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http://news.www.infoseek.co.jp/world/story/photo02mainichiF20070204k0000m030092000c/
＜中東＞同時内戦の恐れ 米など「イランの影」指摘 (毎日新聞)
パレスチナ自治区ガザ地区での衝突で多数の死傷者を出した旧主流派ファタハと、自治政府を主導するイスラム原理主義組織ハマスの首脳は２日、戦闘停止で合意した。だが、対立構図は解消されておらず、３日も散発的な衝突が起きた。イラクではイスラム教シーア派とスンニ派の宗派間抗争や武装勢力の攻撃が絶えず、レバノンでも反シリア派と親シリア派の緊張関係が続き、中東で内戦状態が同時に出現する危険が高まっている。米・イスラエルなどは「イランの影」を指摘するが、イランは「イラク、レバノン、パレスチナで失敗した米国はスケープゴートを探し、イランを非難している」（モッタキ外相）と反論している。【エルサレム前田英司、カイロ高橋宗男】
◇パレスチナ「停戦」後も攻撃
ガザ地区でのファタハとハマスの衝突による死者は２日だけで市民４人を含む計１７人にのぼった。ファタハ出身のアッバス議長とハマス政治部門の亡命指導者メシャール氏による停戦合意後も、ハマスが実権を握る内務省にロケット弾が撃ち込まれ、ファタハの治安機関施設が攻撃を受けるなど、両派の抗争が続いている。
イスラエル放送によると、アッバス、メシャール両氏は２日夜の電話協議で６日にサウジアラビアのイスラム教の聖地メッカで会談することを確認したという。また、中東和平４者協議（米、欧州連合、ロシア、国連）の外相級会合は２日、衝突に「深い懸念」を表明した。
混乱の根底にあるのは、一向に進展しない中東和平交渉を巡る議長ら穏健派と、ハマスら抵抗派の対立先鋭化だ。ハマス排除を狙うとされる米国は議長側に対する軍事支援などで穏健派を後押しする。一方、ハマスはイランから資金供与などを受けているとされ、米国が中東を色分けする「穏健派対過激派」の縮図がパレスチナ内部抗争にも見え隠れしている。
事態沈静化には「統一政府の樹立が最善策」（ガザ市・アズハル大学のシャルク教授）というのが大半の識者の見解だ。アッバス議長は統一政府樹立に向けてのハマスとの協議が失敗すれば議長選挙とパレスチナ評議会（国会に相当）選挙を前倒し実施すると表明している。だが、議長が強行策に打って出ればハマスとの本格的な内戦状態に突入するのは必至だ。
◇イラク…民間人死者数急増
イラクに吹き荒れる暴力の嵐は収まる気配がない。先月末には宗教権威の転覆をもくろむとされる正体不明のカルト集団の存在が伝えられ、混乱に拍車をかけている。
ＡＰ通信によると、暴力による１月の民間人死者は１９９０人（保健省当局者）で前年同月の約２・８倍だ。イラク治安部隊の作戦拡大に伴い、殺害された武装勢力メンバーも６００人近くに上った。
先月２８日にはイラク中部のシーア派聖地ナジャフの近郊で米・イラク軍と武装集団が交戦、当局発表によると、武装集団側約３００人が殺害された。イラク当局は武装集団を「ディヤ・アブドルザハラ・カディム」と称する３７歳のシーア派男性が率いるカルト集団「天国の兵士」と説明、同派指導者や巡礼者の殺害を計画していたと指摘している。男性は暴力によって救世主「マフディ」の再来をもたらそうとしていたとの報道もある。
当局の説明が事実とすれば事件はシーア派内の深刻な対立を浮き彫りにした形だ。大量の武器・弾薬を保有していたカルト集団に対してイラク治安部隊は苦戦、国民の間では治安面での不安が募っている。
◇親・反シリア派、暴力抑止に懸命 レバノンの親シリア派のシーア派民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師は先月３０日、シーア派の宗教祭事アシュラで「レバノンには政治的解決しかない」と支持者に訴えた。
ベイルートでは先月２５日、大学生同士の口論をきっかけに周辺住民を巻き込む「反シリア派対親シリア派」の衝突が発生、市街地に響き渡った銃声が「内戦の記憶」を呼び覚ました。
反シリア派のシニオラ首相もナスララ師の「政治解決」発言を歓迎するなど、両派指導者は暴力抑止に懸命だ。両派に強い影響力を持つイランとサウジアラビアも接触を繰り返し、レバノンの「内戦」回避に向けた協議を行っている。
[2007年2月4日16時33分]
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