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「イラク・イン・フラグメンツ」が今年のアカデミー賞・ドキュメンタリー長編賞(http://feature.movies.jp.msn.com/special/oscar2007/nominees.htm)にノミネートされた。イスラム教スンニ派とシーア派、クルド人の視点からイラクの今日を描き、この映画は市井のイラク人の語りで展開される。2006年サンダンス映画祭ドキュメント部門で監督賞、撮影賞、編集賞を受賞し、日本では3月にNHK衛星で放映される予定。公式HPはこちら ⇒ Iraq in Fragments(http://www.iraqinfragments.com/)
今のところweb上でこの映画の内容を日本語で詳しく紹介しているものはないようだ。「しんぶん赤旗」(2月17日付6面)に「『イラク・イン・フラグメンツ」』/米ロング・レイ監督に聞く」が掲載されていたので、紙面から直接転載する。
イラク人の息遣いを伝えたい/告発映画に共感広がる
米国のブッシュ政権がイラクを侵略してから来月で四年。イラク人が語る言葉を通して米軍占領下で混迷する国の現状を静かに、鋭く告発するドキュメンタリー映画「イラク・イン・フラグメンツ(引き裂かれたイラク)」が共感を広げています。このほどベルリンを訪れた米国人監督、ジェイムス・ロングレイ氏に聞きました。(ベルリン=中村美弥子)
パレスチナのガザ地区を取り上げた前作を完成させ、米国内で上映を始めた二〇〇二年春、ブッシュ米政権が近い将来、イラクを侵略することが確実な情勢となっていました。
私は、米国民にイラクの様子を伝えることが重要だと考えました。ドキュメンタリー
では、現在だけでなく将来にわたっても価値を失わない題材を見つけることが欠かせません。歴史を保存するという使命感を持って撮影に臨みました。
しかし、フセイン政権下のイラクは制限が多く、映画を撮影するのは非常に困難でした。米軍侵略直後の〇三年四月から〇五年四月にかけて撮影しました。イラクが無政府状態となったので、自由に撮影することができたのです。
私はプロパガンダ映画をつくったつもりはありません。むしろ普通のイラクの人々が何を考え、どんな生活を送っているのか、かれらの息遣いを詳細かつリアルに伝えたいと思いました。人々がイラクについて考えるとき、ニュース映像で見るイラクだけでなく、そこに住む普通のイラク人にも思いをはせてほしいからです。
そのため、映画はイラク国内三カ所を舞台にして、違う角度からイラク社会を伝えるようにしました。
同時に、米国の侵略と占領によってイラクがバラバラに引き裂かれてしまったという点にも目を向けてほしい。米国の占領が、スンニ派とシーア派の対立を生み、激化させているという現状があります。フセイン政権の崩壊で自由を得たと考え、米軍の占領を歓迎しているクルド人は、独立を望んでいます。
イラク戦争は、巨額の戦費がつぎ込まれているにもかかわらず、米兵が次々と殺され、出口が見えず、泥沼化しています。いまでは、米国民の過半数がこの戦争に反対するようになりました。
米政府は米軍をイラクから撤退させ、イラクに補償し、復興のために財政支出をするべきです。イラクの避難民を支援すべきです。
イラクに限らず、米国の中東政策はそこに住む人々のことを完全に無視して進められてきました。米国は非常に重い罪を背負っています。