの成功が今ほど重要な時期はない」と終始窮状をアピールすることしかできなかった。

 この「イラク新政策」には、アメリカ国内で強い反対が起きている。米上院外交委員会は1月24日、米軍増派計画は「国益に合致しない」と反対決議案を賛成多数で可決した。この決議案は、野党民主党のバイデン委員長、与党共和党のヘーゲル議員ら超党派で提出された。共和党の重鎮であるヘーゲル議員は、現在のイラク政策を、「ベトナム戦争以来、最も危険な外交政策の失策」と強い調子で非難している。

 この決議案とは別に、共和党のジョン・ウォーナー氏ら4名の上院議員で構成する超党派グループは、「2万1500人の米軍増派計画に反対し、大統領にあらゆる選択肢や代替案を検討するよう求める」決議案を発表した。ブッシュの足元である与党共和党内部から強い批判が次々と噴出し、「イラク新政策」は完全に孤立状態だ。

 アメリカ国民の支持率も急降下している。兵力増派案発表後の世論調査では6割を超す国民が増派に反対。米誌ニューズウィーク(電子版)が1月27日に公表した最新の世論調査結果では、ブッシュ大統領の支持率は30%と就任以来最低を記録した。次期大統領選では49%が民主党候補を支持、共和党候補支持は28%にとどまった。

 1月27日には、首都ワシントンやロサンゼルスなどで大規模な反戦集会やデモ行進が行われた。数万人が参加したワシントンでの集会には、イラクで戦死した兵士の家族や元軍人、民主党の議員らが参加し、ブッシュ政権のイラク増派策を厳しく批判した。

 この集会には、ベトナム反戦運動の闘士として知られた女優ジェーン・フォンダも参加した。34年間の沈黙を破って壇上に立った彼女は、「ベトナムの教訓が生かされていないことは悲しい」、「もはや沈黙は選択肢ではない」と語り、泥沼のイラクからの撤退を呼びかけた。

 アメリカ国内ばかりでなく、ブッシュ政権は世界中から批判の的だ。25カ国を対象にした英BBC放送の国際世論調査では、「アメリカが世界に悪影響を与えている」との回答は前年比で5ポイント増の52%に達し、イラク政策を支持しない人は平均で73%に上った。

 国内外で総スカンを食らうブッシュ政権は、任期2年を残して早くもレイムダック状態だ。

ベトナム戦争を上回る軍事予算

 孤立無援のはずのブッシュ政権は、強気の姿勢を崩そうとしていない。チェイニー副大統領はCNNテレビで、上院外交委員会の増派反対決議を一蹴した。チェイニーは、「議会には(増派にかかる)予算を削減する権利はあるが、大統領はすでに(計画を)決定した」と強調し、議会で予算が削られても拒否権を行使する考えを示したのだ。

 大統領も記者団に対し、「議会でも(イラク政策での)失敗は米国に危機を招くことを大半が認識している。私こそが決定権者であり、危機を防ぐため前に進む道を見いだす必要がある」と発言している。

 この言葉通り2月5日、2008会計年度の予算教書が議会に提出された。ブッシュ政権が要求した予算は、イラクやアフガニスタン駐留経費として計2448億ドル(約29兆5000億円)。今回を含め9・11テロ以降「テロとの戦い」に支出された軍事予算の累計は約7978億ドル(約96兆2000億円)に達する。この額は第1次世界大戦やベトナム戦争の費用(当時換算)を上回る。

 ブッシュはなぜこれほどまでにイラク増派にこだわるのか。それは、ネオコンの本当の狙いはイラン攻撃にあるからだ。ネオコンにとってイラク増派こそ、イラン戦争の前哨戦なのである。

 実際にネオコンの頭目である副大統領のチェイニーは、1月29日発売の米誌ニューズウィークのインタビューで、イラン攻撃の意図をアケスケに語った。チェイニーはイランの核開発に関し、「国連を通じた外交での問題解決を目指すが、いかなる選択肢も排除しない」と軍事攻撃を示唆した。同時に「(イラン)周辺国の多くは、米国によって安全保障が保たれていると考えている。最近のペルシャ湾への空母増派は、米国が中東での展開を続け、イランの脅威に立ち向かうという強いメッセージになった」とイランへの軍事的圧力を正当化している。

 こうした動きに対し、欧州では危機感が高まっている。1月31日付英紙ガーディアンは、「アメリカのイラン攻撃 欧州政府高官らに危機感 事態は一刻を争う」と題する記事を掲載した。この記事によれば、ある政府高官は「事態は一刻を争う。アメリカ政府の(イランに対する)言葉遣いは変わった」と語っている。対イラン攻撃は「秒読み段階」に入っており、EUは強い反対の意志を示している。

 アメリカ国内でも、ワシントンでの数万人集会を主催した「平和と正義のための連合」は、HPで〈The Time to Stop a War With Iran Is NOW!(イラン攻撃を止めるべき時だ!)〉と訴えている。  ベトナム戦争を上回る軍事予算を注ぎ込んで、イランへの攻撃態勢を整えようとするブッシュ政権の暴走をこれ以上許してはならない。

対米追随ではイラン戦争に巻き込まれる

 安倍政権がこのまま対米追随を続ければ、自衛隊がイラン攻撃に動員されるのは間違いない。危機感を持つ防衛省や外務省を背景に、安倍政権の閣僚からイラク戦争を批判する声が出始めた。

 久間章生防衛相は日本記者クラブで会見し、イラク戦争について「核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ米大統領は踏み切ったのだろうが、その判断が間違っていたと思う」と公然と批判した。さらに戦後処理についても、「処方箋がないままだった」と指摘。

 麻生太郎外相も2月3日に京都市で行った講演で、イラク占領政策について次のように語った。「ドンパチが終わった後が大変だということがイラクで分かった。ラムズフェルド(前米国防長官)はやるだけドーンとやったが、占領した後のオペレーション(作戦)としてはまったく非常に幼稚なものであって、なかなかうまくいかなかった」。

 これらの発言は、明らかにブッシュ政権を牽制している。万一ブッシュがイラン戦争に踏み切れば、日本が積み上げてきた中東での平和外交はすべて御破算となる。ホルムズ海峡が封鎖され、オイルルートを遮断されれば、日本経済はあっと言う間に崩壊するだろう。さすがに日本の政財界の中にも、危機感を募らせている勢力がいるのだ。

 さらにイラク占領ではじめて戦場に派遣された自衛隊は、イラン戦争が起きればさらに厳しい状況で動員される。自衛隊は米軍とイランとの全面戦争に巻き込まれることは絶対に避けたい。ゆえに久間防衛相や麻生外務相のアメリカ批判は、リアルに日本の安全保障を考えた上での当然の発言だ。

 しかしアメリカ政府は、こうした閣僚の発言に対し露骨に不快感を表明している。とりわけ久間防衛相は、米国向けの弾道ミサイルを日本が迎撃することに難色を示し、普天間基地移設問題では「アメリカは黙っていて欲しい」とも発言している。報復としてブッシュ政権は、日本側が早期開催を希望している日米安全保障協議委員会(2プラス2)をペンディングにするなどの圧力をかけている。

 これに対し安倍首相の官邸サイドは、アメリカの圧力に右往左往するだけだ。塩崎恭久官房長官は「(アメリカに)誤ったメッセージを伝えることになりかねない」と久間防衛相にクギを刺した。安倍首相は、アメリカのご機嫌をとるかのようにブッシュの一般教書演説を持ち上げ、「イラクの安定、復興に強い意志を示したものだ。効果的に成果を出すことを期待したい」と相変わらずの全面支持だ。

 しかし安倍首相は、今年の一般教書演説で北朝鮮問題が完全に後景化したことを知らないわけがない。安倍政権は拉致問題の解決を最重要課題にしているにも関わらず、「最大の同盟国」であるアメリカには無視されているのだ。

 それでも安倍首相にとっては、アメリカの顔色を伺うことが何より大切なのだ。こんな政権が続けば、日本はアメリカと共に世界から孤立する。

 日米のネオコン政権を一刻も早く退陣に追い込まなければならない。


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「不都合な真実」を隠し続けたブッシュ政権

大統領の嘘はイラクだけじゃない

 ブッシュ大統領は今年の一般教書演説のなかで、2017年までにガソリン消費量を20%削減し、27年までに戦略石油備蓄を倍増、エタノールなどの代替燃料の普及を促進させる方針を打ち出した。「外国の石油への依存は敵対的な政権やテロリストに弱みを見せる」と語り、「脱石油依存」をテロとの戦いのなかに位置付けたのだ。

 注目すべきことは、「脱石油依存」は「地球の気候変動という深刻な課題に立ち向かう助けとなる」とも表現したことだ。一般教書演説で、環境ターム「climate change(気候変動)」が語られたのは初めてだ。  理由は、昨年10月の中間選挙で野党民主党が議会多数派となったからだ。民主党は、地球温暖化と温室効果ガス(CO2など)との因果関係を主張している。ブッシュはこの主張に渋々譲歩したのである。

 だがブッシュ政権の本音は変わっていない。アメリカは、温室効果ガス削減は産業競争力を低下させると主張し、京都議定書から離脱したままだ。しかもホワイトハウスはこれまで、地球温暖化を指摘する気象学者に政治的な圧力をかけ、データ捏造を行っていた。

 米下院監視・政府改革委員会のワックスマン委員長は1月30日の公聴会で、米民間団体「憂慮する科学者同盟(UCS)」による衝撃的な調査結果を発表した。調査によればブッシュ政権は、環境保護局(EPA)が2003年7月に発表した「環境報告書」の内容に政治的圧力をかけ、温暖化が人間の健康に与える影響など複数の箇所を削除するよう要求していた。EPAはこの圧力により、同報告書から温暖化に関する部分をすべて削除していた。

 さらにUCSが約300人の政府関係機関の気象学者に対し行ったアンケートでは、次のような結果が出た。「気候変動」「地球温暖化」などの言葉を削除するよう圧力を受けたことがある(46%)、研究結果の科学的意味が変わってしまう内容の変更を強いられた(43%)、政府の介入の結果、辞任したり研究への参加を辞退するなどを直接に経験、ないしは見聞した(25%)。

 しかし、政治的圧力によって科学的知見を抑え続けることはできない。2月1日国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第1作業部会は、地球温暖化に関する最新の科学的調査を集約した第4次報告をまとめた。

 報告では、現在の地球の平均気温上昇は、90%を超える確率で人為的な温室効果ガス増加に因ると指摘。さらにこのまま人類が化石エネルギーに依存し、現在の水準で経済成長を維持し続ければ、今世紀末の平均気温は20世紀末に比べて最大で6・4度、海面は最大59センチ上昇すると警鐘を鳴らしている。

 加えて「極端な降水や熱波が増えている」とも指摘し、増大する異常気象が温暖化に起因することを初めて認めた。実際にこの冬、世界各地では記録的な暖冬が頻発している。

 ブッシュ大統領は、大量破壊兵器を口実にイラク開戦を強行し、地球温暖化の「不都合な真実」を隠し続けた。歴史に残る「嘘つき」大統領は、一刻も早く辞任するべきだ。

 


(2007年2月15日発行 『SENKI』 1237号1面から)
http://www.bund.org/editorial/20070215-1.htm

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