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ロ大統領、中東3カ国歴訪 米主導の秩序、転換狙う
http://www.asahi.com/international/update/0212/001.html
2007年02月12日00時51分
ロシアのプーチン大統領が11日、サウジアラビア、カタール、ヨルダンの歴訪を始めた。3カ国は歴史的に米国との協調を重んじてきた国々で、世界最大の産油国サウジをロシア大統領が訪問するのは初めて。イラクの混迷などにより中東で米国の影響力が退潮傾向にあるなか、ロシアとアラブ諸国が接近を図る動きと見られている。
プーチン氏は11日、リヤドに到着した。13日までの日程でドーハ、アンマンを訪問する。各国とも国王や首長による大々的な歓迎行事を予定している。
各首脳会談ではエネルギー戦略や中東政治が包括的に議題になる。特に世界的に需要が高まる天然ガスについて、世界2位の埋蔵量を持つイランは先月、ガス産出国も石油輸出国機構(OPEC)のような価格統制組織をつくるべきだとロシアに提案。プーチン氏は今月の記者会見で「興味深い」と発言した。現実味はまだ薄いとはいえ、世界最大の埋蔵量を持つロシアが3位のカタールや、4位のサウジとどう話し合うか注目される。
政治面では、サウジがロシア製戦車など武器を大量購入するとの見方が強まっている。かねてサウジは米軍需産業の最大級の得意客だが、01年の9・11事件以来続く米国からの民主化圧力への嫌気がサウジ内に広がっているともいわれる。サウジは最近の対中国外交と並んでロシアとも首脳外交を進めることで、対米偏重から多極化外交へのシフトを内外にアピールしたいものと見られる。
中東歴訪について、プーチン氏は訪問前の記者会見で「この地域での影響力をどの国とも争うつもりはない」と語った。だが、実際にはこれまでの米国主導の中東秩序を変えたいという意図があるのは明らかだ。
ロシアは90年代まで、サウジなどがチェチェンのイスラム系武装勢力を支援しているなどとしてペルシャ湾岸諸国と疎遠な関係を続けていた。しかし、9・11事件以降、アラブ側が過激派取り締まりに動いたこともあって流れが変わった。
サウジのアブドラ国王は、皇太子だった03年にモスクワを訪問。天然ガスや石油開発で協調する合意を交わした。さらにロシアは05年、イスラム諸国会議機構(OIC)のオブザーバー参加の権利を得て、中東との対話のパイプを広げている。