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2003年3月に米軍は対イラク戦争を開始したが、宗派間の抗争が激化し、治安の
回復には依然程遠い。この影響でイラクでは多数の難民や内国避難民が発生している。
難民が大量に発生したのは、米軍のイラク侵攻に端を発しているが、ブッシュ政権はイ
ラクからの難民受け入れにあまり積極的ではないという。2003年以来、米国がイラ
クから難民として受け入れたのは、わずか466人にすぎない。
難民とは、政治、宗教、人種的な迫害を受け、国外に出た人々だ。難民として受け入
れるかどうかは、対象国が審査して決める。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
によると、これまでにイラクでは200万人の難民が発生した。また国内の宗派間の抗
争激化により、住居の変更を強いられて避難民となった人々は170万人に達してい
る。
難民の多くは、近隣のシリアやヨルダンに逃げている。難民・避難民は今後も増加す
ると予想されている。しかし、ヨルダンが2005年11月のテロ事件発生以来、難民
の流入や国内滞在に厳しい基準を設けるなど、難民の受け入れ先の環境は悪化してい
る。
米国は2001年の9・11同時多発テロ以降、難民の受け入れを事実上シャットア
ウトした。その後、次第に受け入れを緩めているが、テロ警戒もあり審査は厳しくなっ
ている。2005年は198人、2006年は202人と、低い水準で推移している。
2007年の受け入れ予定枠も500人にとどまっている。
国から逃げる人々の中には、駐留米軍や外国人記者の通訳をした人たちも含まれてい
る。2005年にイラク南部のバスラで、フリーランスの米国人記者が殺害された。彼
の通訳だった女性も米国への難民を申請した。
1月に開かれた上院司法委員会の公聴会で、記者の妻が出席し、当局側から、彼女の
難民申請は認められないと通告されたことを明らかにした。理由として「イラクには
今、民主主義がある。彼女が逃げなければならない理由はない」といわれたという。
同委員会のメンバーである民主党のE・ケネディ上院議員(マサチューセッツ州選
出)は、「われわれのために果敢に働き、ときとしてその代償を払うことになるイラク人に対して、米国は、安全な避難場所を提供する義務を負っている」と指摘した。
米国は対イラク戦争で年間1000億ドルの戦費をかけている。ケネディ議員は、こ
れに対し、ブッシュ政権が200万人の難民支援のために2007年予算で計上した費
用は、わずか2000万ドルにしか過ぎないと批判した。
公聴会に出席した米国務省当局者は、2007年に米国が世界中から受け入れる難民
の総枠は7万人と指摘。このうち2万人は緊急用として残しているが、この枠をなるべ
くイラク人難民に使用すると述べた。
(2007年2月2日 08:08)
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000004862